ツワモノガタリ(2) の商品レビュー
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沖田総司vs芹沢鴨決着〜前に挿入された河原で語り合う2人の様子がとてもよかった。ほろり。 沖田が止めとなる技を繰り出すのに諸手の構えであることが必須条件となっている描写に「うお〜!すげえ!!」てなりました。 さて、沖田が語り終えると次の話し手となる藤堂平助が現れるわけですが(冒頭から連続で割り込みされて最初から集まって座談会を楽しもうとしていたて面々はどう思っているのか…)、 この藤堂が沖田の話にずっと感じていたもやもやを見事に指摘してくれました。そのもやもやとは、「芹沢はそもそも元新撰組局長であり、その強さも剣技も皆が知るところであるのに、 こういう席でわざわざ話す題材として適切なのか?」という点。藤堂が沖田を「わかってないなあ」とバッサリ斬り捨てた瞬間、もやが晴れた! そしてこの藤堂平助、従来目にした範囲の作品では「総じてどちらかというと地味。そして剣の腕前も強いんだろうけど新選組の隊長格に並ぶと…一段落ちるといった印象」なのですが…… この作品ではトガってる!(そもそもカバーのカラー絵見たときに、え?藤堂こんな感じなの?とちょっと身構えた)いろいろヤバイ!そしてなんとなく現代的(本人の性格や思考が現代的というわけではなく、うまく言えないけれど時代伝記よりも最近の?能力バトル系ラノベ作品に出てきそうなキャラ。うーん、例えるなら西尾維新が創りそうな藤堂平助)でかなり新鮮で面白かった。知らない藤堂平助。 この作品の作りとして、すごく大雑把に言うと各話2人のキャラが戦うだけなので、みんなが知っている剣豪のキャラクターをいかに丁寧に創って魅せることができるかどうか(あとは流派・剣戟の展開の妙)が作品の面白さそのものだと思うけど、ここまでの4人は花丸。そして、藤堂のこの性格だと(この作品で描かれることはないだろうけど)後にああいう道を選んでしまうのもさもありなんという感じでそこも納得。 そして、4人目の田中新兵衛。これまたありとあらゆるものを削ぎ落とした極北に座するようなめちゃくちゃ好きなキャラでした。ある意味初期ウォーズマン「バラクーダ、キン肉マンは邪魔か?」 こちらも割と今までのイメージと主に造形面で違ってて、どちらかというと岡田以蔵みを感じている。そのうち出るであろうその岡田以蔵は、じゃあ果たしてどのような姿で現れるのかといった楽しみも…… さて、何も考えていないピュアッピュアキラーマシン田中新兵衛と裏読みしすぎて3周くらいしている藤堂のバトルは2〜3合剣を交えたあと、(残念な犠牲者を出しつつ)田中新兵衛優位で勝敗次巻へ持ち越しとなりましたが、この引きの藤堂のセリフが実にかっこいい。よくよく考えると死に逝く人に対してひどい言い回しで、でもこの心に闇を飼ってるイカれた藤堂平助にぴったりなほんま名台詞なのでぜひ読んでみてください。
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