釜ヶ崎に、グランマ号上陸す の商品レビュー
西成の中のもっともDEEPな町に居酒屋をやっている新井(宮本)さんが書いた本。新井さんとはちょっとした知り合いで「新井新聞」も購読していて、彼のおおざっぱな生き様は本人から聞いて知っていたのだけれど、この本で詳細が明らかになった。彼が育った町は横浜であるにも関わらず、そのイメージ...
西成の中のもっともDEEPな町に居酒屋をやっている新井(宮本)さんが書いた本。新井さんとはちょっとした知り合いで「新井新聞」も購読していて、彼のおおざっぱな生き様は本人から聞いて知っていたのだけれど、この本で詳細が明らかになった。彼が育った町は横浜であるにも関わらず、そのイメージとはほど遠い、まるで宮本輝の螢川に出ててくるような場面もあってノスタルジーを感じた。しかし、彼が横道をそれそうになる度、面白いけど辛くなり、ため息をついては中断したりしていた。不良少年から大学生になった時はホットしたけれど、またその後の人生でだんだん己を崩していくのが、本当にハラハラしながら読ませてもらった。持ち逃げしたことはいったいどうなるんや?時効を待っているみたいやけど、そんな形で済ませてええのか?と思っていたら、あっさりと刑事に捕まってしまう。しかし、持ち逃げされた社長まで彼のことを心配してたって、ほんまに新井さんの人徳です。文章の質感からも彼の品性(?)がよく伝わってくる。ほんまこの本は面白い本です。作家デビューおめでとうございます!
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