信仰の現代中国 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
この本は宗教を禁じていた共産党中国において、今宗教はどのような状況になっているかを追っていく作品です。 現在の中国の宗教事情を知れたのは非常に興味深いものがありました。 ただ、本書でも述べられていたのですが、近年共産党当局が厳しい統制をかけているため今後どうなるかはわからないというのは非常に恐ろしく感じました。 この本は私達の知らない中国を目の当たりにすることになります。著者が実際に長期の密着取材をしたからこその情報が満載です。現代中国の宗教事情を知るのにこの本は非常におすすめです。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
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上下二段組、400頁を超える分厚い本だが、面白さに引きずり込まれるようにして読み終えた。現代中国に生きる市井の人たちが仏教、道教、キリスト教の世界に豊かに、そして苦悩に満ちて生活している姿が生き生きと描かれている。 著者は、どうやらモントリオール生まれのカナダ人で、いまはドイツに...
上下二段組、400頁を超える分厚い本だが、面白さに引きずり込まれるようにして読み終えた。現代中国に生きる市井の人たちが仏教、道教、キリスト教の世界に豊かに、そして苦悩に満ちて生活している姿が生き生きと描かれている。 著者は、どうやらモントリオール生まれのカナダ人で、いまはドイツに居を構えているらしい。 で、著者がこれまで中国を訪れたときに北京、山西省、成都等で出会った人たちの宗教的生活をルポルタージュとして、やや小説風にも書いている。 1962年生まれの著者は、同年代かそれよりも年上の人が多く、毛沢東の文化大革命を子供の時、壮年期に遭遇している人が多い。したがって、現代中国の北京や上海の都市住民や若者とはかなり異なるところが多いので、これが中国の姿と思い込まないように注意する必要がある。その辺の差異は、部分的に描かれてはいる。 毛沢東のみならず習近平にも批判的な記述が多く、訳者あとがきによれば2020年に中国を退去させられたとのこと。また、本書は中国国内では発禁とも書かれている。習近平政権ならさもありなんという内容の本。
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