河畔の街のセリーヌ(1) の商品レビュー
表紙を見て予想したより、ずっと面白かった。 フランス19世紀末の女性職業紹介、女の子の成長物語、風俗紹介,どれでもあるが、どれと言うわけでもない。淡々とした描写が良い。
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19世紀後半、パリ改造から数十年後の第三共和制がはじまったころのパリの風俗を田舎からやってきた少女の生活を通して鮮やかに描く漫画。時代設定の妙が光る。 印象派絵画に描かれるようなパリ市街の風景、増加したプチブルジョワ向けの百貨店、人々の服装、市場のにぎわい、多分に階級が意識され...
19世紀後半、パリ改造から数十年後の第三共和制がはじまったころのパリの風俗を田舎からやってきた少女の生活を通して鮮やかに描く漫画。時代設定の妙が光る。 印象派絵画に描かれるようなパリ市街の風景、増加したプチブルジョワ向けの百貨店、人々の服装、市場のにぎわい、多分に階級が意識されたアパルトマンの生活など、当時の空気をよく描き出せており、おフランス好きにはたまらない。 主人公はルーアンの隣村からパリにやってきた人形のような物静かな少女。「先生」なる人物の教えに忠実で、作中では「月から来たような」、つまりは無愛想と形容されているが、一読者からすると神秘的で、ときどき天然な反応をするのがかわいらしい。 偶然出会った老紳士の本作りの手伝いのために数々の職業体験をすることになり、この経験と出会いを通して彼女がこれからどのような自我を獲得していくかが楽しみな作品だ。 拙者、感情の薄いロボットみたいなキャラが自我を獲得していく物語が大好き侍。 作中ではお針子、女中、洗濯女、百貨店販売員などの当時都市部で女性にも開かれた職業が登場する。そこで働く女性たちの、女性・階級のかくあるべしとの意識が反映された台詞に目が行った。 たとえば女中の職業体験をおこなう日、先任の女中から「髪を伸ばさなかったのか」と主人公は気にされる。この台詞には、髪が長いほうが美しいしここではそれが普通だという当時の"女らしさ"を評価する意識が表れている(別にパリ以外でも似たりよったりではあっただろうが)。 日之下あかめ先生は前作「エーゲ海を渡る花たち」でも少女ふたりが15世紀末のイタリアから地中海経由で東欧を目指す思い切った設定の漫画を描いており、女性の地位が低かった時代における利発的な女性の魅力や少女同士の友情を描くのを得意としている。 本作では社会進出がまだ制限されていた時代に女性たちがなにを思い、なにを喜びとするかをパリの都市の美しさとともに描きだそうとしているように感じた。 パリを舞台に、進取の精神が花咲く美しさを期待できそうだ。
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表紙買いだったのですが、面白い。 19世紀パリ。 庶民の暮らし、仕事を14歳の少女セリーヌの目を通して描かれている。 続きがいっぱい読みたいので、売れてくれ。
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「先生」の言葉を守り、いろいろなことを経験するためにパリに出てきたものの、仕事を初日でくびになったセリーヌ。街中で声をかけてきた初老の男性の提案で、いろんな職業を経験して、見聞きしたことを報告することになり・・・ 近代ヨーロッパの習俗を少女セリーヌの目線で描いていく。滑り出しは...
「先生」の言葉を守り、いろいろなことを経験するためにパリに出てきたものの、仕事を初日でくびになったセリーヌ。街中で声をかけてきた初老の男性の提案で、いろんな職業を経験して、見聞きしたことを報告することになり・・・ 近代ヨーロッパの習俗を少女セリーヌの目線で描いていく。滑り出しはまだ大きな事件はないが、次巻にかけて何か起こりそう。
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