金融DX、銀行は生き残れるのか の商品レビュー
タイトルと内容が随分と乖離しており読み進めるうちにがっかりした。金融DXとして著者の分析や新しい角度で切り取られていることはなく、既出の資料・記事のキュレーションに近い。 例えば、pring, J-Coin Payは加盟金融機関の比較に留まっており実質的な説明はほとんど加えられて...
タイトルと内容が随分と乖離しており読み進めるうちにがっかりした。金融DXとして著者の分析や新しい角度で切り取られていることはなく、既出の資料・記事のキュレーションに近い。 例えば、pring, J-Coin Payは加盟金融機関の比較に留まっており実質的な説明はほとんど加えられていない。 GAFAの金融業への参入章も何ら新鮮味のある情報がなくページを割く意味が良く分からなかった。 銀行の生き残り策とされている対策が最後章で触れらる。「本質的に示す」とされているがこれはもはや金融DXとは何の関係もないと思え、読後感の悪さだけが残った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
銀行の一部機能が銀行以外に移る、銀行を通さない決済サービスが広がる、一般の企業が銀行機能を保有する。 スマホ決済、JALNEOBANK、 1989年で都市銀行は13校、2021年では3メガバンクとりそな、埼玉りそな。 みずほのJcoinpay、LINEBANK、 三菱UFJは、NTTドコモとの提携、Ðポイントが付くデジタル口座。Baasでのサービス提供で、銀行は黒子になる。マネーフォワードとのオンラインファクタリング業務。 ふくおかフィナンシャルグループのみんなの銀行。北國銀行の金融DX SBIホールディングスの第4のメガバンク構想 銀行はBPRはいずれも低く、1以下。0.1のところもある。 信用金庫、信用組合は非営利団体。地域の出資で成り立っている。 飛騨信用組合のさるぼぼコイン。地域通貨の成功事例。加盟店のコスト負担をなくす。転々流通性の付与。 木更津市のアクアコイン。 地域通貨ブーム。持続的に維持費をまかなうためには、中小規模の焦点との連携を深めるという経営の意思が必要。 マネーフォワードとフリー。マネーフォワードKESSAIは与信システムでクレジットカードと同じ手数料。オンラインファクタリングサービスで、債権を買い取る。 Freeは、九慮計算等の人事労務管理がもう一つの柱。フリーカードアンリミテッドで金融サービスに乗り出した。 両者とも赤字。成長期待が高い。 個人向けには、マネーフォワードMEとzaimとmoneytree。 ロボアドバイザー=分散型投資へのアドバイスとリバランス機能。定期的にリバランスしたほうがリスクが下がる。 THEO、楽ラップ、wealthnavi。ETF特化型投資一任運用サービス。 SBIソーシャルレンディングは廃業。借り手の信用リスクとガバナンスリスク、倒産リスクがある。成功しにくい。Funds=新しいソーシャルレンディングの挑戦。借り手を大手に準ずる企業に絞る。 みんなの銀行。お友達紹介システムで口座数が延びた。 東京都民銀行、八千代銀行、新銀行東京が合併して綺羅星銀行が誕生した。 QRコード決済は、デビットカードを抜いて電子マネーに迫る勢い。 ヤフーとラインが経営統合=paypayとLinepayが同一資本になる。ORIGAMIpayは、1円でメルペイに売却された。 GoogleがPRINGを買収。 銀行業の特質は、安定的な経営基盤が必要なこと。 銀行の土管化=水面下のプラットフォームを担う企業になって収益を確保する。
Posted by
DXの個別施策の説明が主で、結局デジタルによってトランスフォーメーションした先に何があるのか(どういう事業、組織、目標)については不十分な感じ。 デジタルの活用によって、より小口取引に対応できたりスピードを上げたりできて、ターゲットは広がる。一方でコスト削減も期待できる。これは銀...
DXの個別施策の説明が主で、結局デジタルによってトランスフォーメーションした先に何があるのか(どういう事業、組織、目標)については不十分な感じ。 デジタルの活用によって、より小口取引に対応できたりスピードを上げたりできて、ターゲットは広がる。一方でコスト削減も期待できる。これは銀行でなくても言える、一般的なデジタルの恩恵。 一方で、銀行特有の施策としては以下: - 顧客データベースのmarketing利用(マッチング) - コンサル・会計・CRM等をまとめて提供するプラットフォーム化 - BasS というところと理解したが、どうだろう。行き着くところは皆同じようなので、顧客を囲い込んだ方が有利になるのだろう。業界大手と組む三菱と、自前でやる三井住友に、銀行業以外ではフィンテックスタートアップが競合する形になるのか。(読んだ感じだとみずほや地銀は厳しそうだが)
Posted by
元MUFGの行員の方による銀行、金融DXの概説書。関連がないとはいえないとはいえ、冒頭のみずほの障害の章は長過ぎるし、他の章はやや表面的な紹介に止まっている。ざっと金融・銀行DXの概観をつかむという意味では良いけれど、元銀行員という経歴のわりに考察が深まっていない印象。 最後の8...
元MUFGの行員の方による銀行、金融DXの概説書。関連がないとはいえないとはいえ、冒頭のみずほの障害の章は長過ぎるし、他の章はやや表面的な紹介に止まっている。ざっと金融・銀行DXの概観をつかむという意味では良いけれど、元銀行員という経歴のわりに考察が深まっていない印象。 最後の8章は銀行の今後が論じられていて、銀行が採るべき方策が5点提案されているのが白眉。ただ個人的にはさらに深掘りして、特に地銀の将来について論じて欲しかったとは思う。銀行が生き残るための施策とは、単に営業店を減らしたバックアップとしてのアプリ・DXだけではないと思うからだ。高齢化する/した地方で地銀が生き残るために必要な施策はいまのみんなの銀行のような東京や大都市福岡を意識した取り組みだけではないと思っていて、それは広義ではコンサルとアプリなのかもしれないけれど、もっと地方独特のものがあるのではないかと思う。ただそれが何かはわからないけれど、、、、。
Posted by
著者より直接頂いた。わたしの家で本を置く場所がないことを承知の上だが、新書版でコンパクトだし、ここ2年くらいの、金融システムの目まぐるしい動きがよく整理されている。何より先ごろまで同僚であった遠藤さんの思いがよく伝わってくる。そこで、うちに置くことにして受け取った。ありがとう。
Posted by
- 1