フィンランド 幸せのメソッド の商品レビュー
本書は、マリン首相の着位経緯から説明が始まる。女性の高ポスト進出が未だに低い日本人の1女性からしてみれば、何故彼女は首相になれたのか、どのような生い立ちがあるのかは非常に興味深いところだった。それは、フィンランドの長年築き上げてきた「男女問わず若者への希望が厚い」「政府と国民の信...
本書は、マリン首相の着位経緯から説明が始まる。女性の高ポスト進出が未だに低い日本人の1女性からしてみれば、何故彼女は首相になれたのか、どのような生い立ちがあるのかは非常に興味深いところだった。それは、フィンランドの長年築き上げてきた「男女問わず若者への希望が厚い」「政府と国民の信頼関係が深い」国民性によるものと知った。 各国が注目を集める、世界一幸福度の高い国として知られるフィンランドの様々な国政や情勢、課題を、フィンランド居住経験のある日本人著者が、日本のそれらと照らし合わせて紹介している。教育や子育て、若者の社会進出や就労支援など、意外どフッ軽゙なフィンランド人による「良いことなら、まずはやってみよう」という行動力には称賛に値する。我々日本人が大いに見習うべき姿勢が多く、とても勉強になった。 …ただ、食材資源の豊富な日本には生まれて良かったと、日頃心から思っている。
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【琉大OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC14602451
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元々、特に女性としては憧れの体制の国であったが本書を読み解像度が高まった。 闇雲に全肯定せず現実的な状況や課題にも言及されており素晴らしい。
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”出産一時金50万へ引き上げ”、昨日岸田政権が打ち出した子育て世代への支援策。一方で2022年の出産人数は80万人を割りこむ予測、人口減少が続きます。雇用環境の安定しない非正規雇用も変わらず、実質賃金の長期低下、子供を産んで育てて社会に送り出すため、家庭の負担額は楽ではありません...
”出産一時金50万へ引き上げ”、昨日岸田政権が打ち出した子育て世代への支援策。一方で2022年の出産人数は80万人を割りこむ予測、人口減少が続きます。雇用環境の安定しない非正規雇用も変わらず、実質賃金の長期低下、子供を産んで育てて社会に送り出すため、家庭の負担額は楽ではありません。日本社会が暮らしやすく、海外の方も含めて住みたい国にするには、どうしたらよいのでしょうか。 2019年末に最年少女性首相サンナ・マリン政権が誕生したフィンランド。幸福度ランキング世界一、移民が住みたい国世界一、スウェーデン、ノルウェーとともに北欧3国の一つ。2021年人口が550万人と日本の20分の一ですが、限られた財政、経済規模の中、人こそが資源と福祉への手厚い配分を実施しています。いろいろなメディアでも盛んにフィンランドメソッドが取り上げられていますが、本書は長くフィンランドの内側にいらっしゃった堀内さんが、レポートを試みています。 ・自己肯定感が高く、社会の中でつながりを保ち、孤立させないシステム。 ・様々な選択肢が可能であり、行きどまりの無い社会システムを整えたうえ、システムに硬直性がなくフレキシブルに変革、運用が可能な社会。 ・子供のころからの教育社会体験を通じて、若い人たちが自ら社会を変えられるという感覚を持って、実行できる社会の受容度が高い。 北欧の小国、ソ連と国境を接し、軍事的危機も経験してきた国ですが、様々な社会システムを今も改善しています。行き詰まり、硬直度の高い日本と対比して読んでみると、良い点がどうしても目立ちますが、それでも出生率低下、高齢化、ポピュリズムの台頭など課題はあるようです。我々日本の将来を考えながら、もう少し深く学んでいきたいですね。
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ロシアと国境を接し、男性に徴兵制、女性は志願制のある国であり、体を動かすことが好きな人から平和維持活動や危機管理に携わりたい人まで年々軍隊に行く人数が増えているそうです。さらに、教育、保育、介護、福祉に平等、公平性の価値観や思想を支える力があり、納得して税金を納めている。個人の行...
ロシアと国境を接し、男性に徴兵制、女性は志願制のある国であり、体を動かすことが好きな人から平和維持活動や危機管理に携わりたい人まで年々軍隊に行く人数が増えているそうです。さらに、教育、保育、介護、福祉に平等、公平性の価値観や思想を支える力があり、納得して税金を納めている。個人の行動で社会は変わると信じる人々の信頼関係が伝わりました。
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※このレビューにはネタバレを含みます
フィンランドでは、「地方議員は職業ではない」ため給料はないが、地方議員の制度は機能し、質も担保されている。言い換えると、議員の質は給料だけで決まらないと言えるのではないか。 「〇〇しろ」「✕✕はだめ」という方が、簡単で時間もかからない。でも、それは決して子どものtためにはならず、信頼関係は築けない。対話がどこに行くかわからなくとも、Yes/Noでないオープンな質問をして語らせることが大切。 フィンランドの授業は、基本的な説明は教科書に任せ、いかに子どもがその話題により興味を持ち、身近なこととリンクさせ、主体的に考えられるようになるかに力を注ぐ。 座りっぱなしを中断し、動かすなど、子どもに体を動かすことを勧めるスクールオンザムーブが流行。 ワークライフバランスが保てているからこそ、「学び直し」への意識が高く、実行できる。
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日本人として必要なのは、決して奢らず、卑屈にならず、真摯に他者(本書の場合、フィンランド)から学ぶ姿勢だと感じました。 「学ぶ」ことは自分よりも優れた人からよりも、若年者や、未熟な人へ教えることからの「学び」が重要ではないでしょうか? 本書後半にある「社会人」の定義のしかたにつ...
日本人として必要なのは、決して奢らず、卑屈にならず、真摯に他者(本書の場合、フィンランド)から学ぶ姿勢だと感じました。 「学ぶ」ことは自分よりも優れた人からよりも、若年者や、未熟な人へ教えることからの「学び」が重要ではないでしょうか? 本書後半にある「社会人」の定義のしかたについて、日本人の常識と、フィンランドの方たちの認識でこれ程「差」があると思いませんしでした。 まさに筆者の語るとおりだと自分も感じました。 ものの見方、人との接し方など非常に勉強になる一冊でした。
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フィンランドが教育の世界で成功していることはかなり前から知られていた。北欧の小国がなぜこのようなことができるのか常に気になっていた。 本書によればフィンランドの幸福度が高いのは国民性や気質、さらには地勢的な影響など様々な要因がある。高福祉国家がなぜ成立するのか。それは支え合い...
フィンランドが教育の世界で成功していることはかなり前から知られていた。北欧の小国がなぜこのようなことができるのか常に気になっていた。 本書によればフィンランドの幸福度が高いのは国民性や気質、さらには地勢的な影響など様々な要因がある。高福祉国家がなぜ成立するのか。それは支え合いの文化が根づいているからなのだろう。 かつての日本にも同様の考え方があったはずだ。いつのまにか利己的な国民になってしまっている。フィンランド人の生き方のすべてがいいとは決して言えないが大いに学ぶべきことがある。
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