高架線 の商品レビュー
2024.11.9 読了 かたばみ荘二号室の住人をめぐる一六年の物語-- めちゃくちゃ好きでした! 古アパートかたばみ荘では、出る時に次の入居者を自分で見つけなくてはいけなくて。 その部屋を引き継いだ住人や関係者の話しがつづられていくんだけど、どの人もかたばみ荘のことを話して...
2024.11.9 読了 かたばみ荘二号室の住人をめぐる一六年の物語-- めちゃくちゃ好きでした! 古アパートかたばみ荘では、出る時に次の入居者を自分で見つけなくてはいけなくて。 その部屋を引き継いだ住人や関係者の話しがつづられていくんだけど、どの人もかたばみ荘のことを話してはいるんだけど、なぜか途中から全然違う話しになっちゃったりして。そのだらだらつらつらしてる感じが心地よくて。 登場人物みんなが愛おしかった。やっぱり片山三郎は外せないし、ちょっとしか出てきてないけどタムラックスだって気になった。 終わり方の潔さも良かったな。
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新井田は、先輩から譲られたかたばみ荘のある部屋でに住んでいたが、就職とともに部屋を出ることになった。その際に譲った片川三郎は、しばらくすると失踪し、新井田には大家の万田から問い合わせが届く。片川を探さなくて良いので、次の住人を探すように言われるが…。 日記なのか、インタビューな...
新井田は、先輩から譲られたかたばみ荘のある部屋でに住んでいたが、就職とともに部屋を出ることになった。その際に譲った片川三郎は、しばらくすると失踪し、新井田には大家の万田から問い合わせが届く。片川を探さなくて良いので、次の住人を探すように言われるが…。 日記なのか、インタビューなのか最終的明らかにされないが、いずれかの形で、新井田から次々と住人またはその周辺の人物による視点による自分語りによって語られることによって、かたばみ荘の記憶を描いていく。 ミステリとして読むのであれば、片山三郎が失踪した理由と行き先であったり、かたばみ荘に住む謎の人物であったり、そもそものかたばみ荘の謎に付いてというところになるのだが、ある意味そのへんはどうでもいいというところが面白いところでも有る。 ふんわりと過去の関係ない話が続くため、当初は散漫に感じるものの、片山三郎の謎が明かされていくうちに話が一旦まとまっていき、『蒲田行進曲』のあたりで理由がわからなく広がって収束してという、なんとなく安部公房を想起させるようなストーリーでも有る。 純文学かと言われると、きっとそうではないのだろうけれども、ふわっと解ったようでわからないような雰囲気は芥川賞系なのだろうなあ。 些細なところだが、七見奈穂子のところは序盤はやけに分が長いまどろっこしい文学的な表現だったのに、途中からさらりと軽い口調になってしまうのと、タムラックスの視点がなかったのが残念なところか。 最終的に、タイトルの『高架線』が比喩なのか直接表現なのかはちょっと判断に苦しむところでは有る。
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バトンがつながるようなゆるやかな流れが心地よく、語り手によってかたばみ荘の周辺をなぞるように、人々の過去や現在をくっきりと、時に曖昧に語られていく。
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から二つ目の駅にある家賃3万円、木造二階建ての古アパート「かたばみ荘」。 出ていく時は次の入居者を探して引き継ぐというシステムのこのアパートの住人たちのつながる人間関係。 独特の語り口とどうつながっていくかわからないストーリーがちょっと苦手な感じで最初は入り込めなかったのですが‥...
から二つ目の駅にある家賃3万円、木造二階建ての古アパート「かたばみ荘」。 出ていく時は次の入居者を探して引き継ぐというシステムのこのアパートの住人たちのつながる人間関係。 独特の語り口とどうつながっていくかわからないストーリーがちょっと苦手な感じで最初は入り込めなかったのですが‥。 順番に語り手が変わり視点が変わるのと読んでいくうちに癖のある登場人物や文章のテンポにハマり、結末の収まりが良くておもしろかったです。
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暮らしの中の小さなドラマ。蒲田行進曲も絡んできたりして、面白かった。最後になって、いろんなことがわかってすっきりした。
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ボロい賃貸に住む住人の語りで進むという仕掛けで読ませた。中盤でドラマがあって、そこは本人でなく周囲の人間の語りで進んでいくのも良く出来てると思う。 「水平線」で感銘を受けて、同じ著者の作品で読んだ3作で唯一まともに読了。1人称の語りは水平線と共通で得意としているのかも。私は読者...
ボロい賃貸に住む住人の語りで進むという仕掛けで読ませた。中盤でドラマがあって、そこは本人でなく周囲の人間の語りで進んでいくのも良く出来てると思う。 「水平線」で感銘を受けて、同じ著者の作品で読んだ3作で唯一まともに読了。1人称の語りは水平線と共通で得意としているのかも。私は読者としては冗長すぎる語りは駄目なタイプだな。そこに意味を感じられるかの感受性の問題なのかな。
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語りの口調がとても良い読み心地でした。 滝口先生の大学ゼミを受けたことがありますが、どこまでも語りにこだわった授業だった事を思い出しました。 またふとした時に読み返したい。
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穏やかに進んでいくお話なので、夜寝る前に読むおすすめ本と紹介されていて読んでみた。 築50年以上のおんぼろアパート、かたばみ荘を取り巻く人たちの物語。 何か非現実的なことや大きなことが起こるわけではなく、ゆっくり変わる変わる語り手が自らの視点からの日々を語っていく。 ここか...
穏やかに進んでいくお話なので、夜寝る前に読むおすすめ本と紹介されていて読んでみた。 築50年以上のおんぼろアパート、かたばみ荘を取り巻く人たちの物語。 何か非現実的なことや大きなことが起こるわけではなく、ゆっくり変わる変わる語り手が自らの視点からの日々を語っていく。 ここから何か起こるか?まだか?と少し身構えながら読んでしまったのもあり、起承転結があまりないのでこれで終わりか、という感じで終わってしまいました..
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かたばみ荘というおんぼろアパートのせいなのか、何なのか、とってもノスタルジックな気分になるお話。 出てくる人々のささいなエピソードや、性格、語りも個性的で、気付くとその世界観に引き込まれてた感じ。 もう1度ゆっくり読み直したい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最初は今住んでる彼がなぜ行方不明になったのか その彼に関わりのある人に取材してるのかな ミステリーぽい?と思ったらそんなことはなく 穏やか物語が続いていく。
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