とくにある日々(2) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
やはり、この作品はイイ。独特の味を確かに醸し出してはいるんだが、読者を置いてきぼりにしない気遣いもしっかりと見せてくれている。 こうも、ほっこりとした気分に浸れるのは、私が女子高校生ではないからかも知れないが、それを言ってしまったら、私が楽しめる漫画は、この世に無くなってしまうので、深く考えない事にしよう。 基本的に、私は読んだ、良い漫画は、どれも、アニメ化ないしは実写化して欲しいな、と思ってしまうが、この『とくにある日々』は、ドラマ化を特に願ってしまう。 極端な話、そこまでぶっ飛んだ内容や描写が無いから、キャストに確かな実力さえあれば、原作の良さを殺さないドラマに出来るはずだ。 ちなみに、私的に、同じ女子高校生らの日常を描いた作品でも、ドラマ化が難しいのは、山本AHIRU先生の『ガールズドーン!』だ、と私は思う。漫画としては文句なしに面白い。ただ、過激っつーか、ハチャメチャな方向に突っ走っているコメディなので、演技力でどうにかはならないだろうな・・・ 全体を通して、女子高校生の友情をメインにして、ゆるゆると、それでいて、鮮やかなアオハルを、小気味いいテンポで綴ってくれているのが、この『とくにある日々』だ。 言うまでもなく、(1)よりも、この(2)の方が面白さは強い。大笑いできるタイプではないから、適度に「クスッ」と笑いたい人向けかな、と思う。 じんわりとした温かみの中に、読み手をハッとさせるシーンも時折あって、なか憲人先生の刃が細く鋭い事を、しっかりと感じさせ、(3)を楽しみにさせてくれる。 このキャラクターたちだけでも良い、と思う一方で、(3)で魅力的なキャラが出て来てくれたら、それはそれで嬉しい。個人的には、より個性的な先生が出てきてくれた方が、この作品の他にはないアオハル感が強まるのではないかな、と考える。 どの回もそれぞれに面白かったが、私的に肩が小刻みに震える笑い方をしてしまったのは、22話。「いや、ありえないだろ」とツッコみたい反面、「起こったら面白い」と思わせる展開だった。まさかの事態に、ガツンッとは言えず、穏やかな動揺を抱えたまま静観に徹するしかなかった校長先生、ポイントが高い。(3)でも、どうか、出番がありますように。 この台詞を引用に選んだのは、日常が使わない、でも、使ってみたいなぁ、と思ってしまったものなので。 カッコいい、って訳じゃないんだけど、やたら、インパクトがありますよね、これ。 しかし、日常で使うチャンスは、あんまり、なさそう。 まぁ、漫画やドラマで、心に響く台詞ってのは大抵、そんなものか。 「今、脳がギラついているんです」(by高島きみどり) こちらも同じ理由で紹介。 「何がしたかったの?」 「・・・・・・雰囲気だけ楽しみたかった」(by高島きみどり、椎木しい) こちらは上の二つとは違った意味で、私の心にグッと来ましたね。 青臭い言い方ですが、友達や友情の尊さを感じ取れるものです。 一人でも、楽しい事は出来ます。一人でいる事が、私は悪いとは思いません。 ただ、誰かと一緒にいる事で、一人じゃできない事が出来るのは確かです。 一人じゃできない、やろうと思わない事を出来る、させてくれる、そんな相手、いわゆる、トモダチを見つけられたら、きっと、幸せな日常でしょうね。 「今日、たのしかったぁ。私1人だと、カニを見にいこうとしたら、最短で、どれくらいで行けるとか、絶対、考えないから。連れってってくれて、ありがとうねぇ」 「・・・・・・私1人だと、自分の中で思うだけで、実際に何かをやったり、どこかへ行ったりしないと思う。だから、いつもさ」(by高島きみどり、椎木しい)
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