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ミャンマー現代史 の商品レビュー

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2024/08/16

孤立をやめ豊かになっていくかと思われた国が、何で国民に暴力を振るい仏像を建てるのか。民主化→社会分断表面化→軍の強権統治→国民抵抗→民主化…の袋小路の中でスーチーの時代は終わってしまった。 日本は調子の良いときだけ金儲けに来る奴のままでいいのかな?再民主化の道程が見えない現在でも...

孤立をやめ豊かになっていくかと思われた国が、何で国民に暴力を振るい仏像を建てるのか。民主化→社会分断表面化→軍の強権統治→国民抵抗→民主化…の袋小路の中でスーチーの時代は終わってしまった。 日本は調子の良いときだけ金儲けに来る奴のままでいいのかな?再民主化の道程が見えない現在でもできることはあるんじゃないのかな

Posted byブクログ

2024/07/30

オンラインで日本語を学びたい外国人と日本語で交流している。ミャンマーの20代女性が政権が変わり大学進学をあきらめ日本での仕事探しをしているという話を聞きミャンマーの現状をしりたくてお取り寄せ。 市民に暴力をふるう軍はミャンマーの何をどうしたいのか、スーチーはなぜクーデターを防げ...

オンラインで日本語を学びたい外国人と日本語で交流している。ミャンマーの20代女性が政権が変わり大学進学をあきらめ日本での仕事探しをしているという話を聞きミャンマーの現状をしりたくてお取り寄せ。 市民に暴力をふるう軍はミャンマーの何をどうしたいのか、スーチーはなぜクーデターを防げなかったのか。民主化勢力に勝機はあるのか。国際社会は事態をなぜ収束させられないのか。これからこの国はいったいどこに向かうのか。近代史を振り返りながら考察。 民主化、自由化、市場経済化、グローバル化の試みがクーデターによって頓挫している状況。 軍は常にミャンマーの政治経済社会あらゆる領域で強い影響力を保持、脅威であるスーチーを断続的にも合計15年ものあいだ自宅軟禁、英国人の夫とふたりの息子はロンドン在住、1999年には夫と死別。 ヤンゴン大学、マンダレー大学、ダゴン大学学生運動潰しで大学そのものを閉鎖 2007年サフラン革命 サフラン色の袈裟が埋め尽くすほどの数十万人の僧侶と一般市民参加の反政府運動に対する軍の弾圧 ロヒンギャ危機 仏教徒とムスリムとの宗教対立が2017年ラカン州北部で大規模な武力衝突 軍企業と縁故資本主義の成長あり 多民族国家で8つの主要民族(ビルマ人、チン人、カチン人、カイン人、カヤー人、モン人、ラカイン人、シャン人)あわせて135の民族 2021年2月1日軍事クーデターは、国民民主連盟NLD最高指導者アウンサンスーチーに対してミャンマー軍最高司令官ミンアウンフライン上級大将が首謀者。 選挙運動に制限がかけられたがオンラインだとスーチーのような視覚的シンボルの戦略価値があがり、Facebookなどでキャンペーン強化したが一方で軍の孤立化、軍の欧米諸国や国連との敵対関係、選挙前の世論調査が軍に共有されてなかったなどの理由で、2020年NLDの圧勝。軍はそれを不服とし、クーデターが起こる前1月30日に軍はNLDによる選挙不正を脅しに近い訴えで、「選挙管理委員会の交代、議会招集の延期、票の再集計」を要求したという。政変後も一般市民のデモや公務員・医療従事者らの不服従運動、国民統一政府NUDなど軍への抵抗運動に対し、軍は弾圧を強化。 日本との関係 太平洋戦争勃発後日本軍は1942年ミャンマー侵攻、8カ月ほどで制圧し軍政、新国家「ビルマ国」樹立。アウンサンスーチーの父アウンサンは祖国独立のため日本軍に協力、ビルマ独立軍BIA結成後、ビルマ国ではビルマ国民軍BNA幹部と防衛大臣就任。日本軍による統治が続き不満を募らせ、日本軍の戦況不利の中秘密裏に統一戦線バサパラ結成、ビルマ共産党BCP組織化し対日抗争。1945年3月27日タッマドーネ国連の日として記念式典が行われているとのこと。 1954年平和条約と賠償及び経済協力に関する協定 2013年5月安倍首相がミャンマー公式訪問し910億円の資金協力約束。2016年安倍首相とスーチー国家顧問会談で経済発展国民和解と都市部地方の発展実現の支援表明、2019年援助総額15憶ドル超える。ミャンマーへの援助の日本が占める割合が大きい。 軍統治を承認せず軍と接触はするというあいまいな態度を戦略的に貫く姿勢が必要。 民主化が進むと国民国家の統合が不安定になり軍の警戒心刺激して危機統制型の統治強化の悪循環が続いている。民主化と経済発展の好循環はしばらく起きない。 日本でできる支援として、難民、労働者、留学生の受け入れなど経済開発中心から人道支援へ転換が望ましい、インド洋と中国大陸をつなぐミャンマーへの支援が地域戦略に対するアジア外交の構想力と覚悟を示すのではと締めくくてっている。

