猫は髭から眠るもの の商品レビュー
(2023/12/18読了) 図書館の短歌の書架を見ていて、隣の俳句の書架に見つけた本。猫に特化したということで、大の猫好きなので借りてみることにした。 短歌より少ない文字数で表現する。詠んで思い描く。猫が主人公の句も、猫が景色となってる句も。 途中で、猫と書かずに猫を表現してる...
(2023/12/18読了) 図書館の短歌の書架を見ていて、隣の俳句の書架に見つけた本。猫に特化したということで、大の猫好きなので借りてみることにした。 短歌より少ない文字数で表現する。詠んで思い描く。猫が主人公の句も、猫が景色となってる句も。 途中で、猫と書かずに猫を表現してる句はあるのかな?(あったかな?)と思った時に、図らずしも審査員・角田光代さんが取り上げた句と出会う。(その句については特に何も) 読み慣れてきた最後の辺りの、心が動いた句を少し。 「満月を抱く形に猫看取る」 「春眠し猫は液体と思ふ」もうひとつ猫=液体の句「うららかや猫融点に達す昼」 「猫の字の苗の意味問う新学期」 審査員の言葉→"これもまた、何も気にせず書いている猫という字に、はっとしました。たしかに、なぜ苗? 気になって調べてしまいました。理由とされる説を読んで、猫という字が今までよりいっ そうしなやかにはかなく見えてきました。" 私も調べてみよう。
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タイトルに引用された句がよいね。 ゲスト審査員の角田光代選の一句だ。 去年今年猫は髭から眠るもの もふもふ 子猫、猫の恋、さらには竈猫と、猫は季語にもなっている。犬が「猟犬」くらいしかないのよりは、あるほうか? 近頃は、家の中で飼うのが当たり前となってきているので、その行動も、じっくり観察もしやすく、句も浮かぶというもの。 猫の可愛さを詠んだ句よりも、亡き猫や、亡き人と猫の想い出を詠んだ句に、じんわりくる。年取ったなあ。 亡き猫と遊びし部屋の障子貼り 小宮太郎 亡き母の衣服枕に猫眠る 大野貴子 他にも、「亡き夫の~」とか数句。 ちょいと「亡きxx」という発句が多いのが気になるが、猫との良き思い出に浸れ味わいがある。
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