ウクライナの夜 の商品レビュー
ウクライナの人々は己のアイデンティティではなく価値観を問い直し、民主主義の実現を目指して結束している 【マイダン革命の理由】 ヤヌコーヴィチ体制の蛮行、腐敗、ギャング支配への抗議→独裁者法が可決され、言論集会の自由なし。このまままでは無事に生活していけるか分からず一気に反体制へ...
ウクライナの人々は己のアイデンティティではなく価値観を問い直し、民主主義の実現を目指して結束している 【マイダン革命の理由】 ヤヌコーヴィチ体制の蛮行、腐敗、ギャング支配への抗議→独裁者法が可決され、言論集会の自由なし。このまままでは無事に生活していけるか分からず一気に反体制へ。 【親ロシア側の主張】 マイダン革命の支持者はファシスト、反ユダヤ主義者。バンデリフツィ(民族主義 右派)と主張。 →ユダヤ人はどちらの陣営にもいる。ウクライナ派ユダヤ人(ジドバンデラ)はウクライナ民族主義者の旗の色とベースにウクライナの国章、ユダヤ教の燭台(メノラー)を組み合わせた旗を掲げている。 また民族主義者がいるのは事実、しかしデモ参加者によって民族主義者への見方は異なる、スヴォボダ党と右派セクターは義勇兵大隊を組織、防衛に貢献している。既存の軍隊への不信感から加入している者もいる。 また極右がウクライナ政治を席巻してる訳でもなく、2019年大統領選挙で極右の大統領候補の得票率は1.6%程度、議会選挙も1議席程度しかない。 【ウクライナ東部住民】 東部の住民、政治的無関心またら自分では考えずロシアの主張を鵜呑みにしている。未来を考えてない。 分離主義者はロシア正教会、帝政ロシアの伝統の為に戦っている?ウクライナ東部のロシア語地域からウクライナ志願兵大隊も結成されている。 【ウクライナとユダヤ人・ポーランド人との関係】 WW2の時はウクライナ民族主義者がナチスの手先としてユダヤ人、ポーランド人を殺したが、ロシア侵攻で関係が改善した。 ポーランドはロシア、ナチス占領下の苦難の時代を経験し、反乱を起こしても西欧が頼りにならないと知っているので進んでウクライナ支援に動く。 マイダン革命と時、西欧は極右の革命と認識、積極的には支持せず。ポーランドは前から認識してたがウクライナも学んだ。
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2013年のマイダン革命について書かれた本である。EUの加盟に反対した大統領への反対デモを警察や軍隊が抑え込み、ロシアもそれに乗じているという状況で、若者がどのように行動したかを描いたものである。学生の中には反ユダヤ主義のものがいたりする、ということが日本には伝わっていないのかも...
2013年のマイダン革命について書かれた本である。EUの加盟に反対した大統領への反対デモを警察や軍隊が抑え込み、ロシアもそれに乗じているという状況で、若者がどのように行動したかを描いたものである。学生の中には反ユダヤ主義のものがいたりする、ということが日本には伝わっていないのかもしれない。
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マイダン革命をその日その場にいた人々の目を通して描く。「尊厳の革命」と呼ばれるその出来事を37名のインタビューと書簡によって構成しているという。マイダン革命はウクライナの人々にとって魂を変えるほどに大きな経験であり、それはロシアにとって大変な脅威になったことが察せられる。世界は権...
マイダン革命をその日その場にいた人々の目を通して描く。「尊厳の革命」と呼ばれるその出来事を37名のインタビューと書簡によって構成しているという。マイダン革命はウクライナの人々にとって魂を変えるほどに大きな経験であり、それはロシアにとって大変な脅威になったことが察せられる。世界は権威主義にどう向き合い行動するのかが問われている。
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図書館で見かけて借りて読んだ。 ソ連崩壊後のウクライナの革命と侵攻のインタビューによる現代史。 2017年に書かれた本で翻訳本としては今年の6月に発行されている。 今もロシアに侵攻されているウクライナ。 悲惨なウクライナに言葉も出ない。 早く戦争が終わることを祈ります。
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ロシア連邦のウクライナ侵略の実態をウクライナの人々のインタビューを通して描いた書籍。ロシア連邦は民主的なマイダン革命を武装テロのように印象操作し、クリミアを侵略して自国領土にした。さらに武装勢力を育成してドンバス紛争を引き起こした。 本書には「ロシアの主張するノヴァロシア地図」...
