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歩き旅の愉しみ の商品レビュー

2.7

6件のお客様レビュー

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2024/08/16

「私が最高って言ってるから最高」になってる気もします、、、ちょっと。 ここのところ「歩き」に関する本を一度に数冊購入したのですが、この「歩き旅の愉しみ」はその中の一冊です。にしても「歩くこと」特に歩き旅、ロングトレイルについての本は海外作品が多い気がします。海外の方がロングトレ...

「私が最高って言ってるから最高」になってる気もします、、、ちょっと。 ここのところ「歩き」に関する本を一度に数冊購入したのですが、この「歩き旅の愉しみ」はその中の一冊です。にしても「歩くこと」特に歩き旅、ロングトレイルについての本は海外作品が多い気がします。海外の方がロングトレイルが根づいているのでしょうか。日本では一般的に「旅行」が「歩き旅」のことを指すことはほぼないですよね。 この本は歩き旅がいかに心身にいい効果をもたらすかを、医学書や健康本チックな「情報」としてではなく、非行少年が歩き旅の末に自己実現を果たし社会復帰したエピソードなど諸々の体験談、キリスト教の巡礼等、さまざまな過去の事例などを紹介しつつ力強い文学的メッセージで伝えてくれます。 アウトドア×文学ということで、ヘンリー・デイヴィッド・ソローの『ウォールデン 森の生活』が引用されています。アウトドアやウォーキングを、「体を動かすと気持ちいい」といった身体的な愉しみだけでなく、思想や哲学などといった内面の楽しみやよろこびとして感受している者にとって、『森の生活』はやはりバイブルなのだなと思います(あとはルソーの『エミール』も)。ソローはアウトドアという言葉や概念が生まれるずっと前から、自然の中にありのまま身を投げることの素晴らしさを語っていたんだなあ。 社会的な制約や、時間の制限から解き放たれ、利便性から距離をとり、自分のペースで、自分と対話しながら無限の自由を味わうこと。それこそがロングトレイルの魅力。いつかやってみたいと思いつつ、無限の自由に飛び込む勇気を持てないでいます(笑) ただ、この本については読んでいて疲れるところもありました。著者の思いついた順に書いているように思え、本全体のまとまりに欠ける気もします。箇条書きのような文章をなんとか自然になるようにつなげて、エッセイ風に仕上げたように感じます。同じメッセージを、言い方を変えて何度も訴えかけてくることもあり、やや辟易。軽く読み飛ばそうと思えば読み飛ばせるけれど、我ながら律儀だなあと思いつつ集中してできるだけ没入して読むと、気分がドライブしてきましたがその分疲れました。 歩き旅がいかに人生を豊かにしてくれるかについて、力強く、高揚させるような表現でページが埋められているけど、やや上滑り感が。美辞麗句にあふれていて、歩き旅礼賛の情熱は素晴らしいけれどいまいちピンとこず、要は「私が最高って言ってるから最高」になってる気もします。扇動的な言葉はかっこよく響き渡るけれど、実際に胸に響くかどうかは、、、 3ページの訳者あとがきを約200ページに膨らませたものが本編、と言えるかもしれません(笑)。もちろん、あとがき3ページを読めば本編200ページ分の情報を得られると言っているのではないですよ! 200ページの読書体験でしか得られないものは確かにあります。が、あとがきのまとめの秀逸さがちょっと笑えてしまうほどだったので。

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2023/12/06

作者の旅の定義がわからないので、ピンとこない一冊でした。旅=登山=冒険みたいな?食事は?宿泊先は?などとつまらない事を考えてしまって本書にのめりこめませんでした。

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2023/05/21

WIREDのretreat特集での紹介から。歩き旅の効果効能をいろんな側面から小話的且つポエットに謳われている。あまり読まないので新鮮で良かった。 なぜだか分からないが、大地と繋がっていたり世界で皆んなと仲間になっているような大きな気持ちになる、という趣旨の一節。めっちゃわかる...

