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ラスト・オブ・カンプフグルッペ(Ⅷ) の商品レビュー

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2024/09/09

カミンスキー旅団の記章は鉄十字章ではなくて帝政時代の勲章でロシア連邦がクールスク号の事故で復活した聖ゲオルギイ勲章かゲオルギイ十字章にしか見えないのだが。「続」でヴラーソフ将軍のロシア解放軍がパレードした時のT-34に描かれたロシア国旗を「白赤青」(何でもチェコの旗で当時はベーメ...

カミンスキー旅団の記章は鉄十字章ではなくて帝政時代の勲章でロシア連邦がクールスク号の事故で復活した聖ゲオルギイ勲章かゲオルギイ十字章にしか見えないのだが。「続」でヴラーソフ将軍のロシア解放軍がパレードした時のT-34に描かれたロシア国旗を「白赤青」(何でもチェコの旗で当時はベーメン・メーレン保護領の旗の配色とか)と書いているのでロシアについては詳しくないようだ。 ブランデンブルク部隊を書く時に「ヒトラーの特殊部隊 ブランデンブルク隊」を使っているが、この本には「ブランデンブルク部隊は「ユダヤ人問題の最終的解決」とは無縁だ」と書く為に?偶然ながら第22歩兵師団が何をしたのかが書かれている。それなのに、この本の著者は雑誌の連載で第22歩兵師団を取り上げた時には、これには触れていない。ウルリヒ・クレーマンのロードス突撃師団を取り上げた「3」で第22歩兵師団だった事があるフリードリヒ・ヴィルヘルム・ミュラー将軍が「クレタ島での住民虐殺などの罪を問われ、1947年5月20日にアテネにおいて戦犯として銃殺されている」とだけ書かれている。著者が書くところの「苦労人」クレーマンの命令でロードス突撃師団がロードス島のユダヤ人に何をしたのかはヒルバーグの「ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅」とゲッツ・アリーの「ヒトラーの国民国家」に書かれているが両方とも高いし「ユダヤ人問題の最終的解決」には関心がなくて「国防軍神話」に捕らわれていると読まないだろう。大木毅の「戦史の余白」に第22歩兵師団がクレタ島で何をしたのかが書かれているのを読んだ読者は多いだろうから、著者は単行本で第22歩兵師団の「知られざる戦記」をどう書く(または書かない)のだろうか?第22歩兵師団がウクライナで何をしたのかを書き加えるならばクノップの「ホロコースト全証言」73頁にあるフィリップ・フォン・ベーゼラーガー男爵が「人数についてはもちろん知らなかった。ただ、南方軍集団の戦域だけでも二十五万人のユダヤ人が殺害されたことは聞いている」は引用すべきだろう。著者自身が「続」で取り上げた21世紀まで長生きした「騎士十字章に輝く英雄」ではないのか?第22歩兵師団はエーリヒ・フォン・マンシュタインの第11軍に所属していたので「南方軍集団」麾下だ。もっとも、この本を引用すると著者がフェーゲラインのSS騎兵旅団を書いた本と矛盾してしまうが。「ヒトラーの戦士たち」にはユダヤ人の虐殺についてエーリヒ・フォン・マンシュタインに報告したウルリヒ・グンツェルト中尉の回想が引用されているが「ホロコースト全証言」には白バラ運動のビラを配布したとある。著者は見習ったらいかがだろうか?

Posted byブクログ