ル・クレジオ、文学と書物への愛を語る の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
実に心が広いというか、博愛主義的な読書を行う作家であることが如実に現れている。中国での講演ということもありいかに自分が西洋中心主義を脱して東洋(中国や日本など)の文学に親しんだか、そしてそこからどのようにして多くを学んだかがきわめてわかりやすい言葉で語られる。それはしかし(言わずもがなだが)、ありがちな「オリエンタリズム」に淫したものではない。そこがこの著者のバランス感覚の冴えを示しており、わかりにくく難解ともされる彼の作品世界に内包されるたしかな広がりや深みを読み解き、堪能するための一助になるのではとも
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