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詳解 公用文の書き方 改訂版 の商品レビュー

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2024/07/16

礒崎著『分かりやすい公用文の書き方』を参照してきたけど、1冊の参考書に頼るのも危険かと思い、比較のために購入した。全体的な評価としては、『分かりやすい公用文の書き方』の方が信頼できる記述だと感じた。 【付箋を貼った箇所の要約と補足又は疑義】 項目番号にはドットを付けて「1.」...

礒崎著『分かりやすい公用文の書き方』を参照してきたけど、1冊の参考書に頼るのも危険かと思い、比較のために購入した。全体的な評価としては、『分かりやすい公用文の書き方』の方が信頼できる記述だと感じた。 【付箋を貼った箇所の要約と補足又は疑義】 項目番号にはドットを付けて「1.」とはせずに、1字分空けて「1 」とする。p.20 「減額又は免除する」とはせずに、「減額し、又は免除する」あるいは「減額又は免除をする」とする。pp.68-69 ※ 補足:熟語+「する」は1語とカウントするのであり、熟語と「する」は分けられないということ。 在る(存在する)・有る(所有する)は、どちらの意味であろうとも仮名で書くのが原則 p.94 ※補足:『分かりやすい公用文の書き方』では、「「権利が有る」「東京に在る」「人家が無い」のような表現は漢字で書くが、「問題がある」「欠点がない」のような抽象的なものの有無の表現では平仮名で書く」とされているが、本書の記述の方がシンプルでわかりやすい。どのような場合に漢字で書くか、を考える実益はないように感じる。 出来(しゅったい)の「出来る」は漢字、能力の「できる」は平仮名 p.95 ※疑義:「公用文作成の考え方」では、「動詞のうち仮名で書くもの」の例として「できる」を挙げている。「「出来が良い」などは漢字で書く」というただし書はあるが、動詞の「できる」について、漢字で書く場合があるとはされていない。『分かりやすい公用文の書き方』では「「できる」は、意味にかかわらず常に平仮名で書く。」とされている。恐らく本書の記述は誤りである。 「とともに」はどのような場合でも仮名で書く p.103 ※疑義: 「公用文作成の考え方」では、「「彼と共に……」などは漢字で書く」とある。『分かりやすい公用文の書き方』では「名詞に付く場合でも、それが人のときは、漢字で書くべきであろう。」としている。恐らく本書の記述は誤りである。 「同士」は接尾語として用いる場合は、仮名で「どうし」と書く p.120 ※疑義:根拠がよくわからない。e-Govで検索したところ、省令等で「〇〇同士」の表記が複数見つかるが、「〇〇どうし」の例は見つからない。 「調える」は、必要なものをそろえる、用意する、物事をうまくまとめる意で用いる p.121 文頭に置く副詞(例えば、など)の次に読点を付ける p.172 ※疑義:『分かりやすい公用文の書き方』では、「 「仮に」「もし」「例えば」「特に」は、副詞であって接続詞ではないので、後に「、」を打たない。ただし、これらの副詞と修飾される語句の間に他の句や節がある場合を除く」とされている。「公用文作成の考え方」の中の書きぶりを見ると、実際にそうなっている(「例えばA」の場合は読点なし、「例えば、(連体修飾節)A」の場合は読点ありとなっている。本書の記述は誤りではないか。 【その他の疑義】 「後ろ暗い」p.146 は常用外の音訓。この種の書籍で採用すべき表記ではない。 「接頭語」「接尾語」p.91 はそれぞれ「接頭辞」「接尾辞」とすべき。接頭「語」、接尾「語」が「造語要素」では語義矛盾である。 「婦人」→「女性」の書換え p.111 漢字の成り立ちよりも、「婦人」(=成人女性)に対応する男性側の表現がないことがより直接の理由ではないか。 「形容詞句」「副詞」→それぞれ「連体修飾節」「連用修飾」とすべきではないか。

Posted byブクログ