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竹本義太夫伝 ハル、色 の商品レビュー

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2023/02/21

届け、この声。 あのひとの、胸の奥深くまで。 人形浄瑠璃をまったく新しい境地に導いた、“義太夫節の"開祖・竹本義太夫。 百姓だった若者が、恋する女のために夢を追い、仲間と共に七転八倒しながら〈新浄瑠璃〉なる芸術を作り上げた。 それはまるで、「芝居」のようにドラマチック...

届け、この声。 あのひとの、胸の奥深くまで。 人形浄瑠璃をまったく新しい境地に導いた、“義太夫節の"開祖・竹本義太夫。 百姓だった若者が、恋する女のために夢を追い、仲間と共に七転八倒しながら〈新浄瑠璃〉なる芸術を作り上げた。 それはまるで、「芝居」のようにドラマチックな人生だった! 「語りたいんだす。語らんと、ワテは死んでまう。そんで大勢に聞いてほしい。ぎょうさんの人の心を動かしたい。ワテが見たいんは客が心を震わせてる姿だす。皆が食い入るように人形を観て、語りに笑って、三味線に涙する姿だす」 情を語り、人と心で繋がる——。 人生のすべてを芸事に捧げ、〈人形浄瑠璃〉に革命を起こした太夫の、波乱万丈な一代記!

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2022/12/22

歴史に名を残す人の小説を 手にするときには 巻末の「参考文献」の有無を 確かめることにしています むろん この書も そのようにして、手に取った一冊 粗削りな箇所はあるものの いゃあ 楽しませてもらえました 少し前に 落語家の 桂文我さんが 「私は(落語の)古文書も研究させても...

歴史に名を残す人の小説を 手にするときには 巻末の「参考文献」の有無を 確かめることにしています むろん この書も そのようにして、手に取った一冊 粗削りな箇所はあるものの いゃあ 楽しませてもらえました 少し前に 落語家の 桂文我さんが 「私は(落語の)古文書も研究させてもらっていますが  大事なところは その収集だけにとどまらずに  その(上演されなくなった)作品に命を吹き込むこと  つまり「情」を醸し出すことなんですよね」 と ラジヲでおっしゃっていたことを思い起こしました 義太夫節の元祖、竹本義太夫さんの一代記 堪能させてもらいました

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2022/10/10

初代竹本義太夫が、艱難辛苦の結果、筑後掾の名前をいただき、近松門左衛門の「曽根崎心中」で、大好評を得、その後、生涯を終える一代記。 百姓の五郎兵衛は、声が良く、人前で、語るのが大好きだった。 大阪の浄瑠璃の第一人者、播磨掾の直弟子、料理屋徳屋の主人・理兵衛に見出され、本格的に修...

初代竹本義太夫が、艱難辛苦の結果、筑後掾の名前をいただき、近松門左衛門の「曽根崎心中」で、大好評を得、その後、生涯を終える一代記。 百姓の五郎兵衛は、声が良く、人前で、語るのが大好きだった。 大阪の浄瑠璃の第一人者、播磨掾の直弟子、料理屋徳屋の主人・理兵衛に見出され、本格的に修行するが、破門になり、京の宇治嘉太夫に招き入れられたが、その後、破門となる。 物乞いをしている時に出会った、興行師、竹屋庄兵衛と、四条川原で櫓を掲げたが、失敗。 その後、何度も、挫折を味わいながら、ようやく、道頓堀で、竹本座を挙げる。 感情豊かな表現が人気となるが、隣に、嘉太夫一座が乗り込んで来て「道頓堀競演」となる。 天子様から、刀を頂けたなら、身分違いの、憧れの女性に見合う身分になれるかもしれない。 そればかりを夢に見て、浄瑠璃に励んできた五郎兵衛。 五郎兵衛に、惚れ込んで、力になった徳屋の娘、お松。 親から勘当された、五郎兵衛だが、勘当は、解けずに 逝ってしまったのか。

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2022/09/04

人形浄瑠璃の絶世期を築いた竹本義太夫の一代記。元禄は上方文化が咲き誇る時代。お松の大阪弁が心地よい。浪速の賑わいが活写されます。近松門左衛門や竹田出雲、歌舞伎の坂田藤十郎などオールスターの揃い踏み。竹本義太夫と近松門左衛門がタッグを組んだ「曽根崎心中」の名調子もたくみに組み込まれ...

人形浄瑠璃の絶世期を築いた竹本義太夫の一代記。元禄は上方文化が咲き誇る時代。お松の大阪弁が心地よい。浪速の賑わいが活写されます。近松門左衛門や竹田出雲、歌舞伎の坂田藤十郎などオールスターの揃い踏み。竹本義太夫と近松門左衛門がタッグを組んだ「曽根崎心中」の名調子もたくみに組み込まれています。9月の国立劇場さよなら公演は満席で行けませんが、大阪の錦繍公演では、この作品を思い出しながら生の文楽を観るのが楽しみです。

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2022/08/28

浄瑠璃の世界の 話だ。いつの世でも芸の世界は極めるためには過酷な修行が必要だ。竹本義太夫の一生を語った小説は感銘をもって読み終えた。最終章での曽根崎心中はあまりにも有名で夢中で読み終えた。

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2022/08/11

百姓 五郎兵衛が竹本義太夫になるまでの物語。 主人公が重要な気付きを得てからの描写に、頁を繰る手が止まらず一気に読んだ。テクニックじゃなく、作品に情感がこもってるのを目の当たりにした時、人(観客)の心が動かされる。っていう当たり前だけど大切な事柄に胸が熱くなる。 NHKのドラマで...

百姓 五郎兵衛が竹本義太夫になるまでの物語。 主人公が重要な気付きを得てからの描写に、頁を繰る手が止まらず一気に読んだ。テクニックじゃなく、作品に情感がこもってるのを目の当たりにした時、人(観客)の心が動かされる。っていう当たり前だけど大切な事柄に胸が熱くなる。 NHKのドラマでも印象的だった、近松門左衛門との関わり。春に見た文楽·曾根崎心中をもう一度見たくなった。願わくば 映像化してもらって人形浄瑠璃(文楽)の裾野が広がると良いな〜と思う。

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