音声学者、娘とことばの不思議に飛び込む の商品レビュー
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かわいい音声学! 学生の頃、少しかじった音声学・音韻論。残念ながら発音も聞き分けるのも苦手だし、例の表は覚えきれなかったが、分析は好きだった。この本は著者が子どもの言語習得を観察しながら言い間違いに注目して音声学の分析を語る本である。プリキュアからポケモンまで、自分で考えたくなる例がたくさんある。自分が小さい頃の事例で知っているのは、「スパゲチー」(スパゲッティ)と「おとしやか」(おしとやか)だ。分析してみたい。 ほかにも名前とあだ名の共鳴音・阻害音とか、卒アル片手に研究したいくらい。そういえば、p.218で触れられていた「ガッキー」と「ばっさー」は、サバサバ系というかいわゆる「女子」的なかわいいではない魅力がある人だから濁音からのあだ名がしっくりきているのではないかと自分は思う。 最後にゴスペラーズの北山陽一さんとの対談が掲載されている。こういう研究が歌手や俳優や声優など声を使うお仕事の人に役立っていくと考えたらとても面白い。まぁ、研究は役に立たないとダメなわけでもないけど。
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子育て中の方は、我が子の音(言葉)の習得に興味があるのではないでしょうか? 私は仕事でも扱う分野だったので本書を購入しました。 QRコードで音を確認しながら読みすすめる事で、実際にイメージがしやすかったです。 楽しく読み進めることができました。
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研究者夫婦がお子さんたちの言い間違いやお子さんたちが楽しんでいるアニメ・キャラクターなどを題材にして音声学の観点で 考察したことが紹介されている。読みやすくおもしろかった。QRコードで実際の音声・動画にアクセスできるのは助かった。 音から受ける印象は、その音を発するときの口の形...
研究者夫婦がお子さんたちの言い間違いやお子さんたちが楽しんでいるアニメ・キャラクターなどを題材にして音声学の観点で 考察したことが紹介されている。読みやすくおもしろかった。QRコードで実際の音声・動画にアクセスできるのは助かった。 音から受ける印象は、その音を発するときの口の形の大小、口の中の圧力の強弱などによって傾向があるみたいな話が繰り返しなされる。 最後の対談で歌手の方が音声学の知識を歌唱や声の演技の技術向上、教育に役立てられるみたいなことをお話していてなるほどなあ〜と思った。本文でも英語のL・Rの発音のこととか出てきたけど、より納得。 小さな子どもに話しかけるときの独特の言い回しに定着した和訳がないからと「お母さん言葉」と読んでいたが普通に「赤ちゃん言葉」って言わないか?子育ての性別役割偏重に言及して言い訳したうえでわざわざ馴染みのない「お母さん言葉」という語彙を使っており、なんかちょっといやだった。
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かつて子どもだった人なら誰もが知りたい、その理由。子どもの言語発達からことばの原理が学べる!(e-honより)
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時間切れで後半は流し読み。 実際に子どもが言っていたり(「かがに刺された」とか)、ハマっているシリーズ(「へんしんシリーズ」とか)登場して、とても楽しく読んだ。 あんまり深く考えていなかったのだけど、話し始めた頃、もっときちんとメモしておけばよかったな、と通り過ぎてしまってから思う。
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子どもが言語を習得していくのを間近で見ていて、単語を何らかの法則性を持ってアレンジしているのが不思議で、何か学べないかしら…と思って手に取った。 …音声学の世界、面白すぎ…! 音の分類や発声時の口腔内構造など突っ込んだ内容も解説しているが、著者が「面白いでしょ、面白いでしょ」と喫茶店で好きなことを近くでいっぱい語ってくれているような熱さが感じられ、夢中で読み切ってしまった。著者の研究テーマもプリキュア、ポケモン、コギャル語、日本語ラップ…と魅力的。 子どもの言い間違い(→正確には間違えている…というより、言い換え?)は音韻学で説明がつくことも多い。 ・両唇音は赤ちゃんが最初に発する。音象徴。両唇がふさがり、鼻から空気が流れる哺乳行動由来? ・子音は調音点(どこで発音)、調音法(どうやって発音)、有声性(声帯振動)で分類 ・母音は発音時の舌の高さ、前後の舌の位置で分類 ・子どもの発音は決して未熟な発音とは言い切れない ・2文字分が標準 ・子音がひっくり返りがち ・後ろの音を大事にする ・繰り返しが好き
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結構、専門的に音声学のことを 書いてあるっぽいのですが 専門外の言語オタクが読んでも楽しかった。 小さい子の「言い間違い」の法則と 発声の仕組みの話とかね。 だから「赤ちゃん言葉」というキャラ言語は どこの国の言葉にも少なからず 存在するわのよ( ^∀^) あと、語感で判断す...
結構、専門的に音声学のことを 書いてあるっぽいのですが 専門外の言語オタクが読んでも楽しかった。 小さい子の「言い間違い」の法則と 発声の仕組みの話とかね。 だから「赤ちゃん言葉」というキャラ言語は どこの国の言葉にも少なからず 存在するわのよ( ^∀^) あと、語感で判断するキャラのイメージや 略語が四文字になるわけ…などなど。 奥様も言語学者さんだそうで ふたりで子供の成長にともなう 言葉の発達を楽しんで記録しているのが 親心と学術的好奇心の両方を満足させてて いいなぁ〜と思いました。
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音声学者の著者が娘さんの言い間違いや、いわゆる赤ちゃん言葉などについて、なぜそうなるのか紐解く。 プリキュアやポケモンのキャラ名についての考察は、かなり話題になり、世界を巻き込んだ研究になったらしい。 アンパンマンが「マンマンマン」、おかあさんが「おたあさん」になる理由なんかが...
音声学者の著者が娘さんの言い間違いや、いわゆる赤ちゃん言葉などについて、なぜそうなるのか紐解く。 プリキュアやポケモンのキャラ名についての考察は、かなり話題になり、世界を巻き込んだ研究になったらしい。 アンパンマンが「マンマンマン」、おかあさんが「おたあさん」になる理由なんかがわかって、息子がたどたどしく発する単語が、なるほど今は口の浅いところでしか発音できないからなんだな〜、とか納得できておもしろかった。 息子はたぶんおしゃべりゆっくりタイプのようでちょっと心配になったりもするけれど、著者さんのように、今だけの訳わからないたどたどしさ、宇宙語を愛でていこうと思ったのでありました。 (著者夫妻は、娘さんたちの言い間違いをあえて直さず、外部に指摘されて直っちゃった時には、なんなら残念がるそう)
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数冊同著者や近傍の著作を読んだあとだったので 言語学とはなんぞや、といった部分からの著者の研究のユニーク性みたようなものもある意味慣れてしまっている感が。 子育てに関連する部分も多いので、そういった状況に接している読者にはより親近感の湧く内容にはなっているか。
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専門用語が並べられた説明部分は、充分に理解したとは言いが難いが、後半の名付けに関する説明は、自分や家族の名前を思い浮かべながら読んだのでとても興味深かった。 本文ではないが、英語教育に関する著者の考え方と中学受験のエピソードについてのコラムが面白く、共感できた。 音声学って面白い...
専門用語が並べられた説明部分は、充分に理解したとは言いが難いが、後半の名付けに関する説明は、自分や家族の名前を思い浮かべながら読んだのでとても興味深かった。 本文ではないが、英語教育に関する著者の考え方と中学受験のエピソードについてのコラムが面白く、共感できた。 音声学って面白い学問なんだと感じることのできるオススメの一冊。
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