死が招く の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
火のついた鍋に頭を突っ込んだ状態で発見されるという、なかなかショッキングなシチュエーションで始まる。 構成自体は良くあるミステリーだけど、犯人の動機が読者にしか知らされないなど、ちょっとひねった演出が面白い
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2022/8/21読了 『第四の扉』で目を付けたフランス新本格派の〈ハヤカワ・ミステリ文庫〉第2弾! 〈ポケミス〉の方で既刊は沢山あるようだが、今更アレを買い集める気にはならず、ぼつぼつと続刊を待つ。 しかし、所謂「ワトソン役」になるハースト警部は、言うことやること芝居がかって格...
2022/8/21読了 『第四の扉』で目を付けたフランス新本格派の〈ハヤカワ・ミステリ文庫〉第2弾! 〈ポケミス〉の方で既刊は沢山あるようだが、今更アレを買い集める気にはならず、ぼつぼつと続刊を待つ。 しかし、所謂「ワトソン役」になるハースト警部は、言うことやること芝居がかって格好を付けているのは良いが、期待通りに見当外れで、イタさが際立っていた。
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婚約者の父でありミステリ作家でもあるハロルドから夕食会に招待されたサイモン部長刑事は、閉ざされた書斎で煮えたぎる鍋に顔を突っ込んで死んでいる本人を発見する。 その状況は作家自身が構想中だった新作の設定そのままだった!→ 密室×不可能犯罪×美しき姉妹×双子の兄弟×墓場から甦りしゾ...
婚約者の父でありミステリ作家でもあるハロルドから夕食会に招待されたサイモン部長刑事は、閉ざされた書斎で煮えたぎる鍋に顔を突っ込んで死んでいる本人を発見する。 その状況は作家自身が構想中だった新作の設定そのままだった!→ 密室×不可能犯罪×美しき姉妹×双子の兄弟×墓場から甦りしゾンビ……と、設定がモリモリなアラン・ツイスト博士シリーズ2作目。アルテ自身が巻末で述べているように、とても「ディクスン・カーらしい」お話。“恐怖”と“謎”が散りばめられていて、読んでいる時のワクワク感がすごい。→ アルテのお話は、読んでる時にとにかく楽しいんだよなぁ、と再確認。謎解きで見たら小粒感があるけど(緻密に伏線張ってどかん、って感じじゃない)次々に出てくる設定がめちゃくちゃ楽しい。今作でも作家の妻が元女優で妻の兄が奇術師、美しい娘二人に隣人は引退した医師で薔薇を育てる……とか最高。
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事件は古風だが、展開は今時というのはいいものだ。 余計な枝葉がない! 話がさっさと進んでいく! 冒頭で二人の男が話している。 ツイスト博士と、ハースト警部だ。 犯罪学者と、ロンドン警視庁警部だ。 読む人はわかる。 片や名探偵、片や助手だなと。 そしてハースト警部は言うのだ。 「...
事件は古風だが、展開は今時というのはいいものだ。 余計な枝葉がない! 話がさっさと進んでいく! 冒頭で二人の男が話している。 ツイスト博士と、ハースト警部だ。 犯罪学者と、ロンドン警視庁警部だ。 読む人はわかる。 片や名探偵、片や助手だなと。 そしてハースト警部は言うのだ。 「そんじょそこらには転がってない・・・・・・特別メニューの事件でなくちゃ!」(7頁) あーあ、言っちゃった。 これはこういう事件が起これと言うようなものじゃないか。で、起こるのだ。 密室で、絵になる様子で、作家が死んでいるのだ。 まず現場は密室だ。 すると自殺か他殺か。 他殺としたら犯人はどうやって逃げた? いやこれ、本当に作家か? むしろ殺したのは作家のほうで――というところまで考えが進む。 つまりは「あのあれ!」だ。 作者ポール・アルテが「面白い」と思ったもの全部だ。 ポール・アルテはフランス人だが、イギリスを舞台にしたものばかり書いている。 というのも英米ミステリーが好きだからだ。 特にディクスン・カーが大好きだ! カーといえば密室。 ミステリといえば、古典はこれで、探偵は誰で、トリックといえば―― ミステリの面白さってこれだよねと、作者が示す面白さを「面白い!」と思った人も多いのだろう。 ツイスト博士ものはシリーズになっている。 この『死が招く』はシリーズ2作目だか3作目だかだ。 発表は2番目だが、話は3番目でというようなことは解説にじっくり述べてある。 ううむ、他の作品を読んでいないし、やはりシリーズは順番に――というような心配も気遣いも無用! 考えてはいけない。 これは探偵小説の面白いところをぎゅっと詰め込んだ一冊なのだ。 ミステリに詳しい人も、初めて読むという人も、 ぜひ!
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読んでみたら、ああ!なるほど。後半の唐突なあれのシーンにこりゃなんかあるなとは思ってましたが。そこにひねりが欲しかった!魅力的なのは殺人の舞台の設定。お話のテンポも良くどんどん引き込まれます。読了感はカー作品よりもすっきり。読了後の不気味さはないので、ちょっと残念。
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ディクスン・カーの匂いのする作家。読んだのは『第四の扉』に続き2つめ。正統派密室の謎。密室の中で顔と手が焼け爛れた死体。傍にはなぜかできたての料理が。犯人は何のためにできたての料理を用意したのか?という魅力的な謎。でも正直密室のトリックは、残念ながら、鍵の仕組みがわからず、正直ト...
ディクスン・カーの匂いのする作家。読んだのは『第四の扉』に続き2つめ。正統派密室の謎。密室の中で顔と手が焼け爛れた死体。傍にはなぜかできたての料理が。犯人は何のためにできたての料理を用意したのか?という魅力的な謎。でも正直密室のトリックは、残念ながら、鍵の仕組みがわからず、正直トリックを読んでもよくわかりませんでした。図解でもあればいいのですが。でも、犯人は意外性があり、まあまあおもしろかったかなぁと思います。
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ディクスン・カー風の怪奇味こそ横溢しているものの、謎とその解明以外の、物語的要素をかなり思いきりよく切り捨てた感じのミステリ。この手の趣向は、本邦でもよく見られるが、大体がクイーンを崇めるというタイプの作家さんが好むもの。ディクスン・カーの名前を出す作家さんなら、犯人らの人物造形...
ディクスン・カー風の怪奇味こそ横溢しているものの、謎とその解明以外の、物語的要素をかなり思いきりよく切り捨てた感じのミステリ。この手の趣向は、本邦でもよく見られるが、大体がクイーンを崇めるというタイプの作家さんが好むもの。ディクスン・カーの名前を出す作家さんなら、犯人らの人物造形と、おぞましきその動機的なところに、本編と同じくらいに力が入るのがスタンダードな気がする。そう考えると、解説に密室好きなのに、あっさりした作風の大山誠一郎氏というのはぴったりかも。
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