越境する出雲学 の商品レビュー
私は島根県松江市で生まれ育った。子供の頃何気なく耳にしていた松江市の古志原という地名、それが福井・石川・富山・新潟にまたがる古い国─「越の国」の「コシ」であり、古代において海を介して出雲と越がつながっていたことを示しているということを知った時の驚きと感動はいまだに心に残っている。...
私は島根県松江市で生まれ育った。子供の頃何気なく耳にしていた松江市の古志原という地名、それが福井・石川・富山・新潟にまたがる古い国─「越の国」の「コシ」であり、古代において海を介して出雲と越がつながっていたことを示しているということを知った時の驚きと感動はいまだに心に残っている。この本は日本各地に残る出雲という地名や、出雲の神々を祀った神社を訪ね歩き、そのつながりを再発見していく本である。おそらくは中華をモデルとして、同心円のように各地を征服・支配下に置いていったヤマトの国を中心にして見た日本史とは違い、文化や生活をその中核として繋がっていったであろうもうひとつの日本の歴史のあり方がそこに描かれている。
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