WIREDのretreat特集での紹介から。歩き旅の効果効能をいろんな側面から小話的且つポエットに謳われている。あまり読まないので新鮮で良かった。 なぜだか分からないが、大地と繋がっていたり世界で皆んなと仲間になっているような大きな気持ちになる、という趣旨の一節。めっちゃわかる。 自分にとっては自転車旅がこれだが、まさに、トレーニングや健康意識とは切り離しての旅の側面が強いときに得られるものであるなあ。幸福感のいいカタチ。

Posted byブクログ

2023/04/17

歩いて山を何日も彷徨う時、確かにハイになる。と同時に不安にも襲われる。天候に左右される登山は、予定通りには、いかない。日帰りならば、簡単だが。

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2022/12/04

タイトル通り、「歩き旅」の良さを強調するエッセイ集。名所やグルメの紹介も、隠れた絶景の紹介もなく、歩き旅で得られる自分との対話、自然の美しさの堪能、旅先での出会い、孤独と団欒、巡礼の意味などを淡々と述べているもの。現代の旅は事前にスマホで調べまくったり、マップやナビに頼ったり、口...

タイトル通り、「歩き旅」の良さを強調するエッセイ集。名所やグルメの紹介も、隠れた絶景の紹介もなく、歩き旅で得られる自分との対話、自然の美しさの堪能、旅先での出会い、孤独と団欒、巡礼の意味などを淡々と述べているもの。現代の旅は事前にスマホで調べまくったり、マップやナビに頼ったり、口コミを見たりと、何かと忙しいし、他力的。本書のように、始まる前からじっくり想像したり、噛み締めるように時間を楽しんだり、歩き疲れて帰りたいと思っていたがいざ帰るとなると惜しくなるような、そんな旅もしてみたい。

Posted byブクログ

2022/11/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

訳者があとがきに書いたとおりの内容で、 「本書では、『ウォールデン 森の生活』の著者として有名なヘンリー・デイヴィッド・ソローをはじめ、古今東西のさまざまな著作家の言葉を引用しながら、ル・ブルトン自身の経験と人類学的・社会学的な考察を交えて、大自然の中を歩くことがどれほど愉しく、元気づけられ、心が癒されるかが語られている。」 それ以上でも以下でもないのだが、それ以上にするには、いや、もうすこし読みやすくするには、どうしたら良いだろうかと、絶えず考えながら読み進んだ。 13の章に分けられており、「1.さあ、行こう」(まぁ、これは分かる。第1章だもの)、「3.リズム」、「4.歩く人類」、「9.風景は生きている」、「12. 癒しのために歩く」などなどと、各章にタイトルはふられているのだが、必ずしもそのテーマにそった内容でもなく(それとなく、タイトルに触れた部分はあるのだが)、歩くことがいかに素晴らしいか、旅に出ることの効用が手を変え品を変え語られている。 が、読んだ後で、なるほどリズムが大切なんだなとか、そうか癒しを得られるのか、という章題に応じた納得が得られず、なんとなくページが過ぎていく。 むしろ、引用されるさまざまな著作家の言葉を簡潔に、ページにひとつ紹介していく体裁で、章ごとに著者のコメントをコラム的に差しはさむ編集にしてはどうだろうか? 「夢を見たり、空想したり、 考えたりするのと同じように、 人間の動きのひとつとして、 軽やかさを求めて歩くのだ。」 ― ジョルジュ・ピカール 「私の困難は歩くことではなく、止まることだ」 ― ベルナール・オリヴィエ(仏ジャーナリスト/旅行作家) 「予も、いずれの年よりか、片雲の風に誘われて、漂泊の思いやまず」 ― 松尾芭蕉 などと、本書に紹介されたこうした言葉だけで50やそこら拾えそうだが。 なんて思っていたが、そんなお手軽な仕様にしたのでは、本書の良さが分からないのかもしれない。 本書は、あたかも目的もなにも定めずに、心の赴くままに逍遥するような気分で、ふらふらと読み進むのが良さそうだ。 「道に迷うと、目的地に着かなければという強迫観念から解放され、思いがけない出会いがある林間学校に来たような気分になる。」 と著者が記すように、なにげなくページを繰るうちに出会う、そうした言葉や、なにげない表現に出会い、ふと足を止めて思索をめぐらすのが良さそうだ。

Posted byブクログ