恋ふらむ鳥は の商品レビュー
「熟田津に船乗りせんと…」の歌が詠まれた背景はこんなだったのか!と高揚感に浸った。歌の力で場の流れを変えていく。額田王の名が教科書の文字ではなくその時代を生きた一人としてキャラが立った(笑)
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とにかく長かった。 ちょっとずつ読むためなかなか物語に集中出来ず… 葛城皇子が好きなので結果がわかっているだけに読み進めるのも悲しかった。 不比等さん、もっと出てほしかった。
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万葉の歌人、額田王の激動の半生を描きます。 7世紀飛鳥時代、額田王は子まで成した大海人王子と別れ、葛城王子の宮城で宮人として勤めに勤しみます。 妻や母としてではなく、歌詠みとして生きる道を模索。 しかし葛城の死後、大海人の挙兵で運命は一転。 叔父と甥が争う壬申の乱。 動乱の世を生...
万葉の歌人、額田王の激動の半生を描きます。 7世紀飛鳥時代、額田王は子まで成した大海人王子と別れ、葛城王子の宮城で宮人として勤めに勤しみます。 妻や母としてではなく、歌詠みとして生きる道を模索。 しかし葛城の死後、大海人の挙兵で運命は一転。 叔父と甥が争う壬申の乱。 動乱の世を生き抜いた万葉の歌人、額田王の激動の半生を描く歴史長編です。 読み応えありました。
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飛鳥時代、白村江の大敗から壬申の乱を歌を交えつつ、額田王視点で描かれる。 この小説の特徴は、額田王が色の識別ができない設定であり、葛城(中大兄)、大海人の異父兄の漢皇子の存在。 額田王が色がわからないというのは、史実かどうかはわからないけれど、色のわからない額田に「茜さす〜」の歌...
飛鳥時代、白村江の大敗から壬申の乱を歌を交えつつ、額田王視点で描かれる。 この小説の特徴は、額田王が色の識別ができない設定であり、葛城(中大兄)、大海人の異父兄の漢皇子の存在。 額田王が色がわからないというのは、史実かどうかはわからないけれど、色のわからない額田に「茜さす〜」の歌を読むことができるのかとすぐに頭をよぎるが、読み進めるうち違和感なく、額田の人格や思考も、色がわからないが故、むしろ納得できる不思議さがあった。 漢皇子については不便強でこの本を読むまでは存在を知らなかった。額田、大海人、中大兄の話しだけでなく、漢皇子の存在が拗れた人間関係を描く上でわかりやすくなっていたように思う。 額田の大海人、中大兄に対する気持ちが恋愛感情ではないのも良かった。 鎌足が忠臣なのは明らかで、ただ不気味で冷ややかに感じるのは、なるほどと思う。思考はさすが藤原氏の祖と思わせる。晩年は額田を教育しているようにも伺える。 額田は大海人と別れ、宮人になるべく鎌足に負けじと必死で、この本の中の額田王は鎌足を意識し過ぎているようにも思えるけど、案外そういう女性像の方がしっくりきた。 額田王に視点を置くと、鎌足や讃良の印象が変わる。讃良は感情を露わにし、彼女の憎しみが、大海人を動かし壬申の乱への引き金になるのも永井路子さんの小説と重なりあい面白く読めた。 額田が詠んだ「熟田津 の歌」、額田が詠めなかった時に備えて中大兄が詠んだ歌を、彼が亡くなってから、彼の作った政が崩れ落ちるその時に聞かされるのは、儚すぎて涙が出た。 この小説に登場するのは、まだ幼い不比等。兄の死をどう思ったか、父と中大兄を見てどう感じていたのか。 ここにこの先の藤原一族の礎があると思うと、それも興味深い。 日本書紀、古事記を読んでみようかなぁ…
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額田王を描いた歴史小説。 多くの人が額田王を主人公にした小説を書かれていますが、色覚異常という設定は初めて読みました。 また、歴史好きには漢皇子や知尊や鯨など、日本書紀にちょこっとだけ名が出てくる人物をうまく使っているところがたまりません。 ただ、せっかくの額田王なのに歌が少な...
