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閉店時間 の商品レビュー

4.4

13件のお客様レビュー

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2025/01/02

1960年代かと思われるデパートで働く高卒4年目の「女の子」3人のお仕事小説。会話や男女交際の感覚などのレトロ感が面白い。今なら許されないような納品業者へのパワハラや「女のくせに」という感覚がまかり通る理不尽さも昭和的。職場の電話をデートの誘いなどの私用に使ったり、休憩時間を大幅...

1960年代かと思われるデパートで働く高卒4年目の「女の子」3人のお仕事小説。会話や男女交際の感覚などのレトロ感が面白い。今なら許されないような納品業者へのパワハラや「女のくせに」という感覚がまかり通る理不尽さも昭和的。職場の電話をデートの誘いなどの私用に使ったり、休憩時間を大幅に延長しても当然みたいで、働き方もゆるかったのかな。それぞれの働き方、恋愛の行方が気になって一気読み。

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2024/08/10

「お仕事小説」という言い方は面白いなとおもいますが、まさにそうな元祖お仕事小説。 元祖だからわたしなどの若い頃、ドンぴったりの場面が満載。 そう、当時は花形のデパートガール。事務職などは補助的な仕事と言われていましたが、モノを売る専門職でも、女性は腰掛に誘導されたのですねと、有吉...

「お仕事小説」という言い方は面白いなとおもいますが、まさにそうな元祖お仕事小説。 元祖だからわたしなどの若い頃、ドンぴったりの場面が満載。 そう、当時は花形のデパートガール。事務職などは補助的な仕事と言われていましたが、モノを売る専門職でも、女性は腰掛に誘導されたのですねと、有吉佐和子のスルドイ突き。当時の恋愛模様もわかります。

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2023/10/29

それなりに昔の小説かと思いますが、ちょいちょい翳がありつつも基本的にはノリの良いエンターテイメント小説。期待以上の面白さで、ちょっとした極上感もあり。 帯に嘘無し、ひとつも色褪せない、です。 当時の世相とか色々感じられるし、もっと言えば主人公たちとの言うべき3名の誰が幸せになるの...

それなりに昔の小説かと思いますが、ちょいちょい翳がありつつも基本的にはノリの良いエンターテイメント小説。期待以上の面白さで、ちょっとした極上感もあり。 帯に嘘無し、ひとつも色褪せない、です。 当時の世相とか色々感じられるし、もっと言えば主人公たちとの言うべき3名の誰が幸せになるのか、不幸になるのか、色々思わせぶりで、ほんと良質な作品です。

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2023/07/27

生まれた時代や性別、個人の性質それぞれの、強さと弱さの描き方!なんてバランス感覚 色々ある、解決なんてないし前途多難!なんだけども、、タイトルといい、明日が始まる予感を含んだ終わり方最高 「仕事を持つというのは、なんといいことだろうかと思う。目に見えるものを、強く見ようとする...

生まれた時代や性別、個人の性質それぞれの、強さと弱さの描き方!なんてバランス感覚 色々ある、解決なんてないし前途多難!なんだけども、、タイトルといい、明日が始まる予感を含んだ終わり方最高 「仕事を持つというのは、なんといいことだろうかと思う。目に見えるものを、強く見ようとする意欲が湧いてくるのだから」 ずっと大事にしたい!

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2023/03/20

呉服売り場の紀美子 地下総菜売り場の節子 エレベーターガールのサユリ 3人の女性の仕事と恋愛事情を描いた1冊 戦後高度成長時代のデパートって キラキラした場所だったのだろうなぁ 古い昭和の映画を見ている気分になりました。

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2023/02/19

有吉佐和子、やっぱり面白い。 読み手に対する忖度なく、率直でキリッ!としてた文章。好き。 60年前の作品。 花形の職場だったころのデパートを舞台に、高校の同級生3人が、仕事と恋愛で個性が確立してくる姿を描いている。 程度の差こそあれ、今も同じような感覚持ってる(場合がある)よう...

