太陽の壺 の商品レビュー
あとがきに「母と向き合う時間の始まりでもありました」とあるように、傑作「歓待」の序章という趣がある。「樋口一葉またの名を夏まっすぐに草矢飛ぶごと金借りにゆく」「童心は小鈴のやうに鳴るなれば曇天のしたを鳴らしゆくべし」「まことしづかな浜昼顔とし吾は咲き海を見てをり百年がほど」「闇と...
あとがきに「母と向き合う時間の始まりでもありました」とあるように、傑作「歓待」の序章という趣がある。「樋口一葉またの名を夏まっすぐに草矢飛ぶごと金借りにゆく」「童心は小鈴のやうに鳴るなれば曇天のしたを鳴らしゆくべし」「まことしづかな浜昼顔とし吾は咲き海を見てをり百年がほど」「闇と闇呑みあふやうな夜をくぐりザムザも夫も今朝出勤す」「独り家に独り餅つく母はゐてわつしよいわつしよいこの世が白し」「太陽の壺とふ名のみに知る花ありありと咲きゆきて死者を恋ひやめぬ母」
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