ミッドライフ・クライシスがよくわかる の商品レビュー
あれ、これ、タイトルとぜんぜん違う完全なフェミニズム本。もとは『女性の中年危機:ミドルエイジ・クライシス」というタイトルだったようだ。中身はゲイル・シーヒーさんの『パッセージ』って本で提唱されたフェミニスト意識的な女性の「中年の危機」が、ライフサイクル論のレビンソンさんによって「...
あれ、これ、タイトルとぜんぜん違う完全なフェミニズム本。もとは『女性の中年危機:ミドルエイジ・クライシス」というタイトルだったようだ。中身はゲイル・シーヒーさんの『パッセージ』って本で提唱されたフェミニスト意識的な女性の「中年の危機」が、ライフサイクル論のレビンソンさんによって「中年男性」の問題として簒奪されました、みたいな感じか。うしろの方はギリガンさんの『もうひとつの声』がフェミズムにどういう影響を与えているか。(アメリカの)フェミニズム思想に興味ある人は一読しておくべき。
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フェミニズムの本であって(女性の)「中年の危機」についての本ではない。サブタイトル「人生を豊かにする40代からの思考法」もカバーの「すべての人が経験する人生中盤の危機について考察」も本書の内容とは違うので注意。 「中年の危機」についてフェミニズムの視点からゲイル・シーヒー上げ、他の研究者下げ、をやっている。フェミニズム推しが強過ぎて他の著者や著作や研究の評価は不公正になっている気配が濃厚。著者による評価を裏取りせずにそのまま受け入れるのは危ないと思う。 レヴィンソンの"The Seasons of a Woman's Life"について、本訳書p.267で「遅ればせながらのフォローアップ研究」で片付けているが、それで片付けて済むほど無内容な本ではない。参考文献に挙げているが著者は飛ばし読みしただけけではないのか? 挙げる必然性の少ない参考文献も多そうだ。(ネームドロッピング?) p.447の第4章注釈54 ジェラール・ジュネットを持ち出す必要ある? p.452の第4章注釈124 ブルデュー&シャルティエを持ち出す必要ある? p.322「代替的で矛盾する解釈を改ざん」p.465の第6章注釈50 ポパーの『推測と反駁』邦訳で「改ざん」となっている?
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フェミニスト視点が強くそのつもりで読まないと出足を挫かれる。エリクソン始め偉大な発達理論の研究は男性の典型的人生を中心に描かれており、それらの先行研究への抗いを学ぶには良いと思う
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