いっそこの手で殺せたら の商品レビュー
元教師のライター・筒見芳晃は十歳年下の可愛い妻・絵梨、年頃の愛娘・沙梨奈と何不自由のない暮らしを営んでいた。 だが、穏やかな日々は突如一変する。 勤め先から妻が帰ってこない。 携帯電話も不通。不吉な予感に駆られて交番を訪ねた芳晃は、驚天動地の事実を告げられる。 しかしそれは、やが...
元教師のライター・筒見芳晃は十歳年下の可愛い妻・絵梨、年頃の愛娘・沙梨奈と何不自由のない暮らしを営んでいた。 だが、穏やかな日々は突如一変する。 勤め先から妻が帰ってこない。 携帯電話も不通。不吉な予感に駆られて交番を訪ねた芳晃は、驚天動地の事実を告げられる。 しかしそれは、やがて始まる忌まわしい悪夢の幕開けに過ぎなかった!! 少し前に、フィリピンだかシンガポールで、日本人の男が性犯罪で逮捕され、鞭打ちの刑に処されたというネット記事を読んだことがあった。鞭打ちの刑は、すごく大きい鞭で罪人を打つらしく、あまりの激痛に失神だかショック死してしまうだがで、日本と違って性犯罪が大罪なことに驚いた記憶がある。そんなことを思い出した話だった。 最初のあらすじでは、いなくなった妻に秘密があり、そしてとんでもない犯罪に巻き込まれていく話かと思っていた。だって、出てくる人物が主人公の娘以外は怪しいんだもん。教職を辞めてライターをしている主人公の筒見、突然逮捕されてしまった妻の絵梨、絵梨の職場から雇われた弁護士の沼田、絵梨を逮捕した刑事の小柴、絵梨の勤務先の店長の春香。全員怪しいんだけどってなりながら読んでいった。 サスペンス物なのかと絵梨の安否を心配しながら読んでいったが、絵梨の帰還と交換に依頼された執筆の仕事が出てきたあたりで、なんとなく様子が変わってくるかんじがした。学校で起こる性犯罪についての記事を書き、そして被害者家族と会う。その被害者家族が、筒見の元教え子だった。その教え子は、本当に可哀想なことになっていたし、加害者の男は本当に死んでしまえと思うほど、自分がやったことをなんとも思っていなかったし、むしろいいことをしたと思っている節があるのが、本当に腹が立つかんじだった。 だけど、これって本当のことなんだろうなって思ってしまう自分もいる。性犯罪なんて本当に体と心を殺す犯罪なのに、被害者の子が若ければ若いほど、自分に悪いところがあったと思ってしまうし、絶対に親にも話せないことだと思う。別に、年をとったからからって言えることでもないと思う。加害者側は、なんの罪悪感もなく、のうのうと生きて、下手すれば結婚もして幸せな家庭を築いている可能性もある。そんなやつが幸せに暮らしていることを考えると、腑が煮え繰り返る。 春香が立ち上げた組織は、謎すぎて少し「フィクションがすぎないか?」とか思ってしまったけど、今回のこの話を読んでみて、そういう組織もあってもいいのかもしれないと思った。というか、未然に防ぐことができればいいなと思った。性犯罪は、本当に殺人とかと同じレベルで捌いてほしいし、外国の処刑みたいに鞭打ちでもしてほしい。最後に復讐した筒見は、やばかったけどスッキリしたのかなと思った。そして、この話を読んでからのタイトルは少し重いというかなるほどと思った。 2024.10.14 読了
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プロローグですでに胸糞展開だったので気が重かった。性被害を扱った作品。どんな犯罪であっても被害者側にしたら復讐したいと思うのは当然の感情だと思う。ただその一線を超えるのはやはりハードルは相当に高い、何より相手と同じ鬼畜に落ちたくないという制御もあるかな。少し都合が良すぎて現実には...
