通夜女 の商品レビュー
失敗が怖いのは分かる。 そんな怖がりが、就活から逃げて、1年ちょっとも引き込もれるのか?自立に失敗しそうなのに、目を背けていられるのだろうか?考え方が甘すぎてムカつく。 そんなふうに感じたのは、前半。 後半に入り、小夜子の自己分析が進むにつれ、すこし共感できてしまったりして。 ...
失敗が怖いのは分かる。 そんな怖がりが、就活から逃げて、1年ちょっとも引き込もれるのか?自立に失敗しそうなのに、目を背けていられるのだろうか?考え方が甘すぎてムカつく。 そんなふうに感じたのは、前半。 後半に入り、小夜子の自己分析が進むにつれ、すこし共感できてしまったりして。 結局、人は、どうしても嫌なことを回避しようと足掻くんだな、と思った。 当然嫌なことは人それぞれ違うから、その選択を理解するのは難しい。
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帯は、 ------------------------- 前向きになれる通夜通いのススメ!? さよならから はじまる人生がある。 ------------------------- 就職活動に失敗し、 ひきこもりになった小夜子24歳。 ずっと下に見ていた弟の結婚。 中学受験に不合格だった友人のイギリス留学。 周囲と比較し、卑屈になる。 現実逃避したくなる。 思えば幼少期から、祖母に何かと言われ、 良い思い出もない。 そんな小夜子が偶然参加した他人の葬式。 読経とお香。 誰かの死に怒って、悲しんで、憔悴して。 他人とその周りの死を、傍観(同席)することで癒される小夜子。 自分を客観視できず、責任転嫁する。 傷つきたくないから自分から動きたくない。 ちょっと性格悪そうな小夜子なんですが、 気持ちはわかる。 通夜通いをやめられない小夜子の前にあらわれた老婆。 「通夜女」と出会う。 正直、お通夜に知らない人が紛れ込むって、 普通に考えると怖いし、不謹慎すぎて。 だけど、人の死を悼んで偲む空間というのは、 厳かで人間らしい場所なのかもと思いました。 葬儀社に関わる人達と、通夜女、友人、弟、両親、 登場人物全員が少しずつ苦しんでいたり、 その人たちなりの物語と背景があることに気づいて、 少しずつ視野を広げ、 取り戻して立ち直る小夜子の姿が良かったです。 24歳なんて自分のことで必死過ぎて良い。 視野が狭くても仕方ない。 両親への感謝とか、家族への無償の愛とか、 正直私が24歳だったときもわからなかったし。 だけど、通夜通いは多分私はしない。苦笑 「喪失を受け入れ、世界を再構築すること。」 小夜子が求めていたのは、逃避ではなく再生だったのかも。
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ストーリーとしては面白いのに、主人公の人と接する際の「いじめにあったとか?あなた、不登校?」と言った発言等で主人公の小夜子を好きにはなることなく読了。
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就職活動の躓きから引きこもりとなってしまった主人公が、ふとしたきっけかから他人の通夜に潜り込むことに楽しみを見出し、そこからいろいろな出会いを経て自分の居場所を見つけるお話です。少し不謹慎ともいえますが、少し大き葬儀になれば、参列者をすべて把握できている人はたぶんいないので、一人...
就職活動の躓きから引きこもりとなってしまった主人公が、ふとしたきっけかから他人の通夜に潜り込むことに楽しみを見出し、そこからいろいろな出会いを経て自分の居場所を見つけるお話です。少し不謹慎ともいえますが、少し大き葬儀になれば、参列者をすべて把握できている人はたぶんいないので、一人二人紛れ込んでもわかりませんね。もとはシナリオらしいので、映画で見てみたい気もします。
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就職活動に失敗し、心がぽっきり折れた小夜子は、 ふらりと通夜に立ち寄る。 会場には香の匂いとお経、木魚のリズム、 そしてすすり泣く声が――。 そこには奇妙な老婆がいた。 通夜を渡り歩き、遺族を慰める「通夜女(つやめ)」 だと彼女は名乗る。 さまざまな葬儀を通夜女と訪れるうちに、 小夜子の心に変化が訪れる。 知らない人通夜に忍び込んで参列する通夜女。家族を亡くしている私からすると、なんだか小夜子みたいな人には来てほしくない。こちらは、大切な人を亡くして憔悴しているのに、通夜参加に生きがいを感じてしまっている小夜子は、完全に遺族の気持ちを忘れている。 だけど、通夜女は違う。通夜振る舞いを食べる謎の人物だけど、遺族の気持ちを汲んで溶け込もうとしている。故人の昔の知り合いなのかなと遺族に思わせるだけの配慮がある。 小夜子と通夜女の関係も面白くなり、2人を応援している菓子業者が出てきたり、なんだか新しい事業を立ち上げた通夜女を邪魔する女が出てきたりして面白かった。しかし、あの女社長はいろいろ考えるな。本当に、転んでもただでは起きない女なのだろうな。 小夜子のお母さんも面白かったなぁ。警官とのやりとりは本当に面白かった。あんな母親が来たらもう何も言い返せないと思うわ。しかし、最後まで読んだ今はおかあさんのあのやりとりも分からんでもないかもしれない。 ニートだった小夜子が、通夜女と出会って、いろんな経験をして、傷ついたり傷つけたりして成長して良かった。最後、通夜女の行方はわからないけど、きっとどこかであの男の子と一緒にいるんじゃないかな。 2023.1.17 読了
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小夜子が就職活動に失敗し、引きこもりになってしまった事情には同情する。 だが、傲慢でプライドが高く、ひねくれもので小心者、というキャラクターがなんともイラつく。 両親にとても愛されているのに、それを当たり前に受け止めているのも、お嬢様気質で、キャラクターにブレがない。 他人の不...
