揚羽の夢 の商品レビュー
母が亡くなった後最初に回ってきた予約本、平家物語著者説のある鴨長明主人公の平家物語。 母方は相模源氏、父方は四国から岡山に落ち延びた平家が祖先。両親が関西で出会い、ようやく和平を実現し、できた子供が自分たちと思うと感慨深い。 母のいない世界はこの方丈記の世界のように泡のように感じ...
母が亡くなった後最初に回ってきた予約本、平家物語著者説のある鴨長明主人公の平家物語。 母方は相模源氏、父方は四国から岡山に落ち延びた平家が祖先。両親が関西で出会い、ようやく和平を実現し、できた子供が自分たちと思うと感慨深い。 母のいない世界はこの方丈記の世界のように泡のように感じる。 すべてが夢であればいいな。
Posted by
朱川湊人 さんの「知らぬ火文庫」シリーズ 最新刊というだけで 手に取ってしまう 相変わらず あっという間に 幽玄の世界に連れて行ってもらえます 何年も前に 夢中になって 読み進めていた 吉川英治さんの「新 平家物語」の 部分部分が 浮かんでは消えていきました ずいぶん前...
朱川湊人 さんの「知らぬ火文庫」シリーズ 最新刊というだけで 手に取ってしまう 相変わらず あっという間に 幽玄の世界に連れて行ってもらえます 何年も前に 夢中になって 読み進めていた 吉川英治さんの「新 平家物語」の 部分部分が 浮かんでは消えていきました ずいぶん前に 読んでいるうちに 途中で 放り出してしまった 「方丈記」 もう一度 手にとってみよう! と 思ってしまいました
Posted by
方丈記と平家物語に着想した、アレンジ小説です。特に方丈記では、朱川さんらしく、無常で儚げな市井の人々が語られています。 方丈記は、随筆ですが、疫病や火災等の災禍の歴史的史実が多く記録されていますので、それらの引用が多く創作とはいえ、平安の世を垣間見るようでした。平家物語(挫折中)...
方丈記と平家物語に着想した、アレンジ小説です。特に方丈記では、朱川さんらしく、無常で儚げな市井の人々が語られています。 方丈記は、随筆ですが、疫病や火災等の災禍の歴史的史実が多く記録されていますので、それらの引用が多く創作とはいえ、平安の世を垣間見るようでした。平家物語(挫折中)と方丈記、同時期ですが視点の違う二作からの小説もあり、暖めていた構想なのかなと思いました。 揚羽蝶は、平家の家紋ですが、本当に何故だか、お墓によくいるんですよね。それもたくさんいるのではなくて、一頭で飛んでるんですよね。不思議。 芥川や森鴎外など古典からの作品は好きなものが多いので、朱川さんの次作も期待します。
Posted by
うたかた。 読み終わった読後感としてはそこまで儚さばかり残っているわけでないが、 平安末期の町の様子、世の中の大きな出来事・時代の変化を描く。 8編あり、大火事、竜巻、飢饉、福原遷都が鴨長明の視点で、 平家が衰え、滅んでいく様を、平清盛の子、重盛と知盛の視点から触れられて...
うたかた。 読み終わった読後感としてはそこまで儚さばかり残っているわけでないが、 平安末期の町の様子、世の中の大きな出来事・時代の変化を描く。 8編あり、大火事、竜巻、飢饉、福原遷都が鴨長明の視点で、 平家が衰え、滅んでいく様を、平清盛の子、重盛と知盛の視点から触れられている。 編の後半はいくぶん読みやすくなったが、前半は、知らない史実や語句の検索で、勉強しているようだった。 「無無明亦無無明尽」(むむみょうやくむむみょうじん) この言葉で前半、半数以上の編が締め括られていて、どのサイトを見ても浅学な僕にはピンと来ないのだが、「人生を励まそう」という言葉なんだと僕には受け取られた。 標題の「揚羽」(あげは)は平氏の家紋とのこと。 ともかく、本作は、今年の6月21日に刊行された朱川さんの最新作。 1ファンとして、じっくり読むことができたのは良かった。
Posted by
『方丈記』『平家物語』を下敷きに、鴨長明や平重盛、平知盛の視点で語られるお話。どちらも日本史や国語の文学史年表でお目にかかった程度で、せいぜい出だしの一文くらいしか知らないわけですが、今見てる大河ドラマにオーバーラップする話なので興味深く読めました。難波加々麻呂は架空の人物でしょ...
