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詩人は聖書をどのように表現したか の商品レビュー

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2023/01/07

 日本の詩人がここまで聖書に興味を持って聖書に関係した詩を詠んでいたのは心強い気がした。16名の現代詩人が取り上げられているが、彼らが聖書の人物の内面を表現しようとしていた背景は、聖書が客観的事実の説明に留め、登場人物の内面・心理描写は読み手の解釈・想像に任されているから!なるほ...

 日本の詩人がここまで聖書に興味を持って聖書に関係した詩を詠んでいたのは心強い気がした。16名の現代詩人が取り上げられているが、彼らが聖書の人物の内面を表現しようとしていた背景は、聖書が客観的事実の説明に留め、登場人物の内面・心理描写は読み手の解釈・想像に任されているから!なるほど、だから聖書に基づく説教はいろんなメッセージを読み取ることが出来るのだ。そして詩の中になんと多くの聖書の言葉が隠喩のごとく埋め込まれているのか、それだけに詩心が刺激され、表現しようとしたのだろう。 山村暮鳥が聖公会の司祭でもあったが、信仰のはざまで苦しんでいた。島崎藤村、三木露風、八木重吉、石原吉郎、安西均、高野喜久雄、阪田寛夫ら有名な詩人に交じって信仰を詩として豹変した牧師・森田進は印象に残った。美しい詩が多いのは嬉しい。 特に島崎光正の聖誕。「…ベツレヘムの夜更けに 嬰児となった言は ふと 花のように眼を開いていた 馬小屋の片隅で」

Posted byブクログ