有賀リエ連作集 工場夜景 の商品レビュー
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加害者家族と、被害者家族の恋愛漫画 この作者さん、難題抱えている男女を登場人物にしてるの多いんだな どの漫画も全部登場人物に仄暗さがあって少女漫画特有のキラキラさが無くて新しい気持ちで読める
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親同士がそれぞれ犯罪加害者と被害者にあたってしまった、恋人ふたりの物語。いっけんロミオとジュリエット的なロマンティックな構図だけど、現実的な問題をかさねてみるとロマンスにほどとおい、きわめてシビアなドラマになる。 著者は安易に感動ポルノ的なメロドラマにせず、淡々と物語を進め、そ...
親同士がそれぞれ犯罪加害者と被害者にあたってしまった、恋人ふたりの物語。いっけんロミオとジュリエット的なロマンティックな構図だけど、現実的な問題をかさねてみるとロマンスにほどとおい、きわめてシビアなドラマになる。 著者は安易に感動ポルノ的なメロドラマにせず、淡々と物語を進め、その中でプライバシーや二次加害についてどう対処すべきなのかを穏やかに問題提起してゆく。主人公の二人の純愛は、本作ではその問題が発生する以前から存在しており、ふりかかる困難を覆すための根源的な動機として設定されている。 親世代のスティグマが子どもの世代にのしかかってくるという構図は、たとえば宗教二世やヤングケアラー、貧困家庭、もっといえば国籍や人種問題にもつながってくる。その意味で、このドラマは犯罪者・被害者家族に限らず、もう少し普遍的な問題につながってゆくようにも読めるだろう。
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加害者の妻が事件発覚直前に自分の娘へ「10時までに帰ってくんのよ」「帰りは一緒に行く子に必ず送ってもらって!」「一人で歩いちゃだめだからね」と釘刺しているのに事件発覚後は「向こうの女の人なんでもっと穏便に済ませてくれなかったの…!?いい大人じゃないの… !」ってこぼしてしまう。 すぐに自分で否定するけど、読んでる方はとても腹が立った。それだけ人間の弱さが描かれていた。 人の弱さが、描かれて居るという視点で読み直して見るとこの話はいたる所に弱さが描かれている。 謝る事しか出来ない碧。少年時代最後に碧に会いに行けなかった貴臣、貴臣のまっすぐさを誇ってやれない被害者。甥に割り切るしか無いと言うしか無い叔父。余計な写真をあげる新入社員。碧にちょっかいだす校舎裏の彼。今も昔も噂話に花を咲かせる同級生達。 そのどれもか仕方ない。悲しくさせようとした人など加害者以外は居ないのに悲しい形にはめ込まれて行く主人公の2人が、美しくなろうとしたわけでは無いのに美しくなった工場夜景前で抱き合う2人。 これからの2人が自然なまま美しくあってほしいと願っている。
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勝手にこの後が気になってしまうけど…輝かしい未来はないよね… ひとつあるとしたら籍は入れず周りにも教えず暮らしていくこと。かなぁ。 二人は何も悪くないけれどお母さんが被害者な以上結婚の挨拶も出来ないわけだし。 被害者家族、加害者家族が二次被害に合わないように当事者以外も余計なことを言わないように注意しなきゃなと思いました。
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【事件の加害者側と被害者側、それぞれの家族がさらされる苦しみはとてつもなく重いもの】というのがよくわかるマンガ。 人が会って話される噂話だけに留まらずSNSまでそれが流れていくのは何でなんだろうというのは、永遠の謎だな。
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