私がつかんだコモンと民主主義 の商品レビュー
現杉並区長の著書。 表紙のイラストから、物騒なイメージが湧いてしまうような気がしてもったいない。 オランダやベルギーで暮らしNGOで働いた経験を日本へ持ち帰り、杉並区で発揮されていくことと思う。 超高齢社会の日本の閉塞感を打破する民主政治の先駆者に期待したい。
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2022年6月の杉並区長選挙で当選した話題の人物によるエッセイ。 1974年東京生まれ、大学卒業時にバブル崩壊後の金融危機が重なった「ロストジェネレーション」。 環境NGOの専従スタッフから始まってその後ヨーロッパに活動の場を移したその時々の体験から「気候変動」「水の正義」「移民...
2022年6月の杉並区長選挙で当選した話題の人物によるエッセイ。 1974年東京生まれ、大学卒業時にバブル崩壊後の金融危機が重なった「ロストジェネレーション」。 環境NGOの専従スタッフから始まってその後ヨーロッパに活動の場を移したその時々の体験から「気候変動」「水の正義」「移民・マイノリティ」「フェミニズム」「ミュニシパリズム(地域主権主義」等縦横に語る。 杉並区長としての活動に焦点を当てた近著「地域主権という希望』も続けて読んでみたい。
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年始の特別番組 「高橋源一郎さんの飛ぶ教室」での ゲストが上野千鶴子さんだった。 その上野さんが放送の中で 「伊藤比呂美、ブレディー美香子、ヤマサキマリ と続いているのだから いつ 私が(番組に)呼ばれるのだろう と ずっと思っていた」 と なかなか楽しいコメントをおっ...
年始の特別番組 「高橋源一郎さんの飛ぶ教室」での ゲストが上野千鶴子さんだった。 その上野さんが放送の中で 「伊藤比呂美、ブレディー美香子、ヤマサキマリ と続いているのだから いつ 私が(番組に)呼ばれるのだろう と ずっと思っていた」 と なかなか楽しいコメントをおっしゃっていた きっと そう遠くないうちに 岸本聡子さんも 呼ばれるのだろうな と 思わせてもらった一冊でした
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今をときめく女性アクティビストである杉並区長・岸本聡子さん。 この本では、ポルトアレグレ、シアトルWTO、世界社会フォーラム、ボリビアの水戦争など、懐かしいキーワードが続出。そう、岸本さんは、90年代後半からの、反グローバリズム、反新自由主義を掲げた世界的なグローバル・ジャスティ...
今をときめく女性アクティビストである杉並区長・岸本聡子さん。 この本では、ポルトアレグレ、シアトルWTO、世界社会フォーラム、ボリビアの水戦争など、懐かしいキーワードが続出。そう、岸本さんは、90年代後半からの、反グローバリズム、反新自由主義を掲げた世界的なグローバル・ジャスティス運動の渦中に身をおいていた人だったのだ。 ここまで読んで、ピンとこなかった方は、ぜひ上記のキーワードをググってほしい。環境破壊や生物多様性の喪失、人権問題、先住民の抑圧、格差と貧困の拡大、家族農業の危機や地域コミュニティの崩壊など、世界各地で頻発する問題のほとんどが、多国籍企業と金融資本が国家や国際機関と結託して推し進めてきた、新自由主義経済政策や経済のグローバル化によるものだという認識が、この頃世界中の市民セクターに広がり、それに対抗する勢力の横の連帯が生まれていった。具体的には各国での規制緩和や民営化、貿易・金融・投資の自由化といった一連の政策であり、企業による世界支配つまりコーポラティズムといってもいい。 911が起きて対テロ戦争が始まり、こうした民衆の動きは水をさされた(これをショック・ドクトリンという)。といっても、日本からは見えにくいけれど、その後の欧州の気候正義運動やアメリカのバーニー・サンダースの躍進などは、こうした流れを継いで起きていることだ。こうした世界の大きな潮流を、市民セクターの側から見てきた人が、自治体の首長になった意味はとても大きい。 そして思うのは、アメリカや日本で広がったDS(ディープステート)陰謀説との関係だ。新世界秩序を推し進めるユダヤ金融資本やディープステートや「サヨク」が各国政府やマスコミなどを支配し、ワクチンもコロナもウクライナ戦争もSDGsも実は彼らが糸を引いてきた、というような説がSNSで広められてきた。それを退治するヒーローがトランプだ、というわけだ。 たしかにアメリカでは、ユダヤ系金融資本とマスメディアそしてワシントンの政治家たちエリート集団が連携し、大きな影響力を持ってきた。それに軍も加わり、軍産複合体もつくられてきた。それは事実だと思う。しかし、その本質はコーポラティズムであり、大企業と金融資本と国家が結託して進めてきた新自由主義グローバリズムというプロジェクトなのだ。