有吉佐和子、やっぱり面白い。 読み手に対する忖度なく、率直でキリッ!としてた文章。好き。 60年前の作品。 花形の職場だったころのデパートを舞台に、高校の同級生3人が、仕事と恋愛で個性が確立してくる姿を描いている。 程度の差こそあれ、今も同じような感覚持ってる(場合がある)ような。 東京タワー柄や、蝶々柄の着物、以前「美の巨人たち」で見たなーと思い出しながら読むのも楽しかった。

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2023/01/22

1963年の小説か〜デパートの景気凄かったんだろうな〜 デパート内の内線を使ってデートの約束を取る感じが、良いなって思った!キュンキュン 今はスマホ持って当たり前の時代だし、私用で内線を利用してデートの約束なんてしたら怒られちゃうだろうし。 ダメ男がちゃんとダメ男してて、昔か...

1963年の小説か〜デパートの景気凄かったんだろうな〜 デパート内の内線を使ってデートの約束を取る感じが、良いなって思った!キュンキュン 今はスマホ持って当たり前の時代だし、私用で内線を利用してデートの約束なんてしたら怒られちゃうだろうし。 ダメ男がちゃんとダメ男してて、昔からこういう人っているんだなぁと思った! デパートの中で流れる時間を年間通して感じられる小説でした! なんか新感覚! 面白かったー!

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2022/10/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

花形企業の東京デパートに働く紀美子、節子、サユリ。同じ高校の同級生仲良し3人だが、配属された呉服売場、食料品売り場、エレベーター係という職場の違いも影響し、三者三様の仕事と恋の悩みがあった。仕事と恋愛を通して成長していく女性の姿を描く傑作長編。圧巻の面白さの元祖・お仕事小説、初文庫! いやぁ、面白かった。昭和30年代の戦争が終わって日本が盛り上がってきた頃のお話。高卒で働く紀美子、節子、サユリの3人のお仕事と恋と人間関係。もう最高に面白くて、読む手が止まらなかった。 昭和30年代頃なんて、正直いつの話よってかんじだが、なんだか少しいい時代だったのかなと思った。百貨店には、今より早い閉店時間があって、みんな残業せずにそのまま帰宅。定休日は毎週月曜日。職場の保養所の海の家に職場の人たちと出かけてはしゃぐ。また、流行ってるからと職場の人たちとサイクリングにも出かける。なんだか昔の青春映画か何かを見てるようだった。こういうところから恋愛が始まって、結婚ということになるんだなと思った。 だけど、今と違って、地階のお惣菜部にいる中山主任は、本当に許せなかった。今で言うパワハラ上司。しかも、卸の人に難癖つけて怒鳴って、応援で来てる卸の女の子にもパワハラするって許せない。お前のところのコンプライアンスどうなってるんだってなるし、今なら大問題で東京デパートの信用問題に発展するのでは? 3人の恋模様も良かった。節子と竹井さんの最初のお食事デートは、もう本当に甘酸っぱくてにやにやしてしまった。アオハルだわーもう本当に2人がくっついて良かった。まぁ、竹井さんの家庭がかなり大変で、今では共働きなんて珍しくないけど、節子はもしかしたら結婚後も苦労するかもしれないが、2人なら乗り越えられそう。 紀美子の恋も最終的には、生方さんの親密度が上がり、ボランティアでやってる朗読の効果もあって仕事にいい方に向いてよかった。紀美子と生方さんは、もう仲良く喧嘩しててってかんじのカップルだな。 サユリは少し危なっかしいかんじが最初からしたな。まぁ、当時のエレベーターガールなんて女の子の夢の職業だったんだろうな。容姿にも自信があって、職場も容姿がいい子しかないし、みんな美意識が高い。男の子からも声が掛かることだって多いし。そこに魅力的な男の人が現れて、自分の名前を覚えてくれてて、好意も持たれてるんじゃ落ちるよねぇ。まだ22才ぐらいだし。サユリはどうなっていくんだろう。少し心配。 昭和30年代なんて遠い昔だけど、お仕事小説としては本当に面白かったし、恋模様や人間関係なども本当に良かった。さすが、有吉佐和子だなと思ったな。 2022.10.2 読了

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2022/08/05

新宿の架空の百貨店を舞台にした1962年の小説。同じ高校を卒業し、「東京デパート」に就職してちょうど四年が経過した仲の良い三人の女性を、四季の遷り変わりとともに描く。580ページ超で、全23パート。基本的にパートごとに、三人のなかからスポットを当てる女性がひとり選ばれる。三人の簡...

