動物になる日 の商品レビュー
情報・資源過多な現代社会では受容し難い生死や感じ取りづらい環境の匂い、音を捉えることの美しさが記されている こういう生活に戻りたい気持ちが誰しもあるのでは。 疲れてる時すっと入ってきて読みやすい
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表題作『動物になる日』と短編集『うどん』の二部構成。 『うどん』がとっても好きだった。 うどん屋で働くきいちゃん。 読んでいる間ずっとお出汁の良い香りがしている気がした。 自分も接客業なので、とてもよく分かる。 お客さんが立てる音や動作のひとつひとつに無意識に気がつくし、出勤で...
表題作『動物になる日』と短編集『うどん』の二部構成。 『うどん』がとっても好きだった。 うどん屋で働くきいちゃん。 読んでいる間ずっとお出汁の良い香りがしている気がした。 自分も接客業なので、とてもよく分かる。 お客さんが立てる音や動作のひとつひとつに無意識に気がつくし、出勤ではない日に見るお店の周りはなんだか新鮮に見える。 前田さんが描く「働くこと」はとても美しく、それでいて本当になんでもない「日常」で。なんだか鼻の奥がツンとする感じがした。
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人間も、動物も、植物も。 みんな同じ、平等なイノチであること。 日常のふとした瞬間。何気ない所作。 作者の独自の視点から切り取られた世界に、グイグイと引き込まれた作品だった。
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主人公の私こと山下きぬこ…きぃちゃんは、通っていたピアノ教室で、小学生の時にお嬢様学校に通う同い年の女の子ユミちゃんと出会う。 主人公の感性は、小学生の頃も、中学生の頃も、かなり独特のものだ。 主人公はかなりユミちゃんに惹かれていたが、ユミちゃんも見た目は垢抜けないはずの主人公に...
主人公の私こと山下きぬこ…きぃちゃんは、通っていたピアノ教室で、小学生の時にお嬢様学校に通う同い年の女の子ユミちゃんと出会う。 主人公の感性は、小学生の頃も、中学生の頃も、かなり独特のものだ。 主人公はかなりユミちゃんに惹かれていたが、ユミちゃんも見た目は垢抜けないはずの主人公に興味を惹かれたのは、その感性による独特の雰囲気を主人公に感じ取ったからだろう。 中学生あたりになって、私は美術部に所属していて地味な方なのに、なぜかクラスのカースト上位の女子に興味を持たれ声をかけられるのは、垢抜けたユミちゃんに選んでもらったりもらったりした持ち物のせいだろうと自己分析する主人公。その持ち物をどこで手に入れたのかが気になるのだろうと。 でも私はそれだけではなく、やはりユミちゃんが主人公に惹かれたように、彼女の独特の雰囲気をクラスメイトも感じ取っていたからでもあるように思う。 それらが描かれた短編「動物になる日」は、主に主人公とユミちゃんの、少女のやりとりや感性が際立つ作品だったと思う。 続く「うどん」は、主人公きぃちゃんが大人になり、とあるうどん屋で働きながら、お客さんや店長、従業員の人たちと出会い、観察し、様々に感じたことについて思いを巡らせる短編集となっている。 うどん屋で働きながら起きるあれこれや、あれこれに対して巡らせるきぃちゃんの感想にほぅ…と思える、なんと言えばいいか、穏やかというか文体のみずみずしさ、しとやかさも相まって、主人公が単純に様々な人に出会って終わりに留まらない、いい読後感がある。 何よりうどんや食べ物の描写がとてもいい。すごくおいしそう。 読んでたらお腹がすきます。
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最近文豪の作品ばかり読んでおり、久しぶりに軽め?の一冊でスラスラと3時間続けて読み終えました。小学校5年生のきいちゃんの第一人称で語っており、ピアノ教室で知り合ったユミちゃんとの話。2章はきいちゃんが大きくなって、うどん屋でバイトしていた時の、常連客や、出来事を記録する話。動物...
最近文豪の作品ばかり読んでおり、久しぶりに軽め?の一冊でスラスラと3時間続けて読み終えました。小学校5年生のきいちゃんの第一人称で語っており、ピアノ教室で知り合ったユミちゃんとの話。2章はきいちゃんが大きくなって、うどん屋でバイトしていた時の、常連客や、出来事を記録する話。動物になる日はシンプルな文面だけど、どこか尋常じゃない張り詰めた関係性。「うどん」は大人になったきいちゃんは、常連客の垣間の記録。 クラスの中に、一人や二人、きいちゃんみたいな子がいて、ちょっと不思議で、どこか近寄りがたい感じな子。こんな感じで述べられると、少しわかったような.。
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世の中のこと、 生まれてからまっさらなままの心で デフォルトの状態で 感じる世界について書かれた小説 特に恋愛、子供、仕事について 世の中、社会が刷り込んでくるようなありきたりな視点ではなく、筆者の視点で語られた世界が魅力的に感じた この本をお守りにして過ごします
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