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にほんの詩集 萩原朔太郎詩集 の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2023/03/03

美しくも残酷にも優しくも惨めにもなれる、詩の世界 巻末エッセイの「性情は多少アブノーマルでも〜」のとこ笑っちゃった、純粋性、白い人という表現は全くその通りだと思った あまりに遠い旅路でも、せめて新しい服を着て、きままに行けばいいのだろう

Posted byブクログ

2023/01/07
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※このレビューにはネタバレを含みます

『風船乗りの夢』  夏草のしげる叢(くさむら)から  ふわりふわりと天上さして昇りゆく風船よ  籠には旧暦の暦をのせ  はるか地球の子午線を越えて吹かれ行こうよ。  ぼうぼうとした虚無の中を  雲はさびしげにながれて行き  草地も見えず 記憶の時計もぜんまいがとまってしまった。  どこをめあてに翔けるのだろう  そうして酒瓶(さかがめ)の底は空しくなり  酔いどれの見る美麗な幻覚(まぼろし)も消えてしまった。  しだいに下界の陸地をはなれ  愁いや雲やに吹きながされて  知覚もおよばぬ真空圏内へまぎれ行こうよ。  この瓦斯体(がすたい)もてふくらんだ気球のように  ふしぎにさびしい宇宙のはてを  友だちもなく ふわりふわりと昇って行こうよ。

Posted byブクログ