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海王の娘 の商品レビュー

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2022/06/11
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自殺をすることでしか自国を守れなかった王女エヴァンゼリン改めフランシスと、多くの人を惹きつけ王としての実力も十分なラザラスの不器用な恋物語。 幽閉されていた身とは言え、王族として育ったフランシスは王の隣に立つだけの実力は最初から十分にある。 実際に、記憶喪失という体でラザラスの治める隣国の女官として仕えることになったフランシスは、知らず人気者になっていく。 決して惹かれまいとしていたラザラスが思わず焦ってしまうほど。 人の上に立つ者として育てられた地盤は、例え元幽閉されていた身としても、彼女曰く十分な教育を受けられていなかったとしても、他の貴族の追随を許しはしない。 最初から勝負はついていたようなもの。 ただ隣国の元王女という立場が、彼女の枷となってしまっただけで。 結局、彼女は自分自身の立場を打ち明ける前にラザラスと結ばれ、打ち明けた後も決して嫌われることはなかったが、それまでは随分やきもきすることになった。 フランシスがラザラスへの気持ちを自覚するのは随分早かっただけに、長く引っ張られるという。 そう、互いの立場が難しいから、遠回りするし不器用な恋愛模様になってしまった。 ただ、もたもたしている間は、今後のフランシスの味方になってくれるであろう人物たちとの絆や足元固め、如何にフランシスが王の相手として相応しいか、その根拠の描写がされていて、丁寧な構成だと感じた。 一方で、この話だけで全ての謎が解明される訳ではないので、すっきりとは終わってくれない。 確かに二人が結ばれては終わるが、海王の謎、まだ帰ってこない某キャラが連れている女性とは。 そしてその人がもたらすであろう情報で、話は大きく動くはず。 これは、続刊ありきなのか。 もしあるなら、それらを回収した上でのハッピーエンドを期待したい。

Posted byブクログ