2019 ザ・ベストミステリーズ の商品レビュー

日本推理作家協会(編者)

2023/05/16

アンソロジーはあんまり読まない派だったのだけど、久々に読んでみるとおもしろいなあ！特に本作は、2019年度のベストミステリを集めたアンソロジーなだけあり、どの話もとてもおもしろかった。澤村伊智さんの「学校は死の匂い」以外は読んだことのない話ばかりで、あまり手に取らない作家さんの作品も読めた。

総合的に好きだったのは、芹沢央さんの「埋め合わせ」。プールの水を誤って抜いてしまった教師が、なんとか誤魔化そうと奔走する話。ドタバタ劇かと思いきや、ちゃんとミステリ要素もあっておもしろかった。
ミステリとしてよかったのは、長岡弘樹さんの「緋色の残響」が、心理的ミステリというのか、変わった切り口で新鮮だった。