死にかけ悪役令嬢の失踪 の商品レビュー
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コミカライズを読んで続きが気になったので読んだ。悪役と言えるような人が居らず、派手な逆転劇もないが、面白かった。シレーヌさんが無自覚に感じていた負担を自覚し、折り合いをつけていく様子が良かったなと思う。
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仲のいい家族と平穏に暮らしていたはずのシレーナ。でも、シレーナが頑張り過ぎなのでは?とか、家族は何をしている?とか思うことが多くて、もどかしくなる。本人がその状況を変だと思っていないから余計に。命の危機から助かっても、フォードに頼ることも、自分のことを閉じ込めるフォードのことを責...
仲のいい家族と平穏に暮らしていたはずのシレーナ。でも、シレーナが頑張り過ぎなのでは?とか、家族は何をしている?とか思うことが多くて、もどかしくなる。本人がその状況を変だと思っていないから余計に。命の危機から助かっても、フォードに頼ることも、自分のことを閉じ込めるフォードのことを責めることもしないシレーナ。自分が我慢していること、そんな必要がないことに早く気が付いてほしい。と思わずにはいられなかった。「悪意はない」そんな言葉では片づけられないシレーナの周りの人たちの言動。その人たちが早く変わって、シレーナが心から笑って会えるといいな。と思った。
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ファンタジーなのだが、この話に出てくる諸問題は現実世界でも十分通じるものだったと思う。 海の環境問題にしろ、家庭内の問題にしろ。 特に後者は悪意のある人たちがいない分、より質が悪かった。 人に頼ることに慣れた人、その尻拭いをすることに慣れてしまった人、双方ともに自覚なし。 でも一度その均衡が破られれば、元にはもう戻れない。 前者は結局言ってしまえば自分可愛さに相手の普段を全く考えていないし、後者はただ搾取されているだけだ。 例え無自覚だろうと、それが仲良し家族だろうと、許されることではきっとない。 特にシレーナの場合は、そのせいで死にかけたのだから。 「失敗しちゃった、ごめんね」で許されるはずがないし、許していいものでもない。 最終的には話し合いで互いにその点には気付くけれども、距離を置くことに。 それもそうだろう。 シレーナは最終的には許す日が来そうだけども、絶縁してもよかった気がする。 少なくとも、先生ならそうしていたかも。 という訳で、想像以上に重いというか重厚な内容の話だった。 びっくり。 タイトルにある悪役令嬢の件は、前述の歪みの原因の一つにはなっているが(家族仲をよくしないと破滅フラグだったので、シレーナは家族の問題を抱えることに)あまり重要な要素ではなく。 何故、先生ことフォードがシレーナを家族から離して隔離していたのか。 その謎解きと、シレーナが今後の生きがいを見つけていく物語だった。 ここで、シレーナが前世で海に関わる仕事をしていたことが活きてくる。 様々な設定が様々な場面に活きてくる構成になっているので、その設定力や構成力が凄いと感じた。 また海の動物たちが癒しになり、最後には素の先生も見られるし、重厚さとの緩急差もよかった。 のんびりまったり読むというより、背筋を伸ばして真剣に考えながら読む系かなと思う。
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この作者さんの書く主人公は、自分のことより他人を優先してしまう自己犠牲の思い込みを、思い人に解いてもらうパターンが多いのかな?私は好きですが。 「悪意はないのに近くにいると疲れる人」という存在が、イマイチボケてて、私には理解出来なかった。が、自分の善意を押しつけて、意にそう事...
この作者さんの書く主人公は、自分のことより他人を優先してしまう自己犠牲の思い込みを、思い人に解いてもらうパターンが多いのかな?私は好きですが。 「悪意はないのに近くにいると疲れる人」という存在が、イマイチボケてて、私には理解出来なかった。が、自分の善意を押しつけて、意にそう事を望む家族として読めば、まぁわからないこともないかと。ちょい苦しいかな。 海への憧れが伝わってくる話でした。でも、この題名する必然性はあったのかねー。
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