それを、「ユダヤ」や「民主党」「サヨク」「共産主義」などというアイコンにむりやり結びつける物語をつくり拡散することで、本当の問題を隠蔽してきたのがQアノンなどのDS陰謀説ではなかっただろうか。サル山のボス争いでハブられていた別の資本家や企業家などが宗教右派勢力と結びつき、マスメディアに対抗すべくネットを使ってヘゲモニー確立を狙ったのだろう。実際、トランプ自身大富豪で、バックに石油業界がいるし、大統領在職時は金持ち優遇政策を推し進めた。サル山のボス争いに、一般庶民がバカみたいにつきあわされただけなのだ。バイデンもトランプもプーチンも同じ穴のムジナだろう。 グローバル・ジャスティス運動に共感を持った身からすると、「DS」とは、真の原因であるコーポラティズムや新自由主義グローバリズム から目をそらさせるために悪者として仕立てられた偽旗だったように思える。そして、岸本さんはじめグローバル・ジャスティス運動に首を突っ込んだ人であれば、DS陰謀説に踊らされにくかったのではないか。いわば、グローバルな視点を持った、アップデートされた左派、いやエコ・アナキズムとでも言おうか。残念ながら日本ではそういう人は多くなくて、環境主義者や左派社会運動勢力もグローバルな構造的視点が希薄だったので、環境派や左派の間にもこれだけ陰謀説がはびこったのかもしれない。 真の問題を見誤まって人生を浪費したり、世界の混乱を助長したりしないようにしたいものだ。
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今まで社会運動というものにまったく関わりなく生きてきたので、そんな世界もあったのか…と新鮮でした。ただ、著者と同世代なせいもあり、仕事観や人生観みたいなところでは共感できる部分も多々あって、楽しく読みました。活動していたヨーロッパから日本に帰国して早々に杉並区長になったということ...
今まで社会運動というものにまったく関わりなく生きてきたので、そんな世界もあったのか…と新鮮でした。ただ、著者と同世代なせいもあり、仕事観や人生観みたいなところでは共感できる部分も多々あって、楽しく読みました。活動していたヨーロッパから日本に帰国して早々に杉並区長になったということなので、これからのお手並み拝見というところでしょうか。
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縁あって手に取った本。 2022年の選挙で現職を破り、杉並区長となった岸本聡子氏の著書。 WTO閣僚閣議の阻止のためにジュネーブの道路を占拠し、市内の交通を麻痺させ、数時間混乱を招いたことを誇らしげに語る人(P57あたり)が区長だなんて信じられない。 そもそも、様々な世界の抗...
縁あって手に取った本。 2022年の選挙で現職を破り、杉並区長となった岸本聡子氏の著書。 WTO閣僚閣議の阻止のためにジュネーブの道路を占拠し、市内の交通を麻痺させ、数時間混乱を招いたことを誇らしげに語る人(P57あたり)が区長だなんて信じられない。 そもそも、様々な世界の抗議活動を紹介し、「この抗議活動があったから、◯◯の政策が止められた」と本の至るところに出てくるが、その因果関係の説明は全くなく、ただの”抗議活動至上主義”にしか思えない。 韓国の朴槿恵大統領罷免抗議活動について述べたところでは、「総計1680万人が参加」し、「韓国の総人口の1/3が参加したなんて信じられない」と記載があったが、「”総計”の意味あなたご存知ですか…?」(何人の同一人物がカウントされてると思ってるんですか?)という感じだった。 杉並区やばいな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
こんな人生を生きてきた人が、なぜ帰国して、区長選挙に立つことになったのか? それが具体的に書かれていないことが、最大の疑問であり不満。 この書籍が企画された時には、もう一人のブレディさんみたいな感じだったのかもしれないが。
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いわゆる弁護士あがりのエリートでもなく、志と現実との間で苦悩しつつも前へ進んでいく、その飾らない等身大の姿に共感。また気候正義とフェミニズムとの関係への気づき、フィアレスシティとの連携への流れへと、思考と行動の積み重ねが作者を最前線の場へと導いていることを理解することができた。自...
いわゆる弁護士あがりのエリートでもなく、志と現実との間で苦悩しつつも前へ進んでいく、その飾らない等身大の姿に共感。また気候正義とフェミニズムとの関係への気づき、フィアレスシティとの連携への流れへと、思考と行動の積み重ねが作者を最前線の場へと導いていることを理解することができた。自らを顧みる機会を与えてくれる貴重な本との出会いだった。これからの杉並区に注目していきたい。
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