復興を生きる の商品レビュー
地元新聞社による、震災復興10年のふりかえり。 多様な論点がコンパクトにまとめられている。 私がこれを読んで、感想を書いてあるのが、2023年で、現在、帰還が認められた福島の浪江、双葉、大熊への大掛かりな建築投資が進んでいる。人口減を前提とする計画は受け入れられないという構えが...
地元新聞社による、震災復興10年のふりかえり。 多様な論点がコンパクトにまとめられている。 私がこれを読んで、感想を書いてあるのが、2023年で、現在、帰還が認められた福島の浪江、双葉、大熊への大掛かりな建築投資が進んでいる。人口減を前提とする計画は受け入れられないという構えが、今も残っているのだ。
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震災から10年、地元紙「河北新報社」による「東日本大震災10年報道」(2021年度新聞協会賞受賞)の主要な連載企画を書籍化したものです。 表紙の写真(波打ち際を歩く二人の子供と見守る夫婦)、海辺の美しい一コマですが、この夫婦の背景を知る時、もう泣くしかありません。(ハンカチ...
震災から10年、地元紙「河北新報社」による「東日本大震災10年報道」(2021年度新聞協会賞受賞)の主要な連載企画を書籍化したものです。 表紙の写真(波打ち際を歩く二人の子供と見守る夫婦)、海辺の美しい一コマですが、この夫婦の背景を知る時、もう泣くしかありません。(ハンカチでは足りません! バスタオルものです!) 本書で感銘深いのは、地元で暮らす人々の「心の復興」です。この事実の重さを感じ、噛み締めさせてくれる報道記録・被災地からの〝声〟でした。 しかし本書の中心は、約7割を占める「復興再考」で、12のテーマについて、証言・資料・復興過程から問題を多角的に解明する試みがなされ、地元紙ならではの矜持・覚悟に敬意を覚えます。 初めて知る事実、自分の中の知識がすでにアップデートされている事実等、多岐にわたって新たな気付きが得られました。 震災から10年以上経過しても、復興を測る指標は客観データが中心で、被災者の「心の復興」を推し量る共通の尺度が今も確立していない事実が浮き彫りにされます。「個人の復興の到達点はあるのか」の正解はない気がします。 最後に、高確率で予想される(来てほしくないけど)南海トラフ巨大地震に向けた「事前復興」として、本書が大いに参考資料となるはずです。より広く読まれることを願います。
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