1,800円以上の注文で送料無料

精霊たちの迷宮(上) の商品レビュー

4.3

3件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    2

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/09/06

「また偶然の一致ですか? 二十年警察にいて、偶然の一致なんか、現実にこんなにお目にかかったことがない、真実を言う人間のほうが、よっぽど多いですよ」 もちろん、この天才作家が紡ぐ旋律に偶然など存在しない 多くの時と多くの場所を跨いで語られるエピソードは、一見すればなんの繋がりも...

「また偶然の一致ですか? 二十年警察にいて、偶然の一致なんか、現実にこんなにお目にかかったことがない、真実を言う人間のほうが、よっぽど多いですよ」 もちろん、この天才作家が紡ぐ旋律に偶然など存在しない 多くの時と多くの場所を跨いで語られるエピソードは、一見すればなんの繋がりもなく、ただ意味もなく殴り書きされたようにも思える しかし、もちろん全ては迷宮の出口へと導く細い糸なのだ 『失われた本の墓場』シリーズ四部作完結編上巻は、これまでの全ての登場人物が持つ細い糸を撚り合わせ、辿ることで見え始めた光差す出口へ向かわせる しかし出口が見えたとほっと胸を撫で下ろす者たちを嘲笑うかのように、新たな悲劇が再び闇をもたらして上巻は役目を終える 果たして、迷宮を彷徨う者にどんな出口が待ち受けるのか 物語が持つ必然はどんな驚きを用意しているのだろうか

Posted byブクログ

2024/01/25

「忘れられた本の墓場」シリーズ四部作完結編 バルセロナという街の持つ幻惑的な魅力と物語が錯綜して翻弄される。もう一度全部読み直すべきか?これはこれで楽しんでも良いか。美しい文章の余韻に浸りながら読む。下巻へ。

Posted byブクログ

2023/09/24

2022/10/7読了 ’20年6月に逝去したサフォンの〈忘れられた本の墓場〉シリーズ完結編。前3作を凌ぐボリュームで引っ張ってくれたが、結局のところ、黒幕のバルスですら、当時のスペイン独裁政権の中では、使い捨ての駒だったのか、という虚しさが残った。 それにしても、〈忘れられた本...

2022/10/7読了 ’20年6月に逝去したサフォンの〈忘れられた本の墓場〉シリーズ完結編。前3作を凌ぐボリュームで引っ張ってくれたが、結局のところ、黒幕のバルスですら、当時のスペイン独裁政権の中では、使い捨ての駒だったのか、という虚しさが残った。 それにしても、〈忘れられた本の墓場〉は、脳内でイメージしても、エッシャーの絵じゃないが、あり得ない構造としか思えない。

Posted byブクログ