ループ・オブ・ザ・コード の商品レビュー
11月-02。2.0点。 近未来SF。ある国が、世界的に重大な犯罪を犯し「なかったことに」される。その国の子供たちに奇妙な病気が見つかり、調査する主人公たち。。 主人公の過去や、なかったことにされた国の、過去に関する描写が小出し過ぎて読むのが進まなかった。 また、子供たちの病気...
11月-02。2.0点。 近未来SF。ある国が、世界的に重大な犯罪を犯し「なかったことに」される。その国の子供たちに奇妙な病気が見つかり、調査する主人公たち。。 主人公の過去や、なかったことにされた国の、過去に関する描写が小出し過ぎて読むのが進まなかった。 また、子供たちの病気の原因が弱すぎる気がした。
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ハードボイルドSFを読みたくて。未知の病原菌とのSF的戦いかと思いきや、割と人間味の強い事件を解決するストーリーだった。 ガチガチのハードボイルドというにはまだ少し甘いところがある気がするが、巻末を見て作者の若さに驚いた。今後にも期待!!
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20年前あらゆる歴史が抹消された、かつての独裁国家「イグノラビムス」にて、児童が原因不明の奇病を発症し、また別の事件も発生しつつ、そこに世界生存機関〈WEO〉職員が派遣される、というお話(?)。 大変読み応えのある作品でしたな。 歴史と新たに生み出された国家、またそこに生きる者たち、そしてそこで産まれた子どもたち、様々な家庭環境があり、それぞれの事情がある。 それらがひとつのコード(線)で繋がれたループ(輪)である?。 とても厚みのある(実際本厚い・本文二段組400ページ)重めのお話でしたな。 同性愛だったり、あやとりだったり、家族のつながりだったり、ラジバンダリ。 なかなかに深かったのよぅ。うまくまとめられないのが悔しい。
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4.5くらい。 自分がもっと純粋で無邪気で世間知らずでスレていなかったら、それこそ純粋に無邪気にわーすごいと楽しく読んでたと思うが、今の自分は伊藤計劃もこの作品に出てくる例えや物事を知っているので、そこまでじゃなかった。 逆にその知識の羅列が鼻についてしまった。なんでだろう。 でもやっぱりその羅列の量も話の質の詰め込み方もすごすぎて、これからこの才能はどう伸びていくのか気になる。もっと面白いのが読みたい。 “愛を形にする権利は誰にでもある。”から始まり、“後悔したいと思ったのは生まれて初めてだった。”で終わるのが、ものすごく計算されていて良かった。 全体的なテーマとして、こんな地獄に子供を産んでも良いのか?自分で責任がとれないものに対して積極的に関わって、他人(産まれてきた子供)にその代償を払わせても良いのか?というもので良かった。 反出生という話はたぶん、進撃の巨人で触れた人が多いと思うし、それ以外にも少子化問題で触れた人もいるだろうが、自分にとってはかつてのSF小説で出てきた要素だなという感じ。 そこでは、人が減れば世界は平和になるのでは?だったが。このまま人口が増加すると地球環境がヤバイという世相のせいもあったと思う。 現代においてこのテーマについて考える話は面白かった。そして結局、主人公はたとえ地獄でも産もうと決める。子供を持つことに反対しながらも、いずれ後悔するとわかっていても。ここらはへんは映画「メッセージ」を思い出して良かった。 わからない未来とわかる(逃れられない)未来どっちが良いか。普通は、未来がわからないほうが良く、そこから自分に出来るだけ都合の良い未来に寄せようとする。完璧に管理されるような社会ではなく、たとえ間違いがあっても不完全な人間が決める社会を選ぶ。これが賛歌される。 作中のCIAの彼によって、管理されたほうが良い人間もいると指摘されるのが面白かった。主人公はヒロイックだなと言うだけで共感は示してないけど、子供を持ちたくないので、部分的には同調していたと思う。 しかしながら、ヨハンとの結び目が欲しくて、子供を持つことを決める。単純にヨハンを愛してるからを、さらに想像力をもって、どんな代償を払うか計算したうえでの答え。 子供を利用していることさえも理解したうえでの答え。 その回答を導くまでの話。 ジェイムズに対して、なんか主人公の父親みたいだなと思ったタイミングで、主人公もその告白してて笑った。支配と報酬がきっちりしているところが父親っぽい。 終盤の家族セラピーの場面は本当に舞台立てとして良い場面すぎるんだけど、泣いてしまった。理想がある。この期に及んでも協力しない場合も十分されるので、協力しあった家族という奇跡に泣いてしまった。 章タイトルつなげてknot(結び目)にしてるの良いね。 子供達の奇病についてはエウレカセブンの絶望病を思い出した。 現実でも、難民の子供達にあきらめ症候群という昏睡状態に陥る病気がある(詐病だったらしいが) 作中だとリトアニアの子供達やダイアナ妃の話がされていた。 奇病の原因についてはもう最初から、子供達のゆっくりとした自殺だろうなと感じていたが、カウンセリングのところはミステリーのようで面白かった。虐待あるよなあ。
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デビュー2作目でこんなにすごいのを読んだのは『亡国のイージス』以来ではないだろうか?いやーんでもない新人だわ。
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例えば、人と人は決して心の底から分かり合える事は無い、とか、そのような類の絶望というか諦念を持つ事が10~20代にかけてあるように思います。生命の各個体には特別な意味はなく遺伝子を繋いでいるだけだ、とか、そういうのも。。 本作品を読んで、前作の「擬傷の鳥はつかまらない」も続けて読...
