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オルゴーリェンヌ の商品レビュー

4.9

7件のお客様レビュー

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2024/11/26

 焚書によるディストピア風のファンタジーで旅をする少年クリスが謎の少女ユユと出会い、さらには前作の事件で知り合った少年検閲官・エノとも再開を果たし、海上に建つオルゴール職人達が住む『カリヨン邸』に隠されているというガジェットの捜索と、洋館の住人を襲う連続不可能殺人に巻き込まれ、そ...

 焚書によるディストピア風のファンタジーで旅をする少年クリスが謎の少女ユユと出会い、さらには前作の事件で知り合った少年検閲官・エノとも再開を果たし、海上に建つオルゴール職人達が住む『カリヨン邸』に隠されているというガジェットの捜索と、洋館の住人を襲う連続不可能殺人に巻き込まれ、その謎を解明していく、特殊設定×館×クローズドサークル×不可能犯罪というミステリー好きには堪らない魅力のオンパレードかつ滅び行く世界で少年少女が自分の進むべき道を模索していく姿も引き込まれるものだった。ラストの畳み掛けは心底驚かされるものだった。間違いなく著者の最高傑作の一つ。

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2024/08/15

最後のシーンになってようやく犯人像が見えてきて、まさか、まさか…!と徐々に明らかになる真実に打ち震えました。 かなり分厚い文庫本ですが、最後まで読む価値はあります。前作の『少年検閲官』を読んだ事がある方は特にオススメします! 序章からすでに面白く☆5にしたいのですが、 『少年検...

最後のシーンになってようやく犯人像が見えてきて、まさか、まさか…!と徐々に明らかになる真実に打ち震えました。 かなり分厚い文庫本ですが、最後まで読む価値はあります。前作の『少年検閲官』を読んだ事がある方は特にオススメします! 序章からすでに面白く☆5にしたいのですが、 『少年検閲官』で紙のない世界ならではの犯行を上手く描いていた反面、今作はあまりその世界観が生かされていなかった点で、☆4にしました。

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2023/08/05

プロローグにあたる「序奏 月光の渚で君を」読んだだけで、一つの短編を読み終えたかのように、ちょっと間を置いて余韻に浸ってしまいました。 同じ著者の「ギロチン城」のプロローグ「首狩り人形」を読んだ時のような衝撃でした。 そして本編、「うんうん、これぞ北山作品やんな」と期待を裏切らな...

プロローグにあたる「序奏 月光の渚で君を」読んだだけで、一つの短編を読み終えたかのように、ちょっと間を置いて余韻に浸ってしまいました。 同じ著者の「ギロチン城」のプロローグ「首狩り人形」を読んだ時のような衝撃でした。 そして本編、「うんうん、これぞ北山作品やんな」と期待を裏切らない世界観とストーリー、そして蠱惑的な謎の数々とそれを可能にする物理トリック(偉そうに言ってるけど、全く謎は解けませんでしたが…)。 読み終わって思ったのは「ちょっとマイクル・コーニイ入ってるかも」でした。 決して多作ではないけど、新作が出るたび、もとい文庫化されるたびに買ってしまう北山猛邦さん、もっともっと作品を読みたいですね。

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2022/08/10
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読む順番は恐らく違ったのだろうが、北山ミステリは初読みだ。叙述トリックのものは読んでいたが、ここまでの物理トリック。説明的なのに説明だけでは終わらない、雰囲気や温度感、空気感も大事に描かれていた。 何より少しずつ小さな不明点を明らかにすることで、1番大きな伏線を回収することへ繋がる。残った人たちの推理が、その人の都合で解釈されていく中、もっとも冷静で冷酷な答えに導かれる。歯車が噛み合ってしまった無念さも、オルゴールの世界観と同期されている気がした。 順番は違ったのだろうが、1作目に選んで正解だったと思う。解説にもとても作者への愛を感じることができた。少年検閲官や、他の作品も読んでみようと思う。

Posted byブクログ

2022/05/11

傑作です。 ミステリの面白さが詰まった作品であり、なぜこのトリックを使用したかの答え、序奏の幻想的で儚げな物語、散りばめられたガジェットなどなどめちゃくちゃミステリ的な面白さ。よかった。

Posted byブクログ

2022/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

厚さが嬉しくなるほど夢中で読んでしまった。 二転、三転。 そして途中で気づいて 嫌だ、嫌だと思うも 1番苦しく切ない真実を突きつけられた。 それなのに物語の美しさに まるでハッピーエンドかのような錯覚を覚える。 クリスの冒険の続きを読みたい。 けれどこれ以上のものが生まれるのだろうか。 ちなみにカルテの『足枷』はなんだろう。 高さが怖い、とかかな?? それなら先輩のために頑張ってビルに登ったのはとてもかわいい。

Posted byブクログ

2022/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

作中の検閲官は中世の異端審問官とゲシュタポを混ぜたような連中で、存在そのものが「悪」と切って捨てたくもなるのだが、それでも彼らの、人殺しの話を何故読んだり書いたりするのか、という問いは、ミステリ読者として見過ごしにはできないだろう。この問いに少なくとも「人殺しの話が好きだからではない」と作品そのもので返答しているように思えることを、まずは讃えたい。ミステリとしてはこれでもかの物理トリックが、別の途方もない仕掛けの伏線であることに感嘆。素晴らしい。

Posted byブクログ