新宿の架空の百貨店を舞台にした1962年の小説。同じ高校を卒業し、「東京デパート」に就職してちょうど四年が経過した仲の良い三人の女性を、四季の遷り変わりとともに描く。580ページ超で、全23パート。基本的にパートごとに、三人のなかからスポットを当てる女性がひとり選ばれる。三人の簡単なプロフィールは以下のとおり。 松野紀美子 勤務場所:四階・呉服売り場 三人のなかでは平均的な性格だが、勝ち気なところもある。最近は仕事よりも、プライベートでの盲人向けの朗読テープの奉仕作業に熱が入っている。四月から呉服売り場に大卒として入社してきた、同い年の男性・生方のやる気を疎ましく感じている。上長である森川課長のお気に入り。三人のなかでも、真の主人公格にあたる。 藤田節子 勤務場所:地階・食料品売り場 地味で素朴なたちで、積極性には欠ける。小柄で、肥っていて、丸顔(ただし、肥っている点に関する描写は序盤のみで、後には美しいとされる箇所もあり、人物設定が途中で変わっている可能性もある)。デパートのなかではもっとも売り上げが少なく華がない反面、常に忙殺される職場である食料品売り場で無心に働きつづける日々を苦にしない。取引先の卸業者である竹井という男が気になっている。 牧サユリ:送迎部 かつてのデパートの花形であった、いわゆるエレベーターガール。身長を含めて容姿に恵まれ、サユリもそのことに自信をもっている。派手好きで仕事柄もあってか、化粧も濃い。容姿だけではなく考え方についても、節子とは生方に対する見立てが真逆になるように、対照的に描かれている、男たちからの誘いが途切れることがなく、デートも頻繁にこなす。本命の男性はいないのだが、彼女にアプローチする年上の男性を意識し始めている。 三人の若い女性たちの仕事(というか主に職場)と恋を描いた小説といえば単純だが、事実その通りのストーリーである。帯には「元祖・お仕事小説」とあるが、仕事の内容に熱意をもつ人物は三人のうちひとり、それも終盤以降であって、本作にお仕事小説を冠するのは少し無理があるように思える。全体に、仕事よりはどちらかといえば恋愛に重きが置かれていて、いまよりもさらに社会での女性の活躍の機会が与えられていなかった当時の状況を反映している部分も大きいだろう。実際、男女間の扱いの違いに女性たちが悔しさをにじませる場面は数多く、この点は今読んだ方が当時よりも目につくところかもしれない。 昭和という時代背景も描かれた、当時の右肩上がりの世相に加えて郷愁も感じることのできるような娯楽小説を気楽に楽しみたいという、読書前の期待は余さず叶えられた。全体にテンポが良く、とくに登場人物が出尽くして作風にも馴染んだ後半以降は勢いが出て、あっという間に読み終てしまった。名前が与えられているキャラクターは全体で10人前後しかいないため、登場人物を把握するための気構えは必要ない。 高校卒業時には大差のなかった三人が、同じデパートながらも異なる職場と恋人の影響も受けて、それぞれの心が違う方向へと離れていく様に、心地よい寂しさを与えられる。一種の青春小説でもあるだろう。涼しげで余裕を漂わせる三人を描いた装幀に引かれて手に取ったが、作中の彼女たちの魅力は、等身大の人物として描かれていることにあった。

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2022/07/25

昭和30年代の新宿のとあるデパート。高校同級生の女の子3人の成長と鯉を描く。デパートの裏事情も楽しい初文庫化作品。 有吉佐和子という作家の器用さ、パワーには驚かされる。源氏鶏太や獅子文六作品のような洒脱な小説も書いていたのだ。 老舗のデパート、相当に取材したことがうかがえる。...

昭和30年代の新宿のとあるデパート。高校同級生の女の子3人の成長と鯉を描く。デパートの裏事情も楽しい初文庫化作品。 有吉佐和子という作家の器用さ、パワーには驚かされる。源氏鶏太や獅子文六作品のような洒脱な小説も書いていたのだ。 老舗のデパート、相当に取材したことがうかがえる。関西弁や落語を由来した符牒も楽しい。 現代とは違う女性観、結婚観も興味深い。今ならパワハラ、セクハラに間違いなくなるだろう上司など。 当時の風俗を楽しめる洒脱な小説。

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