例えば、人と人は決して心の底から分かり合える事は無い、とか、そのような類の絶望というか諦念を持つ事が10~20代にかけてあるように思います。生命の各個体には特別な意味はなく遺伝子を繋いでいるだけだ、とか、そういうのも。。 本作品を読んで、前作の「擬傷の鳥はつかまらない」も続けて読みましたが、この若い作家さんは、そのような角度から見た世界観やテーマに取り組んでいるのかと思います。両作品ともとても面白く読みました。 そのようなある種の絶望を前提として、どうやって人はその先の人生や未来と折り合いをつけていくのか。この世に希望と呼べるものがあるとすれば、それは何から生まれてどうやってつかみ取るものなのか。 次作も期待したいです。
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SFが苦手なので読みづらかった。自分の読解力が足りず、大きな世界の上澄みしか理解できなかった。よい本かもしれないけれど、自分にとって楽しめたかどうかの評価です。
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世界的な犯罪を犯したために国の歴史ごと抹消されてしまった国を舞台に2つの事件を同時に解決しなくてはならなくなったという物語。子供が発症する奇病の治療に臨む医療ミステリーと危険な化学兵器の行方を追うスリラーとの2つのジャンルにSFや倫理観をミックスしたような印象。あの「虐殺器官」の...
世界的な犯罪を犯したために国の歴史ごと抹消されてしまった国を舞台に2つの事件を同時に解決しなくてはならなくなったという物語。子供が発症する奇病の治療に臨む医療ミステリーと危険な化学兵器の行方を追うスリラーとの2つのジャンルにSFや倫理観をミックスしたような印象。あの「虐殺器官」の衝撃と書かれていたが、それよりも読みやすくエンタメ寄りだったように思う。非常に長いのだがその分キャラクター1人1人に奥行を持たせてある。そのために感情移入しやすく読みやすさに繋がったのではないか。著者2作目にして異色の出来ばえ。
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なかったことにされた国の反出生主義についての物語。未知の病やテロリズムと戦う主人公。 様々な要素が詰み込まれ、とても難解で、2段組だし、途中で脱落しそうになったけど、がんばって読んだ笑。 荻堂顕さん、まだ20代の作家さん。若いから精力的で勢いがある。小説家としての総合的な力量がす...
なかったことにされた国の反出生主義についての物語。未知の病やテロリズムと戦う主人公。 様々な要素が詰み込まれ、とても難解で、2段組だし、途中で脱落しそうになったけど、がんばって読んだ笑。 荻堂顕さん、まだ20代の作家さん。若いから精力的で勢いがある。小説家としての総合的な力量がすごいなぁと感じた。今後が楽しみ。 タイトルはあやとりと臍の緒のこと、かな? 登場する音楽がとてもいいので、プレイリストを 作りました。 King of Pain/The Police Don’t Know Why/Norah Jones Personal Jesus/Depeche Mode Where The Streets Have No Name/U2 Shine On You Crazy Diamond,Pts.1-5/Pink Floyd Born This Way/Lady Gaga She Sells Sanctuary/The Cult Everything In Its Right Place/Radiohead Under The Bridge/Red Hot Chill Peppers Mission:Impossible/Lalo Schifrin Gimme Shelter/The Rolling Stones Nobody’s Fault But Mine/Led Zeppelin I.G.Y/Donald Fagen Stranger On a Quiet Street/Electric Light Orchestra
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なんというか・・・・ちょっとストーリーが難解であらすじを書くのが難しい。 テーマも「子供を産むこと」をテーマに重い話が多くて、サクサク楽しく読み進められますよ~とはいえない感じ。 そんな重い話ではありますが、「現地の子供たちに起こった原因不明の奇病」と「盗み出された生物兵器」とい...
なんというか・・・・ちょっとストーリーが難解であらすじを書くのが難しい。 テーマも「子供を産むこと」をテーマに重い話が多くて、サクサク楽しく読み進められますよ~とはいえない感じ。 そんな重い話ではありますが、「現地の子供たちに起こった原因不明の奇病」と「盗み出された生物兵器」という二つの柱で物語は進みます。これが一体どうつながるんだろう?と・・・直接的にはつながりませんでしたが、これが「子供を産む」というテーマを間にしてつながっていくという。 深い話・・・なんだろうな。面白く、というかとても興味深く読めましたがちょっと疲れましたw
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