アリス へんてこりん、へんてこりんな世界 の商品レビュー
今、あべのハルカス美術館でやってる「アリス-へんてこりん、へんてこりんな世界-」の図録。これは買って良かったと思えるアリス本。
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同題の展覧会の図録。だが、単なる展示解説の補足版みたいなカタログとは違い、展示を見ていなくても『アリス』がただの児童書ではなく21世紀まで影響を及ぼす一大文化になった軌跡を追っていくことができる一冊になっている。最初に置かれたクリスチャーナ・S・ウィリアムズの緻密なコラージュによ...
同題の展覧会の図録。だが、単なる展示解説の補足版みたいなカタログとは違い、展示を見ていなくても『アリス』がただの児童書ではなく21世紀まで影響を及ぼす一大文化になった軌跡を追っていくことができる一冊になっている。最初に置かれたクリスチャーナ・S・ウィリアムズの緻密なコラージュによる『アリス』も大変ゴージャス。展示のためにアーティストに新作を発注するV&Aの文化的な豊かさが偲ばれる。 展覧会ではやはりヴィクトリア朝時代のもの、キャロルに直接影響を与えたものの印象が強かったのだが(特にハンプティ・ダンプティの蛇腹式絵本は『詳注アリス』で言及されるも図が載ってなかったので今回見れてよかった。この図録には載ってないのが残念)、本書では後半の『アリス』の現代的解釈にスポットを当てた章がよかった。フェミニズムをはじめとして、〈差別に屈しないアイコンとしてのアリス〉という読み替えが盛んにおこなわれてきたのを見たあと、現実のアリス・リドゥルという女性の生涯に視点を移して閉じる、この構成がよい。『アリス』関連の本はちょこちょこ読んでいるけれど、本人が書いた文章を読むのはこれが初めてだと思う。私もアリスのことを〈書かれた少女〉としてしか見ていなかった一人だったのだ。
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アリスの成立から現在までを辿る図録です。文学、アート、映画、演劇、科学、ポップカルチャーなど多岐にわたる側面から紹介。美しいコラージュアートも楽しめます。
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