価値を生む心理学 の商品レビュー
心理学は研究のための研究ではなく,人間が介在するあらゆる現象や事物の解明や発展に役立つ学問である。しかし,現実は神秘的なイメージやあやしげなイメージを持たれることが多く,少し学ぶとその中途半端に科学的な方法を持つことから,難解さを感じて遠ざかる人や非科学的と判断して遠ざかる人を生...
心理学は研究のための研究ではなく,人間が介在するあらゆる現象や事物の解明や発展に役立つ学問である。しかし,現実は神秘的なイメージやあやしげなイメージを持たれることが多く,少し学ぶとその中途半端に科学的な方法を持つことから,難解さを感じて遠ざかる人や非科学的と判断して遠ざかる人を生み出す。結果的に日常から遠いものになっているかもしれない。本書で言う「経験価値思考プロセス」という考えは人間の心が価値を生み出す装置であり,経験価値を豊かに(あるいはマイナス回避)する工夫をしていくためには心理学の専門的知識や技能,方法論は役立つ。その実例を複数紹介している。そのためにも「正しい」心理学をしっかりと習得し実践する経験ができる場を残しておく必要があるだろう。
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序章 心理学は「役に立つ」のか 原田 悦子 1 「人にとってより良い」環境を作るための科学 2 なぜモノづくりに「科学としての」心理学が必要か 3 モノづくりと心理学─枠組みと紹介、そしてそこで考えたいこと 4 基盤となる心理学を求めて 5 本書の目指すと...
序章 心理学は「役に立つ」のか 原田 悦子 1 「人にとってより良い」環境を作るための科学 2 なぜモノづくりに「科学としての」心理学が必要か 3 モノづくりと心理学─枠組みと紹介、そしてそこで考えたいこと 4 基盤となる心理学を求めて 5 本書の目指すところ 第1章 心理学はどのような学問か 長谷川 寿一 1 はじめに 2 大学教育の分野別質保証─心理学分野の参照基準 3 心理学の定義 4 心理学の領域 5 専門知識領域と方法論領域 6 心理学の特徴(心理学固有の視点、方法論における独自性) 7 心理学の役割 8 おわりに 第2章 製品・サービスを通じた「未来の経験」の創出と人間中心設計 小俣 貴宣 1 顧客やユーザの主観的な経験が重視される時代 2 主観的な経験の質の向上をめぐる送り手の課題 3 「未来の経験」と人間中心設計 4 製品・サービスの創出に向けた実践における人間中心設計の適用場面 5 人間中心設計における要求事項の二重性 第3章 心理学は人間中心設計の推進においていかに関与するのか 小俣 貴宣 1 人間中心設計の推進における心理学の関与 2 「対象とする人間の理解とそれに基づく要求事項の明確化」における心理学のかかわり 3 「要求事項をより良く満たす具体的な解決策の創出」における心理学のかかわり 4 「創出した解決策と要求事項との適合性の評価」における心理学のかかわり 5 心理学の専門性は人間中心設計における実践においていかに発揮されうるか 6 より良い製品・サービスの創出に向け心理学を活かしていくための課題 第4章 製品・サービスの創出に向けた実践における心理学の活用事例 インタビュー 心理学が活かせる仕事とポジションの発明を 鹿志村 香 インタビュアー:原田 悦子・小俣 貴宣 1 日立製作所デザイン部門における経歴 2 デザインの仕事において心理学はどのように役に立つのか 3 企業で仕事をする上での心がけ 4 心理学を学んだ人材の強み 5 組織において心理学の価値を認めてもらうためには 6 今後のデザインの課題と心理学のかかわり 通信システムの設計における活用事例 新井田 統 1 はじめに 2 通信工学分野における満足度評価 3 QoE測定に対する心理学的アプローチ 4 新たな研究への展開 5 サービスの設計・開発における心理学に対する期待 創造する心理学──ヘアケア商品開発の事例から探る心理学応用の可能性 三枝 千尋 1 はじめに 2 価値の発掘──エイジングによる髪悩みの変化 3 価値の実現──現象理解と実現技術の開発 4 価値の伝達──適切な届け方 5 心理学の魅力 6 心理学を創造に結びつけるために 化粧品カウンセリングにおける接客教育に向けた臨床心理学・生理心理学の適用 平尾 直靖 1 はじめに──商品・サービスの情緒価値と心理学への期待 2 接客スキルの生理心理学的な手法を用いた実験的検討 3 まとめ──企業での心理学のさまざまな活用の可能性 食品開発への心理学の活用 松嵜 直幸 1 はじめに 2 飲料の心理学 3 これからの食品開発 心理学者とエンジニアの歩み寄りの必要性 西崎 友規子 1 エンジニアの心理学に対する期待と幻想 2 自動車会社で活かす心理学 3 ものづくりがわかる心理学者と心理学がわかるエンジニア 「つくば型リビング・ラボ」の実践──高齢者を中心とした使いやすい製品・サービスの開発への試み 須藤 智・原田 悦子 1 リビング・ラボとしての「みんなの使いやすさラボ」とは? 2 みんなの使いやすさラボでの取り組みの紹介 3 リビング・ラボとしてのみんなの使いやすさラボと心理学 終章 心理学と心理学人材をより良く活かしていくための留意点 小俣 貴宣 1 はじめに 2 心理学が取り込まれた製品・サービスの創出に向けた実践に関与する人たちが理解しておくべき点 3 心理学人材を雇用する送り手側の観点から 4 心理学人材の観点から 5 心理学人材の輩出に向けた大学教育の観点から 6 おわりに おわりに 小俣 貴宣
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