海蝶 鎮魂のダイブ の商品レビュー

吉川英梨(著者)

2024/10/29

２作目面白かった。被災した者と、そうでない者の壁、また被災者の中でもランクがあるなんてニュースでは分からない。海上保安官の恋の話や、息詰まる救出劇が前作より深堀されていて海蝶を応援したくなる！

2024/10/08

シリーズ2作目らしいがこちらから読んでしまった。でもそんな順番など関係ないくらいすぐに世界観に引きずり込まれていく。
読み始めは恋の始まりにキュンとしていたのもつかぬまで、近づけば近づくほどに傷つけあってしまう。どちらがいい悪いではなく、どうしようもないもどかしさややるせなさが本当に辛かった。佐崎の心がぼろぼろになっていく様に、どうしようもなく胸が痛かった。乗り越えられたからこそ寄り添えなくなってしまうもどかしさ。
最後は前向きになれる読後感で良かった。

2024/09/29

シリーズ２作目。めっちゃ面白かった！前作同様に震災については考えさせられるし泣けてくる。このシリーズはまだ続くのかな？もっと読みたいな〜

2024/08/15

小説とはいえ、震災について、考えさせられた一冊。
取り上げられる被災地とそうでない被災地。
被災者とそうでない者。
震災を乗り越えられる者とそうでない者。
簡単なわけないです。

頑張って（？）震災を乗り越えても、乗り越えられない者に寄り添ってあげれない苦しみって、もう本末転倒というか。
でも、そういうグレーの気持ちも理解もできて、なるほどなぁと思いました。

海のいいわけ。
このフレーズに、グッときました。

2024/08/12

前作よりも緊迫した情景と、2人の心情に読書中は心が苦しく辛くなった。弱いから心が壊れてしまうのではなく、優しいから、人の苦しみまでを抱えてしまうから…2人が前を向いて一緒に歩いていける未来が物語の先にあるんだと思えたから、希望を持って読み終わることができた。

2024/07/02

母を亡くした悲しみを克服して海上保安官という自分の道を見つけた愛と、愛の母を助けられなかった後悔からPTSDを発症し震災から11年経った今も苦しんでいる佐崎。恋人同士となった2人が乗船したきたはくば号で硫化水素が発生する事件が起きた。
被災者に序列はない。‟苦しい”に優劣はない。
訪ねてきた佐崎に正義がかけた言葉…ここは泣けた。

もっともっと愛の海蝶としての活躍をみていたい。

2024/05/02

海蝶の続編。愛の恋愛模様メインと休暇中に乗り合わせたフェリーでの事故。
その相手に出会っちゃたら恋に落ちるよな～と。でもその2人だからこその葛藤。
どうする？！どうなる？！そうきたかー！！

勝手に実写だと誰かな～と考えて楽しい！
読了しても余韻の残る一冊でした。

2024/04/22

いやはやめっちゃ面白かったんだが。
どうなるの？恋はどうなるんだい？
と気がかりに思ってたんだけど。
よかった、迷いながら、悩みながら、
少しずつ乗り越えていくんだって思えたから。
続編でないかなあ(⁠◡⁠ ⁠ω⁠ ⁠◡⁠)

2024/03/30

『海の教場』からの『海蝶』からの今作品
なんて気持ち良いエンディングなんでしょ！٩(៸៸›ᴗ‹៸៸)۶
若い二人に救いの手を差し伸べた愛の父正義
もう正義ったらやるなあ、グッドジョブ賞だ〜ദ്ദി˙◡･)
正義と佐崎の会話に感涙(꒪̥̥﹏꒪̥̥

話は東日本震災を発端にしたフェリーの硫化水素事件
臨場感溢れる描写と、海上保安官忍海愛の頑張りにどんどん吸い込まれた

＿＿震災当時、被災者同士には一体感があった
しかし、乗り越えて前向きに生きる人、未だに苦しい人、支援金や見舞金でやり直せた人…立場が同じだったのに、年月が経つことで気持ちにも生活にも格差が出て来て、亀裂が入りやすくなっているんだと思います＿＿（作中抜粋）

根源に震災があるトラブル
読んでいる間ずっと、何年経っても震災が起こした亀裂の重さを感じる

突如として牙を剥いた海
自然災害として最悪の被害をもたらした東日本大震災
海底の地殻変動は今も続いている
四つのプレートがある地震国に住んでいる私達は、いずれまた襲い来る災害に備えなければならない

最近また地震が多いのが気になる
気持ち良いエンディングでありながら、日頃の生活の在り方やこれからの未来を深く考えさせられる作品だった

2024/03/27

「海蝶」の続編。今作は潜水士の仕事の描写は少な目。新たに登場した佐崎と愛の恋愛、東日本大震災のPTSDを軸に物語が展開していく。
私自身、大きな災害に遭ったことはないのだけど、「自分よりひどい目にあったは人がいるから、自分なんかが悲しんではいけない」みたいな感情はすごくある。
「“苦しい”に優劣はないのに、無意識下で被災者の序列を作っていた。」
という愛のセリフがすっと入ってきた。
後半、自宅での正義と佐崎の会話もよかった。
こんな風に、悲しみを乗り越えるには周りの人の力が助けになるんだと改めて思った。