Posted byブクログ

2023/02/25

ミャンマーの過去と現在、今後の示唆に富んだ一冊。ミャンマーで検討中の案件があり、それを進めるべきか、止めるべきか、考えるために読みました。

Posted byブクログ

2023/01/02

1988年から2021年のクーデターまでのミャンマーの現代史を描いた本。  軍部と民主化を目指す団体との対立という単純な構造ではなくて、軍内対立や、少数民族、欧米、ロシア中国の思惑がこんがらがって現在の状況となっていることがわかる。  この本を読み終わっても、何が正解かがわからな...

1988年から2021年のクーデターまでのミャンマーの現代史を描いた本。  軍部と民主化を目指す団体との対立という単純な構造ではなくて、軍内対立や、少数民族、欧米、ロシア中国の思惑がこんがらがって現在の状況となっていることがわかる。  この本を読み終わっても、何が正解かがわからなくてもやもやする。  例えば、統治の形。独裁はトップ次第な部分があって不安定だし、政党政治は党派争いばっかりして自己利益追求してしまう。  独裁から民主化に舵を取るにしても、急に軍人ポストを減らすと実務が滞るし、残してても軍事政権イメージが拭えない。  クーデターという結果になる前にどうしたらよかったのかってのを考えさせられる。  ミャンマーの現代史ではあるけれど、他の国や自分の会社にでもそれとなく当てはまりそうな普遍的なケースに思える。ミャンマーってどうしてこうなったの?っていう疑問は解消されるけど、これからどうしたらいいんだろうと新たな疑問が出てきて、考えさせられる本だった。

Posted byブクログ

2022/12/03

1988年の反政府運動とそれに伴う軍によるクーデターから民政移管、民主化を経て2011年のクーデターに至るミャンマー現代史を描き、今後を展望。 2011年のクーデターをもたらした背景について理解を深めるとともに、ミャンマーの厳しい現実を認識した。カリスマ頼みの急激な民主化の負の側...

1988年の反政府運動とそれに伴う軍によるクーデターから民政移管、民主化を経て2011年のクーデターに至るミャンマー現代史を描き、今後を展望。 2011年のクーデターをもたらした背景について理解を深めるとともに、ミャンマーの厳しい現実を認識した。カリスマ頼みの急激な民主化の負の側面についても思い至らされた。それにしても、認識の歪みから自国民にも平気で銃を向ける軍は本当に酷いと感じる。

Posted byブクログ

2022/10/10

現地で滞在したときに民主化の影響を「道路のアスファルト工事」に感じた。ということに深く頷けた。民主主義の重みを感じる。こうした部分にも着目し、丁寧にミャンマーの現代史を追っていてよくわかった気分になれる。しかし、スーチーの功罪のうち「罪」についての記述はなぜかあいまいというか、ぼ...

現地で滞在したときに民主化の影響を「道路のアスファルト工事」に感じた。ということに深く頷けた。民主主義の重みを感じる。こうした部分にも着目し、丁寧にミャンマーの現代史を追っていてよくわかった気分になれる。しかし、スーチーの功罪のうち「罪」についての記述はなぜかあいまいというか、ぼかされたままであり、このぼかし方がミャンマーの風土を反映させたものかと勘繰ってみたり。良い意味でも、批判的な意味でも余韻の残る一冊。

Posted byブクログ

2022/10/23

朝日新聞2022910掲載 評者: 三牧聖子(同志社大学大学院グローバルスタディーズ研究科准教授,国際関係) 日経新聞2022101掲載 朝日新聞20221022掲載 評者: 藤原辰史(京都大学人文科学研究所准教授,農業史,環境史)

Posted byブクログ

2022/09/30

ミャンマーについて軍事政権がクーデターを起こして何回も政権を取る、といった経緯を明らかにした本である。科研費を使った研究成果の本であるために、一般向けよりもより専門向けである。ミャンマーについての卒論執筆では基本書となるであろう。

Posted byブクログ