プロローグですでに胸糞展開だったので気が重かった。性被害を扱った作品。どんな犯罪であっても被害者側にしたら復讐したいと思うのは当然の感情だと思う。ただその一線を超えるのはやはりハードルは相当に高い、何より相手と同じ鬼畜に落ちたくないという制御もあるかな。少し都合が良すぎて現実にはちょっと考えられない展開もあった。行方不明の妻が帰ってきて電話一本の報告で済ます警察ってどうなの、ないよね。一気に読める面白さはあった。
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物語の後半で、ようやくタイトルの意味がわかる。 読むのが苦しかった。 我が家にも娘がいるので、もし...と考えたら、タイトルに行きつく。 あくまでフィクションだと思わないと、自分が取り込まれてしまう。
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主人公が実は…みたいな話かと思ったら、全然知らないやつがどんどん出てきてそのまま犯人って。私制裁を行う組織に入って仕事として殺人をするっていうのもイマイチ。深刻な性被害問題をダークエンタメに落としている感じがして、微妙でした。
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最初から気持ち悪い、後味も悪い 帯に書いてある通り覚悟して読む必要がある作品 性加害をして被害者に詫びることもなくのうのうと生きてる気持ち悪い人間は滅びるべき 被害者団体は法律ではどうにもならないから、手段を選ばず制裁を加えなければいけない立場に立たされるが、それを犯罪と自覚してる様子は無く、むしろ正しいとまで思わせるほど人生を狂わされたのだと思った
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初めて読んだ作家さん 内容はショックでしたが、読みやすかった 性犯罪はニュースなどで見るが 許せないと思います 家族が被害者になってしまったらと 思うと何とも言えません 他の話も読んでみたいと思いました
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有名人の性加害・被害の話題がよく耳に入る昨今だから・・・というわけではないが、この作品を読了して改めて性犯罪は被害者の方に身体的・精神的に深い傷を負わせるということがわかりました。 前半、物語の方向性が全く読めず、モヤモヤしたのですが、中盤からクライマックスにかけてはそう来るか!という展開で一気にページが進み、ラストは小倉氏らしい締めくくりだったと思います。 復讐は全肯定されていいとは思いませんが、犯罪を犯しても処罰されずのうのうと世に憚っているヤツらを闇に葬る人間(組織)があってもよいのではと思ったりしてしまいます。
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「覚悟がある人だけ読んで下さい」という帯の脅し文句に期待して読んだ。前半は謎が多く読む程に期待値が大きくなっていったが後半が(本作のテーマとして作者が描きたかった事であり、ショッキングな部分ではあろうが)個人的には然程でもないオチだなあ、という印象。
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テーマが性犯罪なので、読み進めるのは簡単だけど内容は重い話でした。この話に出てくる加害者たちは、自分が悪いことをしている自覚がない人ばかりでありえないなと思ったけど、実際こういう人がいるから性犯罪は無くならないんだろうし、復讐してやりたいと思う気持ちもわかるなぁと。だけど制裁が戦...
テーマが性犯罪なので、読み進めるのは簡単だけど内容は重い話でした。この話に出てくる加害者たちは、自分が悪いことをしている自覚がない人ばかりでありえないなと思ったけど、実際こういう人がいるから性犯罪は無くならないんだろうし、復讐してやりたいと思う気持ちもわかるなぁと。だけど制裁が戦慄ですね…。
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プロローグで何やら淫靡な雰囲気だな…と感じながら第一章へ。 元教師でライターをしている筒見の妻が、突然逮捕されるという… 訳がわからず、しかも妻の職場を知らなかったこと…にも後悔しながら警察との対応で疲弊する。 どういうところへ話は進むのか…気になりながらも 結末に。 性犯罪を...
プロローグで何やら淫靡な雰囲気だな…と感じながら第一章へ。 元教師でライターをしている筒見の妻が、突然逮捕されるという… 訳がわからず、しかも妻の職場を知らなかったこと…にも後悔しながら警察との対応で疲弊する。 どういうところへ話は進むのか…気になりながらも 結末に。 性犯罪をテーマにしているが復讐することで恨みを晴らす、気持ち的には避けたい、受け入れ難いと思う内容だった。 スッキリとしない感がある。
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