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揺籃の都 の商品レビュー

4.1

15件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

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2022/09/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まさかの第二巻。大歓喜。 【子供が被害に遭います 苦手な方はご注意を!】 長編です。 舞台は清盛が福原(神戸)に無理矢理遷都したところから始まります。 平氏と源氏の戦いが始まった直後で、平家への求心力が試されるなか、「平家は天下人としてふさわしくないので、伝家の宝刀は神が取り返しにやってくる」という夢を見た若い侍はそれを言いふらします。 侍に激怒した清盛は頼盛に身柄を捉えるように命じます。 ギリギリまで追い詰めるも、逃げ込まれたのはなんと清盛の屋敷で…というお話。 ——————————————————————— 平安時代の慣習が大きなネックになってる今回の作品。 安定の面白さでした。 今回、清盛は大人しめかな?と思ったりもしましたがなんて事ない、最後に全部持っていきました。 それが言い訳や見栄なのか、はたまた本気なのか…わからないところがまた面白い… 前巻で煮湯飲まされるどころかおでん顔面にぶつけられるくらいの屈辱を感じた頼盛(最終的には勝ち越しかな?)でしたが…勝ちということでいいのかな? 続編出てくれないかなー

Posted byブクログ

2022/09/09

福原遷都を舞台に、清盛邸で起きた事件の解決にのぞむ頼盛。 この時代に明るくないため、前回の短編集と違い少し読み進めるのが大変でした。今回は身内だけれども微妙な関係の棟梁清盛家ということで、動きにくい中、最後は丁寧に回収していました。 小さな伏線の積み重ねのため、ついつい戻って...

福原遷都を舞台に、清盛邸で起きた事件の解決にのぞむ頼盛。 この時代に明るくないため、前回の短編集と違い少し読み進めるのが大変でした。今回は身内だけれども微妙な関係の棟梁清盛家ということで、動きにくい中、最後は丁寧に回収していました。 小さな伏線の積み重ねのため、ついつい戻ってしまうこともありましたが、面白い内容です。

Posted byブクログ

2022/09/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

福原遷都を背景にした長篇。シリーズ第2作。 不吉な夢を見た青侍の捜索、怪鳥騒ぎ、守り刀の盗難。 頼朝との内通を疑われ、針の筵状態で捜査を行う頼盛。 この時代ならではの習俗が動機につながっていて、時代設定に納得。大河ドラマと深夜アニメのおかげで、この時代が少し近く感じられるようになったのはありがたい。 Web東京創元社マガジン http://www.webmysteries.jp/archives/29599980.html

Posted byブクログ

2022/08/11

「蝶として死す」に続く平家一門のミステリー。 異母兄・清盛やその息子たちから疑いや嘲笑を向けられても、扇で口元を隠して優雅にかわす頼盛。腹芸がすごいし謎解きも面白かったです。

Posted byブクログ

2022/08/25

「蝶として死す」から11年、福原遷都と富士川の戦い大敗で揺れ動く清盛一門で起きた事件に異母弟・頼盛が再び挑む。 平家一門にとって不吉と思われる夢を見た青侍(身分が低い若侍)が逃亡、清盛から捕縛を命じられた頼盛。家人の報告で青侍が清盛邸に逃げ込んだことを知り、清盛に邸内探索の許可...

「蝶として死す」から11年、福原遷都と富士川の戦い大敗で揺れ動く清盛一門で起きた事件に異母弟・頼盛が再び挑む。 平家一門にとって不吉と思われる夢を見た青侍(身分が低い若侍)が逃亡、清盛から捕縛を命じられた頼盛。家人の報告で青侍が清盛邸に逃げ込んだことを知り、清盛に邸内探索の許可を得ようと乗り込むが、何故か清盛に碁を誘われたり清盛の息子たちによる富士川の戦い大敗の報告などで探索が出来ない。 吹雪により清盛邸に泊まり込んだ一同だが、その翌朝、清盛の枕元にあった小長刀が消え、さらに青侍が塀の外でバラバラ遺体となって発見される。 本を開くといきなり清盛邸の見取り図があり、わくわくする。 バラバラ遺体の周囲の雪に足跡がなかったり、密室状態の祈祷所で巫女が逆さ吊りにされたり、清盛の枕元から刀を盗まれたりと、本格ミステリーっぽい要素が満載。 一方で、不吉な夢や化鳥に天狗、神仏や死の穢れという当時ならではの背景もある。しかしそれもこの犯罪を形作る重要な要素となる。 特に死による穢れは興味深い。 邸内で五体満足の遺体があると30日、手足などの一部でも7日間は『物忌み』といって家に籠らなければならない。 また死体を門から出すと門が穢れて使えなくなるので、葬儀などで死体を家から出す場合は塀の一部を壊して出したり、塀に梯子を掛けて乗り越えて出したりしなければならない。 さらには自宅に穢れを生じさせないため、屍を路上や空き地に捨てていく習慣まであったというから恐ろしい。 当時の京都に死体が散乱していたというのは戦だけでなくてこういう習慣や考え方があったからかと思うと戦慄する。 前作から11年たったこの作品でも、頼盛は清盛やその息子たち(特に知盛・重衡)からは謀反を疑われている。 というのは、頼盛の母・池禅尼は源頼朝の助命嘆願をしているし、池禅尼の兄は牧の方の父・牧宗親(大河ドラマでは兄だが、父との説もあるらしい また池禅尼の兄との説もあるらしい)なのだ。その縁で頼朝の監視は池殿流平家(頼盛)と北条時政が担っている。 頼朝蜂起に頼盛が関わっているのではないかと疑われるのも無理はない。 そんな中で起こった殺人事件や小長刀盗難事件。知盛らの厳しい目に見つめられながらという厳しい状況で頼盛は自分や家の子郎党を守るために事件のなぞ解きに挑む。 事件の真相や動機は予想が出来た部分と驚かされた部分あって楽しめた。ネタバレになってしまうので詳しく書けないのが辛いが史実ともうまく絡めてあって面白かった。 タイトルである『揺籃』とはゆりかごのことらしい。 大河ドラマでもバタバタしていた感の福原遷都については興味深かった。 そして頼盛。実際の頼盛がどういう人だったのかは分からないが、ここに描かれる頼盛は相当の知恵者だ。清盛、知盛らの厳しい目をかいくぐり、いかに自分たちが生き残るかを必死に考えている。そして最後のシーン。 壇ノ浦後も唯一生き残ったという説も納得の周到さ。 一時頼朝を頼って鎌倉にいたこともあるらしいから、ドロドロの権力争い真っただ中の鎌倉で再び事件解決に挑むなんて姿も見てみたいが、さらなる続編はあるだろうか。

Posted byブクログ