フリースタイル言語学 の商品レビュー
日本語ラップなどを題材にしたユニークな研究が注目されている言語学者による、言語学エッセイ。 言語学、その中でも特に音声学を専門に研究している言語学者・川原繁人さんの言語学・科学エッセイ本です。 言語学・音声学って何? どんなことやってるの? 何か役にたつの? といまいちピン...
日本語ラップなどを題材にしたユニークな研究が注目されている言語学者による、言語学エッセイ。 言語学、その中でも特に音声学を専門に研究している言語学者・川原繁人さんの言語学・科学エッセイ本です。 言語学・音声学って何? どんなことやってるの? 何か役にたつの? といまいちピンとこない人にこそ読んでほしい。 ドラクエの呪文、ポケモンの進化前と進化後の名前の変化、メイド喫茶のメイドさんや、プリキュアの名前の分析、日本語ラップの韻の踏み方などとっつきやすい題材から言語学とはどのような学問かを分かりやすく、かつ楽しく説明してくれます。 日本語話者だと普段何気なく使っている母音と子音。「にせたぬきじる」と「にせだぬきじる」の使い分け。「頭が赤い魚を食べる猫」という表現は何種類の解釈が可能かなど、改めて説明されると感服するような事ばかり。 個人的に一点だけ腑に落ちないのが、「日本語の音には必ず母音が隠れている」という話に関係して。日本語は基本母音と子音が一塊になっている……はわかる。日本語は子音だけで音を発する事はあまりしない……も分かる。外国語(例えば英語)には、子音だけの単語が存在する……のも感覚ではわかるんですが、じゃあいざそれを自分で発音しようとなると、母音を入れずに発音するって未だにどういうことかよく分かってません。母音がない音って何……母音がない音を聞き取るとか、入れずに発音するって難易度高くないですか?? どうやら日本人は子音が続く単語に母音を脳内補完しがちらしく、川原先生曰く他の著作でも触れているそうなので、そのうち別の本も読んでみたいです。 また、自分の研究をどう社会へ還元するかというお話の中での、ALS患者さんたちの為の音声読み上げソフトの改善に関わった話、コロナ禍での少数言語話者に正しい情報を伝えるための活動など、自分のもてる知識や人脈を活用して奔走する姿には感動しました。 学者さんというと、どうしても特定のコミュニティの中でひたすら研究をしている姿を想像しがちですが、対外的なアグレッシブさのようなものも必要なのだなと改めて実感できたような気がします。 普段触れる事のない学問の世界に触れられる、興味深い1冊でした。
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直接的な感想にはならない抽象的な視点になるが、自分が楽しく学び続けることは尊さを教えてもらった。 特別支援教育に携わる者として、最終章のマイボイスの取り組みは、胸にくるものがあった。 学問として何の意味があるがわからないものも、いつかは人の役立つ時が来るという、人生の伏線回収...
直接的な感想にはならない抽象的な視点になるが、自分が楽しく学び続けることは尊さを教えてもらった。 特別支援教育に携わる者として、最終章のマイボイスの取り組みは、胸にくるものがあった。 学問として何の意味があるがわからないものも、いつかは人の役立つ時が来るという、人生の伏線回収的な部分を見させてもらった。 自分も言語学の勉強を少しずつ始めているが、今学んでいることが将来受け持つ子どもたちに、生かされることを切に願う。 川原先生は音声学の先生であられるが、専門性だけでなく生き方からも学ばせてもらった。 関係ないが、やはりいい大学にはいい先生がいると再確認した。
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川原繁人先生の面白言語学の集約本。親しみやすいけれど中身はガチ成分も多め? 川原先生を初めて知ったのはYouTubeの「ゆる言語学ラジオ」という番組。なので、本で触れられた研究内容はそこそこ知っていた。それでも楽しめた。 研究内容も面白いが「言語学」といういわゆる「役に立たない」...
川原繁人先生の面白言語学の集約本。親しみやすいけれど中身はガチ成分も多め? 川原先生を初めて知ったのはYouTubeの「ゆる言語学ラジオ」という番組。なので、本で触れられた研究内容はそこそこ知っていた。それでも楽しめた。 研究内容も面白いが「言語学」といういわゆる「役に立たない」学問をやることに対する、先生の熱い思いに触れられるのが醍醐味
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バーリートゥード言語学を読んでかなり面白かった印象があるうちに、この本を本屋で見かけたんだけど、大分時間が経ってから読むことになってしまった。バーリーを読んだ時の読後感は残念ながら得られなかったんだけど、この言語学者である著者が本当に真摯に楽しんで、役に立とうと苦しんで、この本を...
