写真集 世界の廃墟島 の商品レビュー

クラウディア・マーティン(著者),小金輝彦(訳者)

2024/02/23

廃墟、かつては栄華を誇っていた場所だが、何らかの影響で捨て去られたと言うイメージを抱く。

さすがのナショジオ、簡単には近づくことが出来ない廃墟と化した世界102の島々の特徴的な写真と、そうなった背景などを簡単に説明してくれる。

場所によっては行きたくもなるが、もちろん多くは簡単ではない。
日本では臥蛇島、端島(軍艦島)、大久野島が掲載されている。大久野島は観光地化されているようなので、上陸してみるか。

2023/12/18

かつては､人がいたことのある島｡ 風の音､水の響き､そして鳥の鳴き声･･･ここにあるのはそれだけ､誰もいない､究極の孤独･･･過酷な自然環境､火山の噴火､真水の欠乏､戦争や侵略､過疎化から無人の島へ､廃墟のなかの廃墟･･･ｲ-ｽﾄﾘﾊﾞ-に浮かぶ荒廃屋敷(NY)､沿岸に聳えるﾅﾎﾟﾚｵﾝ時代の要塞(ﾌﾗﾝｽ)､離れ小島の廃村(ｽｺｯﾄﾗﾝﾄﾞ)､流刑地(ｸﾛｱﾁｱ)､軍艦島(日本)､連邦刑務所(ｱﾙｶﾄﾗｽﾞ)､水爆実験水域(ﾋﾞｷﾆ環礁)など､世界102の荒廃した島々を巡る孤独の写真集｡

2023/09/04

副題に「美しく孤独な場所」とあるが、無人島となった島々を見ているとまさにそうだなあと感じる。かつては少ないながらも人々の営みがあった。人が去るのは、どうしても食料確保がままならなくなった、それは気候のせいであったり、また時代が進み都市化した町の情報が来てやっぱり町に行こう、となったり、あるいは戦争だったり理由は様々だ。

最初から木々などの自然物だけでなく、家などの造形物の遺構がある、という写真に何故惹かれるのか？

目を引くのがクロアチアの「バルジェナツ島」
上空写真では島一面の石垣。島民は農業をしブドウとイチジクとオリーブの木を石垣で仕切り風よけとした。

行ってみたいのがエーゲ海「デロス島」
これも上空写真。紀元前900-100までは巡礼地。8世紀に放棄された。

表紙はスコットランド「ストーカー城」
15世紀に建てられたストーカー城は、スコットランドで最も保安状態のいい城砦の一つで、コメディ映画「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」（1975）に「アアアの城」として登場した。この城砦はクリック椀のタイダル・アイランドにあり、干潮時には本土から歩いて行ける。本文のページでは手前に２本の鉄路がみえる。グーグルマップでみると鉄路にはコンクリが見え、干潮時に島に渡れるよう、もしくはボート用の桟橋かもしれない。

日本からは「軍艦島」、
「臥蛇島（がじゃまじま）」琉球諸島北部：真上からの写真ではほぼ平地無。でも1960年代には中学校も水処理設備もあったが、一連の破壊的な台風とカツオ漁業の衰退で島民は飢饉に近い状態となりほとんどが島を出て行った。1970年7月28日、最後の16人も移住した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%A5%E8%9B%87%E5%B3%B6

「大久野島」広島県：ウサギ島と言われるがこれは第二次世界大戦後に国民休暇村として整備された時に放たれたウサギの子の子孫。1927から45年まで秘密の化学兵器工場がありマスタードガスや催涙ガスを製造していた。ウサギと建物遺構が載っている。工場なのか休暇村なのか。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%B9%85%E9%87%8E%E5%B3%B6

2022.6.20第１刷第１版　図書館

2023/08/21

島は閉鎖空間。
そこで暮らし続けることが大変だったり、収容所や感染施設等、周囲と隔離させる目的だったりと、中々、島のみで生活を続けることが難しいため、孤独さが伝わってきました。

資源がなければ外に頼らねばならないし、外からの補給が断たれたら終わりです。

観測のためや灯台守など目的がないと存続させるのも大変なんでしょう。

訪れる機会はないので写真集で拝見できてよかったです。せめて国内は訪れてみたいと思います。

2023/05/09

世界中の廃墟のある島、つまりかつて人が住んでいたが、今は無人になっている島の写真集。島の過酷な暮らしに耐えられず人が去って行った島もあれば、強制的に移住させられた島もあり、歴史を感じさせます。あと、当たり前だけど島って海だけじゃなくて湖にもあるんだなーとあらためて思いました。

2023/03/02

世界中の無人島の写真集　精神病院、軍の施設、礼拝堂、城など、以前は、住民が住んでいたが無人になったものばかり。

2023/01/07

無人島でなく廃墟島である故、朽ちた建物かメインかと思うと、そうでも無い。
廃墟と島に興味がある者としては、物足りないどっちつかずだった。

2022/12/20

世界に点在する廃墟島から102ｶ所を紹介する、写真集。
南北アメリカ･･･デボン島、ノース・ブラザー島、悪魔島など。
ヨーロッパ･･･ストーカー島、セント・ギルダ諸島など。
中東とアフリカ･･･ティグレス島、セントラル島など。
アジアと太平洋･･･大久野島、ビキニ環礁、テテパレ島など。
巻末資料 世界廃墟島マップ、図版クレジット。
説明は簡素で、メインはカラー写真。
日本は臥蛇島、端島(軍艦島)、大久野島が紹介されている。

かつては多くの住民がいた島がある。
個人や一族の所有の島もある。
移住するのを試みた島もある。
軍事拠点や砦、灯台守だけの島。
刑務所や流刑地、医療施設など、隔離するための島。
修道院や奴隷商の拠点、採掘場など。
何故、廃墟島になったのか？
厳しい気候、過酷な自然の驚異。戦争、侵略。伝染病。
資源の減少、枯渇。辺鄙な場所、過疎など、原因は様々。
人の手で築かれたモノは忘却の時の流れのなかで、廃墟と化す。
野生動物保護の場所となり生物たちの賑わいに湧く場所もあるが、
多くの廃墟、孤独な場所に漂うのは、美しく儚い静寂感ばかり。

2022/12/06

島には島独特の
廃墟になる理由があり
軍事目的や　資源の枯渇
気候の変化　負の遺産など
その背景を考えるのが醍醐味です

さすがに　ナショジオですので
写真は素晴らしく
巻末の地図と首っ引きで
廃墟となった島に思いをはせました

2022/09/08

廃墟にはロマンがある。島に暮らすのも楽しそうだが、食べ物水が無いと、病気や餓死したり、栄誉失調になってしまう。