額田王を描いた歴史小説。 多くの人が額田王を主人公にした小説を書かれていますが、色覚異常という設定は初めて読みました。 また、歴史好きには漢皇子や知尊や鯨など、日本書紀にちょこっとだけ名が出てくる人物をうまく使っているところがたまりません。 ただ、せっかくの額田王なのに歌が少ないのが残念です。 あと、物語の進行が流暢ではないのでちょっと読むのに時間がかかってしまいました。
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額田王の大海人の下を去ってからの澤田氏流伝記。 百済を助けるための船出から白村江の敗戦、近江への遷都、壬申の乱と歴史をなぞり、節目に額田王の歌を配して効果的だ。彼女の宮人としての矜持がお仕事小説的な雰囲気で、中大兄皇子に認められたい気持ちが恋のようだ。頑張っているのはわかるが、今...
額田王の大海人の下を去ってからの澤田氏流伝記。 百済を助けるための船出から白村江の敗戦、近江への遷都、壬申の乱と歴史をなぞり、節目に額田王の歌を配して効果的だ。彼女の宮人としての矜持がお仕事小説的な雰囲気で、中大兄皇子に認められたい気持ちが恋のようだ。頑張っているのはわかるが、今ひとつ好きになれなかった。 だが、もう一人主人公というなら漢王子で、その自由気儘で芯の通った性格、心の奥に優しさを秘めた生涯に感動している。
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天智(葛城)、弘文(大友)、天武(大海人)、持統(讚良)の4代の権力闘争の渦中にいた額田王の半生を描いた物語。万葉集の十二首の長歌・短歌と日本書紀の「天皇、初め鏡王の女額田姫王を娶りて、十市皇女を生む」の記載以外史料のない額田王をジグソーのように歴史の隙間に嵌め込み新たな魅力を生...
天智(葛城)、弘文(大友)、天武(大海人)、持統(讚良)の4代の権力闘争の渦中にいた額田王の半生を描いた物語。万葉集の十二首の長歌・短歌と日本書紀の「天皇、初め鏡王の女額田姫王を娶りて、十市皇女を生む」の記載以外史料のない額田王をジグソーのように歴史の隙間に嵌め込み新たな魅力を生み出すとともに「春すぎて夏來にけらし…」を詠んだ持統天皇の不穏な配置が物語をより興味深く演出している。
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長かった~。 政の世界に生きた、一人の女性の物語ですが、この人の目から見た時代のうねりを描いているので、とても興味深く読めました。 仕事一筋に懸命に生きている様子が目に浮かぶようです。 吉年の若さ溢れる一途な気持ちが爽やかでした。 額田王側から描いたものなので、大海人の気持ちが...
長かった~。 政の世界に生きた、一人の女性の物語ですが、この人の目から見た時代のうねりを描いているので、とても興味深く読めました。 仕事一筋に懸命に生きている様子が目に浮かぶようです。 吉年の若さ溢れる一途な気持ちが爽やかでした。 額田王側から描いたものなので、大海人の気持ちが今一つ分からず、唐突に戦が始まった感が否めませんでした。 額田王の歌も、もう少し入れて欲しかったな~。
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分厚いので躊躇していたが、とても面白かった。 思えば、額田王が主人公の物語を読むのは初めてだったかも。
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額田王の物語であるのだが、読み終えた直後の感想としては讃良王女の物語を読みたくなってしまっている。 葛城王子、額田王、中臣鎌足ら3人が追い求めた理想を、1人の思いが打ち砕いてゆくという破壊の物語になってしまうから、読後は良くないものになるのだろうけど。 彼女の野望を達成するだけ...
額田王の物語であるのだが、読み終えた直後の感想としては讃良王女の物語を読みたくなってしまっている。 葛城王子、額田王、中臣鎌足ら3人が追い求めた理想を、1人の思いが打ち砕いてゆくという破壊の物語になってしまうから、読後は良くないものになるのだろうけど。 彼女の野望を達成するだけの、ただそれだけに至高の座へと上り詰める物語が読みたくなってしまいました。則天武后に通じる成り上がりとしての物語が読みたい。 額田王たちに対しての敵役としての役割が大きかったための、キャラクターづけだったとの思うのですが、作中で最もぞくぞくしながら読んでいたのは事実。一番、魅力を感じました。 作者の意図したものとは違うでしょうが、そこに惹かれてしまったのでこれはもう仕方がないです。
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