バーリートゥード言語学を読んでかなり面白かった印象があるうちに、この本を本屋で見かけたんだけど、大分時間が経ってから読むことになってしまった。バーリーを読んだ時の読後感は残念ながら得られなかったんだけど、この言語学者である著者が本当に真摯に楽しんで、役に立とうと苦しんで、この本を書いた、書いた元になる活動をしていることは伝わった。 学術的な箇所はあまり腑に落ちず、ちょっと読み飛ばしてしまったのを見ても、自分にはちょっと面白く思えないのかもしれないな、言語学は…
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言語学と書いてあるから難しい話かと思ったら、くだけた内容で面白かった。最初はメイドの話などが出てきてつかみにくかったが、途中出典に麻雀実況の日吉さんの名前が出てきてから一気に親近感がわき読み進めた。 ドラクエの呪文やポケモンの進化の音について考えたことなかったけど、そう言われてみ...
言語学と書いてあるから難しい話かと思ったら、くだけた内容で面白かった。最初はメイドの話などが出てきてつかみにくかったが、途中出典に麻雀実況の日吉さんの名前が出てきてから一気に親近感がわき読み進めた。 ドラクエの呪文やポケモンの進化の音について考えたことなかったけど、そう言われてみればなんか強そうになってると思った。
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タイトルに「言語学」というワードが入っており、難しい本かなっと思い、読んでみましたが、とてもわかりやすく解説されており、楽しく読むことができました。言葉について専門的に学んでいない人にも優しく教えてくれる本だなと思いました。 タイトルに引かれた方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか...
タイトルに「言語学」というワードが入っており、難しい本かなっと思い、読んでみましたが、とてもわかりやすく解説されており、楽しく読むことができました。言葉について専門的に学んでいない人にも優しく教えてくれる本だなと思いました。 タイトルに引かれた方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか??
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大学時代に音声学の授業を取っていたものの、内容に特段興味を持てなかったのだが、、早くこの本に出会えていれば、もう少し音声学へ興味を持てたかなと思う。 普段意識することは無くとも、言われてみれば確かに!となる(例えば音象徴の下り等)こと満載。 そして、自分の仕事が社会の為になっ...
大学時代に音声学の授業を取っていたものの、内容に特段興味を持てなかったのだが、、早くこの本に出会えていれば、もう少し音声学へ興味を持てたかなと思う。 普段意識することは無くとも、言われてみれば確かに!となる(例えば音象徴の下り等)こと満載。 そして、自分の仕事が社会の為になっているのだろうか?という問いは、学者以外にも通ずるものがあると思う。自分の仕事に誇りを持ち、懸命に働こうと思わせてくれる。
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著者の言語学愛が全ページから溢れていて読み応えがあった。言葉のアクセントが次に続く言葉で変化する法則とか、つい声に出してしまった。言葉って面白い。
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言語学、とくに音声学の面白いところが全部詰まったような本でした。 学問について語ってはいるものの、肩肘を張らずに楽しんで読めるのでおすすめです。 言語学をあまり知らない自分のパートナーにも、「ポケモンとかプリキュアの名付けが面白いんよ」と言ってつい話してしまいました。本当なら押し...
言語学、とくに音声学の面白いところが全部詰まったような本でした。 学問について語ってはいるものの、肩肘を張らずに楽しんで読めるのでおすすめです。 言語学をあまり知らない自分のパートナーにも、「ポケモンとかプリキュアの名付けが面白いんよ」と言ってつい話してしまいました。本当なら押し付けて読ませたい。 特に、最後の章に書いてあったALS患者の母が娘たちに残したい自分の声の話では、自分がその母と同じ歳で子どもがいるのもあり感極まってしまいました。 川原先生の授業を受けているような気持ちで読めますが、実際に授業を受けたらもっと楽しいんだろうな〜とハードルをあげてみる(笑)
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ポケモンやプリキュアの命名法則など身近な例をもとに、本格的な音声学の研究について知ることができた。一見役に立たなそうな音声学が、イントネーションやアクセントが重要な歌手やコロナの正しい情報を色んな言語で伝える時など、様々なところで貢献しているのが分かり、面白かった。 連濁のルール...
ポケモンやプリキュアの命名法則など身近な例をもとに、本格的な音声学の研究について知ることができた。一見役に立たなそうな音声学が、イントネーションやアクセントが重要な歌手やコロナの正しい情報を色んな言語で伝える時など、様々なところで貢献しているのが分かり、面白かった。 連濁のルール(ライマンの法則)など、普通に学術的な知識がすっと入ってくるし、「にせたぬきじる」「にせだぬきじる」の違いなど説明も分かりやすかった。
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