極めて私的な超能力 の商品レビュー
〈他人は地獄〉 この短編集に流れるテーマのようなもの。 他人との関係こそ不確定で不明瞭、不安定、まるでSF小説のよう……。 短編「アスタチン」は、他のお話しとは異なり、やや長めでスケール感があり、わかりやすく直線的。 この一編は冒険物語のようにも楽しめる。 「データの時代の愛...
〈他人は地獄〉 この短編集に流れるテーマのようなもの。 他人との関係こそ不確定で不明瞭、不安定、まるでSF小説のよう……。 短編「アスタチン」は、他のお話しとは異なり、やや長めでスケール感があり、わかりやすく直線的。 この一編は冒険物語のようにも楽しめる。 「データの時代の愛」は、データ分析の行く末を示す。既にはじまっている、が、愛は説明がつかない。 ラストが良い物語はやっぱりいい。 SF小説ではあるが「自己と他者」の内面に迫っており、今、ここで起こっても不思議ではない。
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この手のSFを読むとところどころでSQUIP味を感じてニヤけてしまうのだ。タイトルの短編より、個人的には「アスタチン」と「あなたは灼熱の星に」が、「個」と「遺伝子」と「科学技術」との混じり具合がほんと良かった。 科学が発達すればするほど科学以前からあったものの捉え方は変化し続けて...
この手のSFを読むとところどころでSQUIP味を感じてニヤけてしまうのだ。タイトルの短編より、個人的には「アスタチン」と「あなたは灼熱の星に」が、「個」と「遺伝子」と「科学技術」との混じり具合がほんと良かった。 科学が発達すればするほど科学以前からあったものの捉え方は変化し続けていく。 私たちの「個」とはどこに存在しているのだろうね?
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恋物語から壮大なバトルものまで幅広い設定の話を盛り込んだ韓国SF短編集。全体的に等身大の人間を描いている感じがして、大袈裟なではないけど丁寧な展開に好感が持てた。読みやすさも丁度良く、何か気軽に本を読みたいなという人にオススメ
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チャン・ガンミョン『極めて私的な超能力』読了。韓国の人気作家によるSF短編集。「アラスカのアイヒマン」はユダヤ人自治区で〈凡庸な悪〉を否定するために他者の感情、記憶を追体験させる装置が開発され、アイヒマンを裁こうとする物語。〈共感〉が果たして赦しや救いをもたらすかという主題に対し...
チャン・ガンミョン『極めて私的な超能力』読了。韓国の人気作家によるSF短編集。「アラスカのアイヒマン」はユダヤ人自治区で〈凡庸な悪〉を否定するために他者の感情、記憶を追体験させる装置が開発され、アイヒマンを裁こうとする物語。〈共感〉が果たして赦しや救いをもたらすかという主題に対してのアプローチが絶妙に巧い。その一方で表題作や「データの時代の愛(サラン)といいトレンディなエモさがたまらない絶品もある。韓国SF読んだのはこれが初めてだったけど、華文SFとはまた違う衝撃があった。著者インタビューで韓国ではSFは20〜30代の女性に人気があると言っていてほーとなった。
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「定時に服用してください」★★★ 「アラスカのアイヒマン」★★★★ 「極めて私的な超能力」★★ 「あなたは灼熱の星に」★★★ 「センサス・コムニス」★★★ 「アスタチン」★★ 「女神を愛するということ」★★ 「アルゴル」★★★ 「あなた、その川を渡らないで」★ 「データの時代の愛」★★★
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『定時に服用してください』『極めて私的な超能力』『女神を愛するということ』『データの時代の愛』が◯だった。
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なんというか、印象として、韓国SFは文学的な作品が多い気がする。余韻派というか。ハラハラドキドキワクワクはないけど、さらりと読むのにちょうどよい具合。
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韓国作家のSFを始めて読んだ。ウイットに富んでい作品もある。練られた短編がある。長編は、途中でギブアップし、終わりの結論を読んでしまった。
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エンタメとして面白い。通勤通学のお供にいいSF短篇集。ただ、男性に都合の良いストーリーなのにはげんなりする。
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