文系のためのめっちゃやさしい無とは何か の商品レビュー

佐々木真人(監修)

2024/05/21

　無として、数字として、記号として当たり前のように使われる０は、量子論や相対性理論から宇宙にまでに繋がっていき、０があってそれらの科学が発展してきた事実から、インド人が0を発見したことの凄さが分かった。
　０から始まり、空間的な真空の有無、素粒子等のミクロの世界、ダークマター、時空や次元、宇宙の始まりから終わりまでを考察するが、宇宙などのマクロ世界だけでなく素粒子やクェーサーなどのミクロの世界も際限がないことを改めて理解した。科学は哲学や仏教真理等と表裏一体で、人間の主観をとおせば科学の結果も哲学に回帰するのではいかなと感じるほど、壮大で難しい内容を本書はなるべく分かりやすく書かれている。

2023/05/29

そもそも"無"を考えることが今までなかった。漠然と、死んだら無になるのだと思っていたくらい。
しかし、日常に無は沢山存在(言葉上の矛盾は勘弁)しているし、さらに見方によって"有"は"無"になり得る。面白い。"無"は、白黒はっきりつけられない曖昧な存在とも言えるのだろうか。

二重スリット実験では、電子が波の性質と粒子の性質両方を兼ね備えているが、観測装置を設置すると粒子の性質のみしか見ることができない。電子、恥ずかしがり屋か？笑

後半は宇宙がどうやってできたのかについていろんな説があることを教えてくれる。
私は"無"から宇宙が生まれた説が好みだ。だって、ロマンがあるから(笑)
何も無いところから何かが作りだされるという現象はまさに生命の誕生と一緒だ。
まあ、宇宙の始まりがどうだったかというのは正解が今のところなくて、正解が出たとしても何も社会的には変わらないかもしれない。
宇宙は膨張しているということだけは確定している。
私たちは本当に宇宙の中では小さな(それこそ素粒子みたいな)存在なんだろうな。

2023/02/18

宇宙は拡大と縮小を繰り返す無境界仮説、トンネル効果、素粒子の性質である波と粒子の二面性や状態の共存。状態の共存では有名なシュレーディンガーの猫という思考実験。超ひも理論。理解は及ばず、言葉だけ圧倒的な存在感をもつこれらについて図解や分かりやすい対話式の解説により、説明を試みた書。無とは何か。その定義を切り口にしたアプローチは素晴らしい。そして、他の書より、幾らか分かりやすい。限界はあるが、通読するだけでも随分得た物がある。

というか、理論や単語を覚えるという以上に本著は根源的なロマンを語り、読み手にワクワク感を与えてくれる。無とは何かは、存在とは何か、悠久の時間の意味を考えさせてくれる。

2023/01/01

文系のためのシリーズ。
無について。

壮大で難しかったーー
まだまだ解明されていないことが多いようで…
未知な世界で面白かった。

究極の無　ってすごい言葉。

2022/07/28

タイトルに魅かれて、図書館の新刊コーナーから借りてみた。
多少は哲学っぽいのかと思ったら、がちがちの理科だった。
これはこれで興味深く読めた。

「０」という数が特別であること、絶対零度付近で起こる超電導でリニアモーターカーが走っていることは興味深かった。

「真空」が何もないわけじゃなく、「場」で満たされているというのも、不思議。
『はてしない物語』でファンタージエンが虚無に浸食されていくけれど、あれは何だろうな、とか考えた。きっと、良くない何かなんだろうな。

「究極の無」の説明で触れられていた各理論は、正直理解しにくい。
でも、分かったらおもしろいんだろうなぁ。

物理学にちょっと興味が出てきた。