1,800円以上の注文で送料無料

明治維新の収支決算報告 の商品レビュー

4.5

4件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    2

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/01/27

表紙がフルベッキ写真なので、最初はかなり胡散臭い本なのでは?と疑ったけど、なかなか面白い本だった。特に幕末の出来事をカネの視点から分析しており、なるほど!と思わされることも多く、その部分に関しては星5つ。ただ、輸入関税を下げさせられたのは長州による下関での無謀な攘夷行動の代償やの...

表紙がフルベッキ写真なので、最初はかなり胡散臭い本なのでは?と疑ったけど、なかなか面白い本だった。特に幕末の出来事をカネの視点から分析しており、なるほど!と思わされることも多く、その部分に関しては星5つ。ただ、輸入関税を下げさせられたのは長州による下関での無謀な攘夷行動の代償やのに、その点については曖昧に書いていたのは気になった。日清日露戦争あたりの話以降は単なる国の収支の話が主であまり面白くなかった。 なお、「おわりに」にある「日本も植民地になっていたら良かったのでは?」というのはあまりに極論。また、アメリカ大統領ウィルソンが唱えた民族自決権によって、あたかも第二次世界大戦後にアジアやアフリカが独立したような印象操作も強引。

Posted byブクログ

2023/01/21

お金の視点からの明治維新。 とても興味深くて面白かった。 江戸時代の武士はお金について話すのを卑しいこととしていた風があり、今現在もお金の話を避けがちな日本人。 きちんと考える人ばかりだったら、明治維新はもっと違う形だったかもしれない。 個人的には、戊辰戦争は要らなかったなぁと思...

お金の視点からの明治維新。 とても興味深くて面白かった。 江戸時代の武士はお金について話すのを卑しいこととしていた風があり、今現在もお金の話を避けがちな日本人。 きちんと考える人ばかりだったら、明治維新はもっと違う形だったかもしれない。 個人的には、戊辰戦争は要らなかったなぁと思っていたので、この本でやっぱりそんな話をしていたのが非常に共感できて良かった。

Posted byブクログ

2022/11/06

◯◯の収支決算報告というタイトルが好きだ 歴史的事象のお金にまつわる話 とても興味深いんだけど、この明治維新の収支決算報告は数字が少ない(物足りない) 太平洋戦争、戦艦大和、こちらの収支決算報告はもっとお金のことがズバズバあって お金の向こう側を妄想したのだけれど… 明治維...

◯◯の収支決算報告というタイトルが好きだ 歴史的事象のお金にまつわる話 とても興味深いんだけど、この明治維新の収支決算報告は数字が少ない(物足りない) 太平洋戦争、戦艦大和、こちらの収支決算報告はもっとお金のことがズバズバあって お金の向こう側を妄想したのだけれど… 明治維新とは言え、日清日露辺りまでの歴史も書かれているので繋がりは上手く伝わってくる

Posted byブクログ

2022/07/31

明治維新での兵士と教育について知りたくて読書。 本書は、幕末から明治維新、明治時代を収支決算、つまり、「お金」で読み取っていく本。一般的な歴史本とは違った視点が浮かび上がってくる。 現代日本で山積する課題の中でも教育改革は特に筆頭格で叫ばれると思う。 現在の日本の教育制度は...

明治維新での兵士と教育について知りたくて読書。 本書は、幕末から明治維新、明治時代を収支決算、つまり、「お金」で読み取っていく本。一般的な歴史本とは違った視点が浮かび上がってくる。 現代日本で山積する課題の中でも教育改革は特に筆頭格で叫ばれると思う。 現在の日本の教育制度は、明治期に制度設計されたものが苗床になっている。子供たちの得意分野や能力を伸ばしづらい平等、平均点主義が色濃いのが特徴だ。 その目的は、本書の言葉を借りると、「死を恐れぬ最強の兵士、過酷な労働を厭わぬ女工たち。」(P159)を大量生産することを目的としたものだったから。 現在の会社員中心のサラリーマン社会も、戦後、各種税金の徴収をしやすくするために促進したとされる。それに加えて、何十年もの住宅ローンを組んで「持ち家を持つことがサラリーマンの夢」みたいな風潮を作り上げることで、より安定した会社員を辞めないようにしたとも言われる。 日本は、独立してフリーランスとなったり、起業したりがいまいち盛り上がらないのは、そんな戦後の社会風土が影響していそう。 閑話休題。【第四章】最良の兵士と労働者を育んだ教育制度を特に興味深く読んだ。 明治になってから教育費負担が格段に増えたことがわかる。 最後の第五章で触れられる「国税収入に占める酒税の割合」(P197)。日清戦争開戦から終戦直後は、国税に占める割合が35%を超えていて驚く。 朝鮮戦争の開戦後も大きく割合が増えている点も面白い。統計最新の2005年の割合は3.4%とのこと。 それにしても、明治維新直後の欧米への外遊、お雇い外国人、国費留学へ膨大な費用がかかっていたこと。果たして、それらが、30年後、50年後どのくらい国益となったかを検証して、様々な説を考えてみるのも面白いかもしれない。 歴史をかじった人間には、よく知られているグラバーを始めとする幕末の外国武器商人たちは、トータルでは意外にもあまり儲かっていなかったそうだ。 読書時間:約1時間5分

Posted byブクログ