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ラジオの戦争責任 の商品レビュー

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2024/08/28
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※このレビューにはネタバレを含みます

かつて日本でもラジオにおいて仏教学者や演説、説法の達人が仏教を語り多くの人に強い影響を与えていたというのは驚きでした。 また、松下幸之助についての驚きの事実や、政治家松岡洋右の圧倒的な演説力、玉音放送を手掛け戦争を終結させた影の立役者下村宏の偉業など次から次へと驚異の事実をこの本では目にしていくことになります。 とにかく読んでみて下さい。それも一刻も早く!これほどの本に出会えるのはそうそうありません。世界が非常に不安定になっている今こそ読むべき名著中の名著です。

Posted byブクログ

2022/07/11

 戦前、広く普及し、かつ近所のラジオ音声が聞こえてしまうため事実上の聴取者は更に多かったラジオ。そのラジオが国民を戦争に駆り立てていったのではないか。本書のタイトルは、そのような問題意識で付けられたのかなあとは思うが、その点に関する直接的な考察は少なく、やや肩透かしの感は否めない...

 戦前、広く普及し、かつ近所のラジオ音声が聞こえてしまうため事実上の聴取者は更に多かったラジオ。そのラジオが国民を戦争に駆り立てていったのではないか。本書のタイトルは、そのような問題意識で付けられたのかなあとは思うが、その点に関する直接的な考察は少なく、やや肩透かしの感は否めない。  本書は、ラジオに関わりの深い人物5人を取り上げ、ラジオ放送の歴史の概要を示していく。  ラジオ放送のメインが教養放送であった時代に度々登場した高島米峰、友松圓諦の二人の仏教啓蒙家。  ラジオ受信機を広く国民に届けようと苦心した松下幸之助。  ラジオ扇動政治を切り開き、太平洋戦争に「火」をつけた松岡洋右と、ラジオの社会的影響力を逆手にとって「消火」に当たった、玉音放送を指揮した下村宏。    著者が「ラジオは、これまでの昭和史研究における大きな盲点であった。ラジオ放送は絶大な社会的影響力がありながら、歴史家に十分に考察されてこなかった」と言うように、新聞の戦争責任がそれなりに批判されてきたのに対し、ラジオについて正面から論じたものをあまり聞かない。  そうした意味で、本書の着眼はとても参考になった。  また、ラジオ放送初期に、人生講話のようなものが人気を博したこと、情報局総裁の下村の活躍振りを知ることができたのは大きな収穫であった。

Posted byブクログ