ロシア連邦のウクライナ侵略の実態をウクライナの人々のインタビューを通して描いた書籍。ロシア連邦は民主的なマイダン革命を武装テロのように印象操作し、クリミアを侵略して自国領土にした。さらに武装勢力を育成してドンバス紛争を引き起こした。 本書には「ロシアの主張するノヴァロシア地図」が掲載されている。ウクライナの南西部一帯をノヴァロシア連邦として独立させ、クリミアと同じく併合することがロシアの野望である。ロシア系住民が自治を求めているという話ではなく、ロシアの侵略である。ウクライナ人を追い出すかロシア化することでウクライナから切り離そうとしている。「ウクライナ東部での衝突が発生して以降、親ロシア派側は、旗やブランド名など、ウクライナやウクライナ語を象徴するあらゆるものを消し去ろうと努めている」(「親露派「首都」ドネツク、最後のウクライナ語カフェが閉店」AFP 2015年12月18日)。 ロシア連邦のウクライナ侵攻はソビエト連邦が崩壊したのに未だに連邦意識をプーチン大統領が有していることが元凶である。連邦意識がウクライナを独立した主権国家として尊重することを妨げている。ノヴァロシアでもノヴァロシア連邦と連邦が出てくる。つくづく連邦という概念が有害である。 2022年のウクライナ侵略で国際社会はロシア連邦を非難するようになった。しかし、ロシア連邦のウクライナ侵略は2014年のクリミア併合やドンバス紛争から行われており、その延長線上に過ぎない。2022年にプーチン大統領が異常になったと見ることは誤りである。それ以前から侵略は行われていた。連邦意識を振りかざした侵略はウクライナ以外でも行われていた。2008年にジョージアに対して南オセチア紛争を起こした。 ロシア連邦の非道を2022年のウクライナ侵略で認識したということは認識不足であり、これまで国際社会はロシア連邦に対して不公正に甘過ぎたと言える。ウクライナのゼレンスキー大統領はロシア連邦をテロ国家と指摘した。日々自国民が虐殺されていることを踏まえれば当然である。 ロシア連邦の2022年のウクライナ侵略以前の国際社会は中国脅威論が喧伝されていた。中には中国と対抗するためにロシアとの関係強化を模索しようという見解があった。自由や人権、民主主義という価値観では中国よりもロシアがましという勝手な先入観があった。しかし、それは改めた方が良いだろう。 ロシア連邦政府は日本の商社が権益を持つ石油・天然ガス開発事業「サハリン2」を接収する方針を出した。日本にはソビエト連邦によるシベリア抑留という過去がある。ウクライナ戦争でもロシア連邦が占領下のウクライナ人をシベリアなどに拉致している。ロシア連邦はソビエト連邦の悪行を踏襲している。 ロシア連邦は相手の自由や人権を尊重せず、奪うだけという半グレ・ヤンキーと変わらない論理で動いている。ビジネス面では中国の方が話は通じる。冷戦時代も西側は中国と連携してソビエト連邦を孤立させていた。国際社会の戦略を考えるならば冷戦時代と同じになるだろう。
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「ウクライナの夜」という題名に惹かれて入手し、少し夢中になって頁を繰って読了に至ったが、非常に善かったと思っている。 「“今”こそ読むべき!」という、時宜に適った一冊というのは在る。その種の一冊は、時には「何年か経ると然程…」ということになる場合も在ろう。しかし、本書は断じてそう...
