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アンソロジー・プロレタリア文学(5) の商品レビュー

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2022/09/12

「驚異」をテーマに編まれたプロレタリア文学のアンソロジー。 収録作は小説に限らず、プロレタリア川柳や、添田唖蝉坊による演歌や労働者たちによる替え歌まで幅広い。収録されている「便所闘争」などは全日本無産者芸術団体協議会による機関誌「ナップ」の読者投稿欄に掲載された読者が実際にみた便...

「驚異」をテーマに編まれたプロレタリア文学のアンソロジー。 収録作は小説に限らず、プロレタリア川柳や、添田唖蝉坊による演歌や労働者たちによる替え歌まで幅広い。収録されている「便所闘争」などは全日本無産者芸術団体協議会による機関誌「ナップ」の読者投稿欄に掲載された読者が実際にみた便所の落書きの報告である。 また、小林多喜二の「誰かに宛てた記録」や「手紙」などは偶然手にいれた市井の子供の手記・手紙という体をとったファウンド・フッテージ物、フェイク/ドキュメンタリーで、特に「誰かに宛てた記録」などは継母に虐待されている少女の書いた手記という体で、誤字脱字だらけの上に冒頭と結末部分は紛失しているという設定のため、文の途中から始まり文の途中で終わってしまうというアヴァンギャルドさである。

Posted byブクログ