『方丈記』『平家物語』を下敷きに、鴨長明や平重盛、平知盛の視点で語られるお話。どちらも日本史や国語の文学史年表でお目にかかった程度で、せいぜい出だしの一文くらいしか知らないわけですが、今見てる大河ドラマにオーバーラップする話なので興味深く読めました。難波加々麻呂は架空の人物でしょうが、なかなか良いキャラクターだと思います。⭐3.5
Posted by
大河ドラマでやっている「鎌倉殿の13人」は見たことないが、時代背景は似ているんじゃないかな? この作品は「方丈記」と「平家物語」のアレンジ。時は平安、平氏が栄華を極めている頃から始まり源氏が取って代わる頃まで、当時の都の生活を鴨長明こと無明の視点から描いている。疫病、戦、地震な...
大河ドラマでやっている「鎌倉殿の13人」は見たことないが、時代背景は似ているんじゃないかな? この作品は「方丈記」と「平家物語」のアレンジ。時は平安、平氏が栄華を極めている頃から始まり源氏が取って代わる頃まで、当時の都の生活を鴨長明こと無明の視点から描いている。疫病、戦、地震など。猫丸と雨里の話がぐっとくる。朱川さんの物語はいつもなんだか切なく儚い。虚無と無常。浮き沈みする泡沫の世。 その時代に生きる人たちの生活と今の生活を比べてしまう。比べることに意味はないのかもしれないが。どうしても源氏が正義みたいな印象も拭えない。加々麻呂の物言いが自分と似ていた。鴨長明の選んだ道、今の世では逃げに当たる気もする。でも羨ましい。
Posted by
「方丈記」と「平家物語」をアレンジした幻想譚。平安鎌倉時代、都を次々と襲う災禍。戦、疫病、天災の数々にあえなく命を奪われる多くの人々と、その中でも必死に生き抜こうとする人々。栄華を誇った平家の隆盛と滅亡。移り変わる時代を見つめ続ける鴨長明を主人公にして描かれた、虚無的だけれど穏や...
「方丈記」と「平家物語」をアレンジした幻想譚。平安鎌倉時代、都を次々と襲う災禍。戦、疫病、天災の数々にあえなく命を奪われる多くの人々と、その中でも必死に生き抜こうとする人々。栄華を誇った平家の隆盛と滅亡。移り変わる時代を見つめ続ける鴨長明を主人公にして描かれた、虚無的だけれど穏やかさも感じさせられる連作短編集です。 いつの世にもこのような災禍は絶えたことがないのでは、というのがまず思ったことでした。時代は違えど、現代とあまり変わらないような気がします。災禍によって人心が荒れる、というのもしかり。諸行無常というけれど、その変化もただ繰り返すものなのでしょうか。そう思うと何もかもが虚しくなってしまいます。 どれもがまったく幸せではない物語なのですが。だからといって嫌な気分になるばかりではないのが不思議。人の命は儚いけれど、それでもそのあとに残るものがあって語り継がれるということには心強さを感じさせられました。「遊びをせんとや生まれけむ」くらいの心地で生きてみるのも、あるいはいいのかもしれません。
Posted by
鴨長明の視点で捉えた平安鎌倉時代の日常。飢餓、疫病、源平合戦…常にとばっちりを受けるのは平民である。時代を超えて人間の悲哀、無常が心に響いた。
Posted by
鴨長明が主人公の物語。学生時代は歴史が苦手だったが、こうして読書をすることでスルスルと頭に新しい知識が刻まれていく、、、本のチカラはスゴイ。 登場人物がみな魅力的、ドラマになってもおもしろそうな小説だった。朱川湊人さんの作風と鴨長明の飄々とした風情がよく合っている。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【収録作品】第一話 泡沫(ウタカタ)草子/第二話 揚羽の夢/第三話 鵺と辻風/第四話 一二三ノ尼御前/第五話 餓鬼京/第六話 回天流転/第七話 波濤の揚羽/第八話 夢方丈 鴨長明の視点で描かれた平安時代末期~鎌倉時代の話。『平家物語』は有名な段しか読んだことはないが、『鎌倉殿の十三人』やアニメ『平家物語』を始めとした周辺の小説のおかげで、話に抵抗なく入り込めた。 それにしても、この時代の地続きに現代があるというのは、自然な流れとは思えない。とはいえ、そこに働いた意志が望んでいた姿になったとも思えない。そうなる前に逆戻りしそうだが、そっちはずっと簡単そうで怖い。
Posted by
- 1
- 2