小夜子が就職活動に失敗し、引きこもりになってしまった事情には同情する。 だが、傲慢でプライドが高く、ひねくれもので小心者、というキャラクターがなんともイラつく。 両親にとても愛されているのに、それを当たり前に受け止めているのも、お嬢様気質で、キャラクターにブレがない。 他人の不幸を楽しみたいがために通夜を渡り歩くなんて、なんという悪趣味。 だが、通夜で出会った老婆(通夜女)、太陽くん、ケーキ屋さんとの関りを通じて、小夜子は少しずつ変化していく。 厳しかったトキばあと、通夜女が重なる。 通夜女が小夜子を成長させてくれたのだと思う。 ちょっと不思議で、ちょっとリアルな成長物語。
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・流石に通夜通いはしなかったけど引きこもる過程など身に覚えがあるもので、主人公がなんとも見苦しかった。感情や行動があんまりリアルなので、似たような経験をお持ちの方は、吹っ切れた後に読むのが良いかと思います。 ・通夜や葬儀って、亡くなった人のための儀式ではあるけど、残された人が気持...
・流石に通夜通いはしなかったけど引きこもる過程など身に覚えがあるもので、主人公がなんとも見苦しかった。感情や行動があんまりリアルなので、似たような経験をお持ちの方は、吹っ切れた後に読むのが良いかと思います。 ・通夜や葬儀って、亡くなった人のための儀式ではあるけど、残された人が気持ちの整理をつけるために行うという意味合いのほうが大きい気がする。 ・舞台は恐らくこの本が出版された2020年頃なんだろうけど、設定とか登場人物の言動が、ちょっと現代の空気感とずれている部分が少しあり気になった。解説曰く、元々は2008年に書かれたシナリオが元になっているとのことなので、ひと昔の時代感も混ざってしまったままなのかもしれない。
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良かった。 色々な人生の章が描かれている。 小太郎と時尾さんが よい味出してる。 みんなそれぞれ生きてるなぁ。。とおもえる。 なんとなく、まんざらでもないと思える一冊。
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就活で言われたたった一言が主人公をひきこもりにしてしまう。たった一言なのにと思うようだけど今まで否定されずに生きた環境が彼女の精神面では受け止めれなかったのはなんだかよく分かる。 叱られたことが極端に少ないと叱られることを受け止める力がすごく弱くなる。褒められてるのにたった一つの叱られることによってそれが勝ってしまう。唯一幼い頃に亡くなった祖母だけが彼女を厳しく育てようとしていた。だからって主人公の親が悪いわけじゃなく、彼女を想う気持ちも伝わってきた。 そういう弱ってる時に偶然他人の通夜に行ってしまいそこから通夜に癒しを求めて通うようになる主人公。そこでは亡き祖母を思わす通夜女がいて、この人幽霊なのかなと思ったけど結局はホームレスのお婆さんだったことがわかる。 最初はわりと笑いもあるけど後半からは通夜に癒しを求めた代償が返ってくるし、切ない場面が結構ある。 最終的にはちゃんと主人公は就職できるし、ちゃんと歩いていけてる。
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ドラマを見ているようだった。 登場人物の人間味が強すぎた。主人公は人のせいにしすぎ。 死とは、自分の周囲を形作っている世界から、ひとつのピースが欠けること。それを認識し、世界を再構築するために、人は葬儀をするのかもしれない。 先に進むには、喪失を受け入れる覚悟が必要で、葬儀はその...
ドラマを見ているようだった。 登場人物の人間味が強すぎた。主人公は人のせいにしすぎ。 死とは、自分の周囲を形作っている世界から、ひとつのピースが欠けること。それを認識し、世界を再構築するために、人は葬儀をするのかもしれない。 先に進むには、喪失を受け入れる覚悟が必要で、葬儀はそのための儀式。
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