あとは切手を、一枚貼るだけ の商品レビュー
閉じているけれど深い二人の世界。そのあまりにも独特な世界観に残念ながら最後まで理解が追いつきませんでした。
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堀江敏幸さんも小川洋子さんも世界の作り方が似てて全く違う世界に埋没する感じがする。ドア一枚隔てただけなのに外の音も気配も消してしまうような小説の世界。色々な雑音から離れたい時にはこういう小説に救われる。
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ある男女が交わす14通の手紙。 そこに隠された一つの悲しい秘密。取り留めのない手紙の内容には何一つ明白な叙述は無く、全ては読者の想像力に委ねられる。少し冗長気味に感じられる物語ではあるけど、その不明瞭さに好奇心を擽られて頁を捲る手が止まらないから狡い。
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何を言っているのだろう?妄想?なぜ理解できているのだろう?と思っているうちは、とても読みにくかった。あきらめてしまう人もいると思う。 繊細な言葉のやり取りをたどっているうちに、時間や空間を越えて、二人の想いが静謐な湖に溢れていると感じられた。最初の戸惑いなどどうでもよくなってい...
何を言っているのだろう?妄想?なぜ理解できているのだろう?と思っているうちは、とても読みにくかった。あきらめてしまう人もいると思う。 繊細な言葉のやり取りをたどっているうちに、時間や空間を越えて、二人の想いが静謐な湖に溢れていると感じられた。最初の戸惑いなどどうでもよくなっていた。二人だけにわかる世界を息を詰めるようにして読んでいった。 途中、何通か読み返した。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルが素敵で、小川洋子さんと堀江敏幸さんという大好きな作家のコラボとあれば読まずにはいられない!と読み始めたものの、まあ読み進まない…。 何だろう、観念的な風景の描写はすごく美しくて、読んでる時は楽しいんだけど、一旦離れると何の話だったか分からなくなって、サラサラとこぼれるようだった。届けたい言葉とか想いの共有は、表層ではなく、自分の深いところに潜って出会う、という、イメージだけが印象に残っている。 終盤で、この二人が離れて手紙を送りあっている理由のようなエピソードが語られ、そこから急に物語が像を結んで読みやすくなるんだけど、一方でやや物語が濁ってしまったような不思議な感覚にもなった。天上のものが地上に降りて来てしまった、とかそういう感じ。 大事な部分があった気がするけど思い出せないので、思い出したらまた書きましょう。
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往復書簡の形で書き進められる小説。お互いが書いたものの文脈を読み、言葉を解釈し、行間を想像しながら書き進められた物語であり、どこでストーリーを動かすのかを書いている著者達が相手の出方を探りつつ書いている様子が伝わってきて、その緊張感が新鮮。とはいえ、物語は静謐で、切なく、そのギャ...
往復書簡の形で書き進められる小説。お互いが書いたものの文脈を読み、言葉を解釈し、行間を想像しながら書き進められた物語であり、どこでストーリーを動かすのかを書いている著者達が相手の出方を探りつつ書いている様子が伝わってきて、その緊張感が新鮮。とはいえ、物語は静謐で、切なく、そのギャップがおもしろい。著者達の幅広い関心や、それぞれの読書体験や知識が豊富に散りばめられ、知的好奇心もかき立てられる。最後まで読むともう一度初めから読み返し、どこでストーリーが動いたのかを確認したくなる衝動に駆られる。
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無限に読み終わらない。読み“進め”られない。 なんだかタイトルと同じような状態。 出てくる言葉は美しいが私の頭に浸透してくれない。 大好きな小川洋子さん。 永遠に、今読んでる かもしれない。 後から知った本や、積読たちが 今読んでる、で肩を並べてどんどん追い抜かしていく。...
無限に読み終わらない。読み“進め”られない。 なんだかタイトルと同じような状態。 出てくる言葉は美しいが私の頭に浸透してくれない。 大好きな小川洋子さん。 永遠に、今読んでる かもしれない。 後から知った本や、積読たちが 今読んでる、で肩を並べてどんどん追い抜かしていく。まいっか。
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何も具体的なことは決めずに書かれたんだろうなと、読みながらおもう。往復書簡の醍醐味的な。てがみを書いている今は確かに現在進行形で、しかし相手とは長く離れていて現在の互いは知らぬままで、おもいでは鮮やかでも過去の記憶は所詮過去の記憶でしかなく、交わされることばは綴られ読まれてやっと...
何も具体的なことは決めずに書かれたんだろうなと、読みながらおもう。往復書簡の醍醐味的な。てがみを書いている今は確かに現在進行形で、しかし相手とは長く離れていて現在の互いは知らぬままで、おもいでは鮮やかでも過去の記憶は所詮過去の記憶でしかなく、交わされることばは綴られ読まれてやっと届く。再会は望めないまま、細い糸のようなつながりを、祈るように待つ。夢のようでいて、限りなく現実的。ままならない、という点で。小川洋子さんの緻密さと、堀江敏幸氏の良い意味での曖昧さが、徐々にちゃんとストーリーに落とし込まれてく感じ?(訊くな)
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泣いて、読んで、休憩して、また泣いて、泣いて。 私の理解力不足というか馬鹿正直さみたいなもののせいで、事実は対談を読むまでわかっていなかった。 途中の文章にもあった「抽象的すぎる」文章ばかりで何度もページを戻したり同じところを目で追ったりした。 そうやっている時でも、言葉や情...
泣いて、読んで、休憩して、また泣いて、泣いて。 私の理解力不足というか馬鹿正直さみたいなもののせいで、事実は対談を読むまでわかっていなかった。 途中の文章にもあった「抽象的すぎる」文章ばかりで何度もページを戻したり同じところを目で追ったりした。 そうやっている時でも、言葉や情景は美しくて、未熟さが悔しかった。 「私」と「僕」が2人で同じものを見て描写しながらあえて具体化はせずに、本当に2人の「おへんじ」のやりとりであって、こちらには背を向けて教えてくれないみたいで、でもやっぱり察せない、そんな気がしてそれも悔しかった。 だけどそういう、当人たちの甘やかさみたいなのが羨ましかったのだと思う。 美しいからこそ、するりと言葉を受け入れてしまうので唐突にやってくる一文でも悲しくてすぐに泣いてしまった。 また、読み返さなければならない本が増えた。
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大変だった。何回か涙が出た。すごい、おもしろい、美しい、哀しい。みずうみ。お手紙を送りあうということ。少し時間をおいて、もう一度読むとおもう。 後書きを読んで、どうやって書き進められたのかを知って、興味深い。
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