「ウクライナの夜」という題名に惹かれて入手し、少し夢中になって頁を繰って読了に至ったが、非常に善かったと思っている。 「“今”こそ読むべき!」という、時宜に適った一冊というのは在る。その種の一冊は、時には「何年か経ると然程…」ということになる場合も在ろう。しかし、本書は断じてそういうことにはならないであろう。登場したばかりの本書だが、これから一定以上の時日を経たとしても、或る種の“史料”というような価値を発揮するかもしれないと思いながら読み進めた。 本書の著者は、幾つもの言葉を操る中東欧の歴史や文化を研究している方で、米国の大学が本拠地なのだが、オーストリアのウィーンに身を置いて活動することも多いのだという。その著者が出くわしたのが、ウクライナでの<マイダン革命>であった。 著者はこの<マイダン革命>を巡る動きに関連して、ウクライナ現地を何度も訪ねて「言葉」を拾い集めている。以前からの友人や知人、訪ねた先で言葉を交わした人達、学識者や詩人のような文化人から市井の若者に至るまで、直接に聴いた言葉や著者が受け取った書簡やメッセージの内容を丹念に拾い集め、そしてそれらに基づきながら綴っている。 全体の内容は2部構成となっている。第1部は当時の大統領が追われてしまった「革命」だ。加えて、それが段落した後の何か不穏な空気感のようなモノに関する言及が在る。第2部は、東部ウクライナでの「戦争」というような状況の発生と人々の様子である。 「言葉」を拾い集めるということを基礎にしているので、推移する事態や吐露される人々の想い、考え方というような事柄が「臨場感」を持って迫って来る。仮令、それが著者の受け取ったメッセージに依拠する「伝聞と推定し得る」内容であっても「臨場感」が凄い。例えば…第2部に何やら酷い暴力に晒されてしまう人の話しが在るのだが、久々に「本気で怖い…」と思いながら読んだ。 「ウクライナ」というのは、多様な文化的要素を有する地域や人々が離合集散して、とりあえず1991年の「ソ連後」の版図で独立国として歩み始めたような面が在る。本書では、そういう国で色々な人達と、幾つもの言葉を駆使しながら言葉を交わしているような雰囲気も強く伝わった。 2022年に入って「軍事侵攻」という事態が先鋭化している訳だが、実は2014年頃から色々と続いている事態の帰結である。そうした意味で「時宜に適った一冊」となっていると思う。 読後に個人的に考えたことでもある。 「ウクライナ」は1991年の「ソ連後」の版図で、初めて本格的に独立国として歩み始めたような面が在ると思う。或いは「ソ連後」の始末が、些か粗雑であったのかもしれない。 そういう中、多様な文化的要素を有する地域や人々がとりあえず「ウクライナ」という自己同一性を各々に、徐々に高めながら過ごした年月が在ったのだと見受けられる。ロシア語話者、ウクライナ語話者、その他の言語の話者を問わず、とりあえずは「ウクライナに住む者」という意識が底流になって来ていたかもしれない。何か、そういうのが「無駄に掻き回された…」というように視えなくもない。 2000年代に入って<オレンジ革命>というのも在ったが、それでも何か飛躍出来ず、<マイダン革命>という動きが起こった。<マイダン革命>そのものは、独裁的傾向を帯びた大統領を追う民主化運動だったのかもしれない。が、様々な不穏な要素が蠢き、先鋭化し、「少し前までの“普通”」に「何やらケチが?」ということでギクシャクとしてしまっていたのかもしれない。それが「軍事侵攻」という事態の“前夜”であったというような気がしている。 そういうようなことを読後に考えていたが、そういう考えも沸くような臨場感溢れる本書は、一定以上の時日を経たとしても、或る種の“史料”というような価値を持って来ると思う。 本書には用語等の解説や註が巻末に在る他、随所に引いている詩や台詞等の出店が参照出来る情報等も適宜在って好い。 なかなかに好い本に出くわした。広く御薦めしたい。
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